キバリス、欧州12行でユーロ建てステーブルコイン推進 決済・RWAの中核基盤に

Minseung Kang

概要

  • 欧州の12銀行が MiCA に基づく ユーロ建てステーブルコイン を共同で進め、クロスボーダー決済とトークン化資産の決済インフラを構築していると明らかにした。
  • キバリスは EMT型ステーブルコイン を通じ、クロスボーダー決済外国為替(FX)取引トークン化証券の決済 など幅広い金融分野で活用を広げる方針を示した。
  • キバリスは 準備資産の運用による利息収入 を基盤としつつ、年内のオランダ金融当局の 規制ライセンス 取得と グローバル決済ネットワーク の拡大を進めていると説明した。

期間別予測トレンドレポート

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5月15日、キバリス(Qivalis)のジャンリュック・ギュスターブ アジア太平洋(APAC)統括が、ソウル・汝矣島のFKIタワーで開かれた「OFF 2026(On-chain Finance Forum 2026)」で講演している。写真:カン・ミンスン ブルーミングビット記者
5月15日、キバリス(Qivalis)のジャンリュック・ギュスターブ アジア太平洋(APAC)統括が、ソウル・汝矣島のFKIタワーで開かれた「OFF 2026(On-chain Finance Forum 2026)」で講演している。写真:カン・ミンスン ブルーミングビット記者

「ステーブルコインは、最も高い効率性と拡張性を備えたデジタルキャッシュだ。国境をまたぐ決済やトークン化資産の決済で中核インフラとして定着するだろう」

キバリス(Qivalis)のジャンリュック・ギュスターブ アジア太平洋(APAC)統括は5月15日、ソウル・汝矣島のFKIタワーで開かれた「OFF 2026(On-chain Finance Forum 2026)」でこう述べた。

ギュスターブ氏は、欧州の主要銀行が共同で進めるユーロ建てステーブルコイン計画を紹介し、デジタル資産市場が単なる暗号資産取引を超えてトークン化中心に急速に広がっていると指摘した。「過去には金融機関が暗号資産を直接扱うのは難しかったが、いまは戦略的に取り組む段階に移った」と語った。

キバリスは、INGやBNPパリバなど欧州12行が参加するコンソーシアムだ。欧州連合(EU)の暗号資産規制の枠組み「MiCA」に基づき、電子マネートークン(EMT)型のステーブルコインを構築している。銀行間の共同インフラを通じて単一資産を共有し、活用する仕組みを目指す。

ギュスターブ氏は、ステーブルコインの主な活用分野としてクロスボーダー決済を挙げた。欧州とアジアの資金移動は年間で約5兆ドルにのぼるとし、「この市場はなお非効率が大きく、改善余地が大きい領域だ」と説明した。

外国為替(FX)取引やトークン化証券の決済、電子商取引の支払い、プログラマブル決済などでもステーブルコインの活用は広がるとの見通しを示した。日本、韓国、シンガポール、香港をアジアの重点拡大市場に挙げた。

「ステーブルコインは、デジタルユーロや中央銀行デジタル通貨(CBDC)、トークン化預金など多様なデジタル資産と共存する」としたうえで、「効率性と拡張性の面で最も速く市場を変え得る領域はステーブルコインだ」と強調した。

キバリスは、発行と流通を分けた二層構造(two-tier distribution)を採用している。発行体はトークンの発行と償還のみを担い、実際の利用者との接点は暗号資産サービス提供者(CASP)が担う。規制順守と流通拡大を同時に実現する狙いだ。

収益モデルは、準備資産の運用で得る利息収入を基盤とする。ギュスターブ氏は「足元ではネットワーク構築と提携先の拡大が優先課題だ」と述べ、「将来的には取引手数料やプレミアムサービスの導入も検討している」と付け加えた。

現在は9行が参加契約を結んでおり、追加の銀行とも協議を進めている。規制ライセンスはオランダ金融当局を通じて取得を進めており、年内の確保を目指す。

ギュスターブ氏は「ステーブルコインは既存の金融システムを置き換えるのではなく、補完するインフラだ」と説明した。韓国を含むアジア市場との連携を通じ、グローバル決済ネットワークを広げる考えも示した。

Minseung Kang

Minseung Kang

minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.
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