概要
- 韓国政府は、サムスン電子の ストライキ 危機を巡り、緊急調整権 の発動可能性に初めて公式に言及した。
- サムスン電子の 半導体工場 が1日止まるだけでも、最大 1兆ウォン(約1080億円)の損失 に加え、輸出の減少 や 金融市場の不安 など、韓国経済全体への打撃が見込まれるとした。
- 世界の AI半導体競争 のなかで、今回のストが韓国 半導体産業 の 信頼 と基盤を揺るがしかねないとの懸念を示した。
期間別予測トレンドレポート


キム首相「半導体工場、1日止まるだけで1兆ウォンの損失」

韓国政府はサムスン電子のストライキ危機を巡り、最後の手段とされる緊急調整権の発動可能性に初めて公式に言及した。
キム・ミンソク国務総理は5月17日、政府ソウル庁舎でサムスン電子のストに関する国民向け談話を発表し、「政府は国民経済を守るため、緊急調整を含むあらゆる対応手段を講じざるを得ない」と述べた。
5月18日には、サムスン電子の労使が出席する中央労働委員会の事後調整が開かれる。スト回避に向けた事実上最後の協議の場と位置づけられており、政府も労使双方への圧力を強めた格好だ。
キム首相は「5月18日の交渉は、ストを防げる事実上最後の機会だ」と強調し、「労使双方とも、この場の重みを決して軽く見てはならない」と訴えた。
首相は、サムスン電子の半導体生産に支障が出れば、個別企業の損失にとどまらず、輸出の減少や金融市場の不安、協力会社の経営・雇用悪化、国内投資の萎縮など、韓国経済全体に傷を残すと指摘した。「サムスン電子の半導体工場は、1日止まるだけでも最大1兆ウォン(約1080億円)の直接損失が発生すると予想される」と説明したうえで、いったん停止した生産ラインを正常化するまでには数カ月かかる可能性があり、被害はさらに拡大しうると付け加えた。
さらに「世界の人工知能(AI)半導体競争のなかで、韓国が苦労して確保した戦略的優位を競争国に丸ごと明け渡すことになりかねない」と懸念を示した。そのうえで「重大な局面で起きるストは、韓国の半導体産業全体の信頼と基盤を自ら崩す行為だ」と語った。
この日の談話発表の場には、キム・ヨンフン雇用労働部長官も同席した。緊急調整権の発動権限は雇用労働部長官にある。
緊急調整権が発動されると、30日間はストが禁じられ、中央労働委員会が調整を進める。直近の発動事例は2005年12月8日の大韓航空ストだった。政府は当時、大規模な輸送支障と国民の不便を防ぐため緊急調整権を発動し、2006年1月10日に仲裁裁定が下された。
ナム・ジョンミン peux@hankyung.com

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