概要
- 過去5年間に韓国関税庁が摘発した暗号資産連携の 違法両替 の規模は、10兆ウォン(約1兆1000億円)を超えた。
- 摘発された違法両替手口の83%%は暗号資産を利用しており、このうち90%%以上が テザー(USDT) など ステーブルコイン を使っていた。
- 暗号資産 違法両替 は金の密輸や中古車の密輸出など現物取引にも広がっており、実際の規模は摘発統計を上回る公算が大きい。
期間別予測トレンドレポート



過去5年間に韓国関税庁が摘発した暗号資産絡みの違法両替(違法外為取引)の規模が、10兆ウォン(約1兆1000億円)を超えたことが分かった。テザー(USDT)などステーブルコインを使った店頭決済の手口が広がっているためだ。足元では金や中古車といった現物取引でも、暗号資産を使う違法両替の事例が相次いでいる。
5月12日にチョン・イルヨン「共に民主党」議員室が韓国関税庁から受け取った資料によると、2021年から2026年3月までに同庁が摘発した暗号資産絡みの違法両替事件は71件だった。摘発額は2021年の8238億ウォン(約910億円)から2022年には4兆7566億ウォン(約5200億円)に急増した。摘発件数も2021年の10件から2025年は16件に増えた。
従来の違法両替は、2カ国にそれぞれ口座を設け、違法送金や国内外の価格差を狙った無登録の外為取引をするのが一般的だった。最近は海外で現金を受け取った業者が暗号資産を韓国内の業者に送り、国内業者がこれを取引所や店頭取引でウォンに換えて受取人に渡す手口に変わってきた。銀行網を通らないため、通常の外貨送金記録が残らない。
なかでもドル連動型のテザーが、違法両替の手段として広く使われている。韓国関税庁によると、直近5年間に摘発した違法両替の83%は暗号資産を使う手口だった。このうち90%以上がステーブルコインを利用していた。
暗号資産を使う違法両替は、金や中古車など現物取引にも広がっている。韓国関税庁によると、2021年から2026年までに国内で摘発した金の密輸事案は89件に上る。相当数は、韓国より金価格が相対的に高い日本に持ち出し、密輸代金の受け渡しにテザーを使った事例だ。
中古車の輸出代金も、暗号資産絡みの違法両替ルートとして使われている。5月11日には、キルギス国籍の2人と韓国内の不正車両流通業者2人が、テザーなどを使ってベンツなど高級車13台をキルギスに密輸出しようとした疑いで検察に送致された。中古車は車両履歴を外部から検証しにくい。この点を悪用したとみられる。
実際の暗号資産絡みの違法両替の規模は、摘発統計を上回る公算が大きい。取引所を通さない、いわゆる「手から手」への直接取引や個人ウォレットを使った迂回取引は、当局がリアルタイムで把握しにくいためだ。
チェ・ヨンチョン 韓国経済新聞記者 youngchoi@hankyung.com

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