概要
- 中国はトランプ大統領の訪中に合わせ、故宮ではなく ロボット や ドローン など 技術競争力 を前面に出していると伝えた。
- 中国国内では、米国の衰退 をめぐる言説や、トランプ大統領の 関税攻勢 が中国の 戦略的自立 を早めたとの評価が増えているとした。
- 中国の外交筋では、トランプ大統領の 取引重視の接近 と イラン戦争 に伴う米国の中東シフトは中国にとって機会になり得る一方、米国の 不安定性 は 輸出依存度 の高い中国経済の負担になり得ると伝えた。
期間別予測トレンドレポート



ドナルド・トランプ米大統領が9年ぶりに中国・北京を再訪するなか、中国の対米認識も変わってきたとの見方を米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が伝えた。2017年12月の初訪中では中国が故宮を前面に出して長い歴史と威信を示したのに対し、今回はロボットやドローンなど技術分野の成果を強調しているという。
故宮からロボット・ドローンへ
NYTは5月12日、トランプ大統領の今回の訪中を機に、中国国内の空気の変化を報じた。トランプ大統領が2017年12月に初めて北京を訪れた際、習近平国家主席は故宮に招き、4時間にわたる非公開ツアーを実施した。
当時の中国は、長い歴史と文明を示すことに力点を置いていた。これに対し今回は様相が異なる。NYTによると、中国は古代帝国の遺産よりも、ロボットやドローンに象徴される自国の技術競争力を前面に押し出している。
NYTは、中国がもはやトランプ大統領の米国を単に追い付くべき対象とは見ていないと分析した。トランプ大統領の予測しにくい言動が、中国人が米国に抱いていた畏怖の念を薄れさせたとも指摘した。
こうした流れは中国国内の言論空間にも表れている。報道によると、中国の主流政治言説で「米国の衰退」への言及はこの1年で2倍近くに増えた。北京の中国人民大学傘下のシンクタンクは今年初め、「ありがとう、トランプ(Thank Trump)」と題する報告書も公表した。
中国の学界では、トランプ大統領の関税攻勢と同盟国への圧力が、米国の力を弱める一方で中国の戦略的自立を早めたとの評価も出ている。一部の研究者はトランプ大統領を「米国政治衰退の加速装置」と位置付ける。
米国志向にも変化
NYTは、米国型民主主義や米国社会に対する中国人の見方も以前とは同じではないと伝えた。中国北部のある教育コンサルタントはNYTに「10年前は学生の80%が米国留学を望んでいたが、今は45%まで急落した」と語った。
留学を準備する学生や保護者の間で、米国はもはや当然の第一志望ではないという。銃器事故や政治的対立など、米国社会の混乱を懸念する見方が強まっているためだ。
外交面でも、中国はトランプ政権をバイデン前政権とは異なる存在として見ている。中国外交筋の間では、ジョー・バイデン前政権による体系的な対中圧力よりも、トランプ大統領の取引重視の接近の方が中国には機会になり得るとの解釈が広がっている。
上海の復旦大学の呉心伯教授は、イラン戦争によって米国の視線が中東に向かい、中国への圧力が弱まったと分析した。11月の中間選挙を控えるトランプ大統領が、農産物購入など目に見える成果を得るため、中国と妥協する可能性があるとの指摘もある。
もっとも、NYTは中国が米国の不安定さを無条件に歓迎しているわけではないと指摘した。米国の影響力低下は中国にとって機会になり得る半面、予測しにくい米国の動きは輸出依存度の高い中国経済の重荷にもなり得るためだ。
NYTは、中国が当面は米国と正面衝突するよりも、トランプ政権の出方を見極めることに軸足を置くとみている。
ホン・ミンソン 韓経ドットコム記者 mshong@hankyung.com

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