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投票権買い占めで2000万ドル流出 BONK、1日で18%急落

Doohyun Hwang

概要

  • ソラナのミームコインBONKで、DAOガバナンス投票の悪用により約2000万ドル規模のトークンが流出し、価格が18%急落したと伝えた。
  • 攻撃者はBIP #76提案、隠されたスマートコントラクトのコード、大量のトークン買い集めを通じて投票権を独占し、総供給量の約5%(4兆4260億枚)を合法的な手続きで移転したと説明した。
  • 今回の事態を巡っては、通信詐欺への該当性、司法当局への届け出マンゴーマーケッツ判例との関係が論点となり、DeFiガバナンスと規制整備の必要性が改めて浮上したと伝えた。

期間別予測トレンドレポート

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ソラナ(Solana)系の代表的なミームコイン、BONKのプロジェクトで、分散型自律組織(DAO)のガバナンス投票制度を悪用した2000万ドル規模の資金流出が起きた。正規の投票手続きを使い、資本力で票を独占したことで、分散型の意思決定構造が抱える弱点が改めて浮き彫りになった。

DAO投票ルール悪用で2000万ドル流出

BONKは1日で18%急落

欺瞞的な提案巡り詐欺罪成立が争点

写真:Shutterstock
写真:Shutterstock

7月6日、BONK DAOは悪意あるガバナンス提案「BIP #76」によって、共同金庫から約4兆4260億BONKトークンが流出したと明らかにした。BONKの総供給量87兆9900億枚の約5%にあたる。流出分が単一のウォレットに移ったことで相場も大きく揺れた。事故前に0.0000049ドル台で取引されていたBONKは、この知らせを受けて直後に約18%下落した。

スマートコントラクトの盲点突く

写真:BONK DAO
写真:BONK DAO

犯行は周到だった。攻撃者は6月30日、「Sowellian BonkDAO(BIP #76)」と題する提案書を提出した。プラットフォーム内で新たな統治方式を導入し、新メンバーと委員会を設けてDAOを再建し、保有資産を処分して現金化することで損失を防ぐ――と説明する内容だった。さらに、賛成票を投じた参加者全員にトークンを配ると約束し、個人投資家の支持を誘った。

一方で攻撃者は、表向きの議案文の中に、特定のウォレットへトークンを送るスマートコントラクトの実行命令をひそかに忍ばせた。その後、バイナンス(Binance)やバイビット(Bybit)など大手暗号資産交換所で約8823億BONKを集中的に買い集め、投票権を確保した。

攻撃者はこの保有分を使い、7億1000万票にとどまった反対票を容易に押し切って議案を通した。7月6日に投票が締め切られると、わずか49秒で4兆4260億BONKが攻撃者のウォレットへ移った。2000万ドルを抜き取るためにかかった手数料は0.000105SOLにすぎなかった。犯行直後、攻撃者は投票に使ったトークンもそのまま引き出した。提案は6日間公開されていたが、これを止める制裁措置は講じられなかった。

BONK DAOの設定自体にも脆弱さがあった。当時の議決定足数は総供給量の1%にすぎなかった。議案可決後の実行を遅らせる「タイムロック(Timelock)」機能もなかった。ステーキングしていない流動性トークンでも投票が可能だった。結果として、約4兆4260億BONKが投票という合法的な手続きを経て攻撃者に移転した。

詐欺か合法取引か

事態を受け、BONK側は直ちに司法当局に届け出たうえで、「暗号資産交換所とソラナ財団と連携し、資金を追跡している」と説明した。一方、法曹界と業界では、コードだけで動く分散型金融(DeFi)特有のグレーゾーンを巡る議論が広がっている。焦点は、今回の資金流出を米連邦法上の通信詐欺として立件できるかどうかだ。

通信詐欺が成立するには、相手を欺く意図と重大な虚偽説明を立証しなければならない。この点を巡り、業界の見方は割れている。起訴を支持する側は、提案書に記された「Sowellianガバナンス導入」が単なる発想ではなく、実在する名称付きの仕組みとして示されていた点を重視する。実際の実行コードにはガバナンス構築の指針が一切含まれておらず、明白な虚偽の約束だったという主張だ。提案書どおりコードが透明に実行されたという反論は半分しか真実を語っておらず、投資家の誤解を誘った時点で詐欺の意思があったと指摘する。

これに対し、詐欺罪の適用は難しいとの反論もある。攻撃者は事前の買い集めによって、提案を単独で可決できる絶対的な投票権を握っていたためだ。誤認を招く提案文が実際の資金移転を引き起こした欺罔行為なのか、それとも結果に影響しない装飾的な文言にすぎないのか。法的に因果関係を立証するのは難しいと法曹関係者はみる。

最大の変数として浮上しているのが、過去のマンゴーマーケッツ(Mango Markets)事件の判例だ。当時、先物取引でMANGOトークン価格をつり上げ、それを担保に約1億1000万ドル相当の暗号資産を持ち出したアブラハム・アイゼンバーグは、一審有罪判決が覆り、最終的に無罪評決を得た。裁判所は、マンゴーマーケッツに借り入れに関する明示的な指針や利用規約がなく、虚偽性を立証する証拠が不十分だったと判断した。コードの悪用自体が合法だという意味ではない。明文化されたルールや約束がなかったため、法的には欺罔が成立しなかったという趣旨だ。

業界関係者は「今回の事件は、コードだけで動く分散型エコシステムを法的にどう統制するかという問いを突き付けた」と語った。そのうえで「スマートコントラクトの盲点を突く合法的な詐欺を防ぐには、規制の整備が急務だ」と強調した。

#DAOガバナンス
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Doohyun Hwang

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