概要
- 米中首脳会談では、AI、半導体、レアアースを巡る対立が主要議題として扱われる見通しだ。
- 中国による半導体輸出規制の緩和カードが現実味を帯びれば、韓国のメモリー企業には逆風となるシナリオだと分析した。
- 会談が現状維持にとどまる場合、サムスン電子、SKハイニックスなど韓国企業が反射利益を受ける可能性があるとした。
期間別予測トレンドレポート


「中国がより大きな譲歩を引き出せば、韓国企業には逆風」
「現状維持でもサムスン電子・SKハイニックスに反射利益、実際の妥結は容易でない」

ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談を5月14日に控え、韓国株式市場への影響に関心が集まっている。今回の会談ではレアアースや半導体を巡る水面下の協議が進む見通しで、韓国のメモリー大手やレアアース関連企業も神経をとがらせている。
会談前日の5月13日の韓国株式市場では、サムスン電子が1.79%、SKハイニックスが7.68%それぞれ上昇した。SKハイニックスは取引時間中に株価が19万9000ウォンまで上昇し、20万ウォン台が視野に入った。
韓国内でレアアース代替材を生産するユニオンマテリアルは8.5%急伸した。同社はレアアース代替材とされるフェライト磁石などを主力とする。レアアース関連銘柄とされるユニオン、東国R&Sもそれぞれ3.64%、1.8%上昇した。
金融投資業界によると、5月14日に中国・北京で開く米中首脳会談では、人工知能(AI)や半導体などの技術問題が主要議題の一つになる公算が大きい。
トランプ政権はこれまで、AIと半導体を中国との覇権争いの帰趨を左右する重要分野と位置づけ、国内投資の拡大と対中輸出規制で対応してきた。これに対し中国は、対米レアアース輸出規制などで対抗してきた。こうした構図から、韓国株式市場では半導体とレアアース関連企業の動向に注目が集まってきた。
今回の会談で米中の半導体対立が和らげば、韓国の業界や株式市場にも影響が及ぶ可能性がある。
NH投資証券のチョ・ヨンジュ研究員は「中国は昨年の首脳会談で絶対的な優位を示しただけに、レアアースをてこに北京がより大きな譲歩、すなわち半導体輸出規制の緩和を引き出せる立場にあるとの見方が強まっている」と分析した。そのうえで「これは韓国のメモリー企業には否定的なシナリオだが、会談が現状維持にとどまっても韓国企業には反射利益が見込める」と指摘した。
トランプ大統領は2025年12月、エヌビディアのH200チップの中国向け販売を認めると発表した。ただ、実際の輸出はなお実現していない。エヌビディアは2026年2月、「H200チップの中国への搬入はまだ認められていない」と明らかにしていた。
ハワード・ラトニック米商務長官も最近の議会公聴会で「中国企業はまだこのチップを購入できていない」と述べた。さらに、中国政府が自国産業の育成を目的に企業の購入を認めていないと主張した。
今回の経済使節団にエヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が加わったことで、AI半導体規制の緩和につながる可能性を指摘する声もある。カルロス・グティエレス元米商務長官はCNBCで「輸出規制で合意に至るまではまだ遠いが、フアンCEOが代表団に含まれたこと自体は前向きなシグナルだ」と評価した。
重要鉱物であるレアアースも議題に上る見通しだ。
中国は2025年10月、レアアースと、中国産レアアースが少量でも含まれる製品を対象に新たな輸出規制を導入すると発表した。その後、習主席はトランプ大統領との会談で、この措置を1年間猶予することで合意した。
ただ、猶予の終了時期が近づくなか、今回の首脳会談で延長合意がまとまるかどうかはなお不透明だ。2025年4月に施行された既存の輸出制限措置も現在まで維持されている。
レアアースは電子機器や半導体製造装置、電気自動車、軍需物資の生産に欠かせない重要素材だ。一方で中国は精製分野を事実上独占しており、西側メーカーの供給網のボトルネックを握っている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、中国が2025年4月にレアアース輸出の大半を事実上停止して以降、一部のレアアース価格は最大100倍まで急騰した。
ノ・ジョンドン 韓経ドットコム記者 dong2@hankyung.com

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