期間別予測トレンドレポート



エヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が、ドナルド・トランプ米大統領の中国訪問日程に途中から加わった。米国の対中先端AI半導体輸出規制と中国当局の購入承認が絡むなか、H200の中国向け供給再開への期待が改めて強まっている。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5月12日、フアンCEOがアラスカで米大統領専用機エアフォースワンに搭乗したと報じた。
フアンCEOは当初、ホワイトハウスが公表した訪中同行の経済界リストに入っていなかった。このため、エアフォースワンがワシントン近郊のアンドルーズ統合基地を出発した際も同行していなかった。
その後、状況は一変した。トランプ大統領は、フアンCEOが同乗していないとの報道を受けて自ら電話し、合流を要請したとされる。フアンCEOはその後アラスカに移動し、エアフォースワンに乗り込んだ。
トランプ大統領もソーシャルメディアでフアンCEOの同行を明らかにした。「ジェンスンは現在、エアフォースワンに乗っている」と書き込み、フアンCEOを「偉大なジェンスン・フアン」と呼んだうえで、「習近平・中国国家主席に中国市場の開放を求め、こうした優れた人材が能力を発揮できるよう要請する」と強調した。
これに先立ちホワイトハウスは、アップル(Apple)のティム・クックCEOやブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンクCEOら、中国事業の拡大を進める米主要企業の経営者16人が今回の訪中に同行すると発表していた。当初の名簿にフアンCEOの名前はなかった。
フアンCEOの合流が注目を集めるのは、エヌビディアの対中AI半導体販売を巡る問題と重なるためだ。フアンCEOは最近、米中両政府に対し、エヌビディアの先端AI半導体の中国販売を認めるよう働きかけてきた。
トランプ政権は、H200のような高性能AI半導体の対中輸出を原則として制限してきた。ただ、2025年末には、エヌビディアが利益の25%を手数料として支払うことを条件に、規制を一部緩和する考えを示していた。
中国政府も変数だった。中国は国産半導体の使用を促す技術自立路線を維持し、中国企業によるH200購入の許可を遅らせてきた。エヌビディアはここ数カ月、米中双方のライセンス取得を待つ状況にあった。
ロイター通信は3月、米国の承認に続いて中国当局が複数の中国企業によるH200購入を認めたと報じた。フアンCEOもこれに先立ち、「GTC 2026」の記者懇談会で、複数の中国企業から購入注文を受けており、輸出向けH200の生産再開を進めていると説明していた。
市場では、中国当局の承認を受けて、限定的な範囲で中国向けAI半導体の供給が再開されるとの期待が広がっていた。そこにフアンCEOがトランプ大統領の訪中日程に加わり、期待は一段と膨らんだ。
5月12日の中国株式市場では関連銘柄が上昇した。AI半導体供給再開への期待が広がり、上海総合指数は2015年7月以来の高値を付けた。
もっとも、米国内ではなお反対論もある。一部の政界関係者は、エヌビディアの先端AI半導体が中国に輸出されれば、米国の国家安全保障の負担になりかねないとみている。
一方、エアフォースワンがアラスカを経由した理由は公式には説明されていない。ただ、過去にも米大統領がアジア諸国を訪問する際、アラスカを中継地として使った例がある。
ホン・ミンソン 韓経ドットコム(Hankyung.com)記者 mshong@hankyung.com

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