概要
- イスラエルとイランの対立継続に加え、トランプ大統領がイランの提案を拒否したことで、国際原油価格が再び上昇基調に転じたと伝えた。
- シティ銀行は、イランと米国が合意に至らなければ原油価格がさらに上昇する可能性があり、ホルムズ海峡の再開通が遅れれば混乱が長期化しうると指摘した。
- シュールマン氏は、現在の供給減少量がパンデミック時の需要減少規模に近いとしたうえで、原油価格の上昇が消費財価格の急騰と各国の経済危機につながりかねないと主張した。
期間別予測トレンドレポート


北海ブレント先物は1バレル103ドル
イスラエルも「イランとの対立は終わっていない」と警告

イスラエルが「イランとの対立はまだ終わっていない」と警告し、トランプ米大統領も米国とイスラエルの戦争を終わらせようとするイランの提案を拒否した。エネルギー供給の混乱への懸念が強まり、国際原油相場は5月11日、再び上昇に転じた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5月11日、イランとの対立が「まだ終わっていない」と警告した。中東情勢の緊張が高まるなか、国際指標となる北海ブレント原油の7月物先物はロンドン時間午後0時40分時点で2.5%高の1バレル103.89ドルを付けた。米国産標準油種のWTIの6月物先物も2.5%上昇し、97.88ドルで取引された。
トランプ大統領も、米国とイスラエルの戦争終結を目指すイランの提案を拒んだ。大統領は「いわゆるイランの『代表団』の返答を今読んだが、気に入らない。到底受け入れられない」と語った。
ネタニヤフ首相は前夜、米CBSの番組「60ミニッツ」のインタビューで「イランには、なお除去すべき核物質と濃縮ウランが残っている」と述べた。さらに「解体すべき濃縮施設があり、イランが支援する代理勢力もいる。イランが生産しようとしている弾道ミサイルもある」と主張した。
米国とイスラエルが核物質をどう除去するのかと問われると、ネタニヤフ首相は「行って持ち出せばいい」と答えた。
シティ銀行のアナリストは最近のリポートで、イランと米国が合意に至らなければ原油相場が一段と上昇する可能性があると指摘した。一方で、高水準の原油在庫や戦略石油備蓄の放出、発展途上国の需要鈍化、中東の緊張緩和の兆しが市場の緩衝材になってきたと付け加えた。
シティ銀行は、イランがホルムズ海峡の再開通を巡る合意の時期と条件について相当な統制力をなお維持しているため、原油価格のリスクは依然として上振れ方向に傾いていると分析した。
そのうえで、双方は5月末ごろにホルムズ海峡の再開通で合意する可能性が高いとみている。ただ、再開通の時期が遅れたり、部分的な再開通にとどまったりすれば、混乱がより長引く可能性も高いと見通しを示した。
スパルタ・コモディティーズ(Sparta Commodities)の共同創業者で最高経営責任者(CEO)のフェリペ・エリンク・シュールマン氏は、現在の石油市場を2020年のパンデミック時と重ねて説明した。
シュールマン氏は5月11日のCNBCとのインタビューで、2020年には需要が平均で2019年比日量900万バレル減少したと明らかにした。現在の供給減少量は、それとほぼ同じ規模だという。市場はいずれ調整し、その程度の需要減少を経験することになると語った。
同氏は「問題は、需要減少がどこで起きるのかだ」と述べた。「原油価格が1バレル200ドルまで上がらなくても、人々が消費する製品の価格ではそれに近い上昇が起きるだろう」と強調した。さらに、貧しい国々は人道危機に、欧州は経済危機に、米国は政治危機に直面することになると指摘した。
キム・ジョンア客員記者 kja@hankyung.com

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