概要
- 未来アセット証券の時価総額は44兆4000億ウォン(約4兆9300億円)となり、野村ホールディングスを9兆ウォン近く上回って、アジアの証券株の代表銘柄に浮上した。
- 株式市場の空前の活況に加え、スペースX投資への期待、売買代金の増加、AUM 600兆ウォン突破を追い風に、未来アセット証券は業界初の四半期営業利益1兆ウォン達成が確実視されている。
- サムスン証券、NH投資証券、韓国金融持株、キウム証券など大手証券株は、株価と純利益がそろって急増した。業界では、証券株の上昇基調は当面続くとみている。
期間別予測トレンドレポート


証券株が株式相場の大幅上昇を追い風に、最大の恩恵銘柄として浮上している。5月の株式市場では1日平均売買代金が60兆ウォン(約6兆6600億円)を超え、証券各社は過去最高益を相次ぎ更新している。業界首位の未来アセット証券は、アジアを代表するグローバル投資銀行である野村ホールディングスの時価総額も上回った。韓国証券業界の存在感が一段と高まっている。
韓国取引所によると、5月11日終値時点の未来アセット証券の時価総額は44兆4296億ウォン(約4兆9300億円)だった。野村ホールディングスは3兆8000億円で、未来アセット証券が9兆ウォン超上回った。2025年末時点では、未来アセット証券の時価総額は野村ホールディングスの3分の1にとどまっていた。
2026年に入り、KOSPI指数の上昇とスペースX投資への期待を背景に、未来アセット証券の株価は240%上昇した。2月ごろに野村ホールディングスの時価総額を上回り、その後も上昇基調を維持して差を広げた。
未来アセット証券が野村ホールディングスを上回ったことは、韓国証券会社の地位向上を象徴する出来事だ。2016年に未来アセット証券がKDB大宇証券を買収した際、朴炫柱会長は「韓国版・野村」を目標に掲げた。10年を経て、株式市場の異例の活況とスペースXなど海外イノベーション企業への投資期待を背景に、かつてのロールモデルの企業価値を超えた。
市場では、未来アセット証券が5月12日に発表する2026年1〜3月期決算で、業界初の四半期営業利益1兆ウォン(約1110億円)を達成する公算が大きいとみている。
他の証券会社の企業価値も膨らんでいる。韓国取引所によると、2026年に入ってからの株価上昇率はサムスン証券が79.3%、NH投資証券が70.9%、韓国金融持株が64.5%、キウム証券が58.5%に達した。業界関係者は「金融持株会社の中で傍流とみなされていた証券会社が、いまや業績と株価の方向性を左右する存在になった」と語った。
10年前に「韓国版・野村」を掲げた未来アセット、いまやロールモデル超え
未来アセット、野村HDを逆転
2016年に未来アセット証券が大宇証券を買収した際、朴炫柱会長は野村証券をロールモデルに据えた。内需依存から脱し、未来アセット証券をアジアを代表するグローバル投資銀行と肩を並べる企業に育てるのが狙いだった。
それから10年が過ぎ、朴会長の構想は現実になった。例を見ない株式市場の活況と海外事業を追い風に、未来アセット証券の株価は2026年に入って3倍超上昇した。いまでは野村証券の企業価値を9兆ウォン近く上回り、アジアの証券株を代表する銘柄になった。サムスン証券やNH投資証券などほかの証券株も、KOSPI上昇の恩恵を受けて急伸している。

未来アセット、AI・半導体株を上回る上昇率
5月11日時点のブルームバーグと韓国取引所の集計によると、2025年末時点で未来アセット証券の時価総額は13兆ウォン(約1兆4400億円)にとどまり、野村証券の38兆ウォン相当の3分の1だった。だが2026年2〜3月ごろから、未来アセット証券が投資する宇宙企業スペースXの新規株式公開(IPO)期待と株式市場の活況が重なり、株価は急騰し始めた。3月3日には未来アセット証券の時価総額が37兆8000億ウォン(約4兆2000億円)となり、野村ホールディングスの37兆4000億ウォン相当を上回った。5月11日終値時点では、未来アセット証券が44兆4000億ウォン(約4兆9300億円)、野村ホールディングスが35兆6000億ウォン相当で、差は9兆ウォン近くに広がった。
未来アセット証券の株価上昇は、足元の市場をけん引してきた人工知能(AI)や半導体関連株と比べても見劣りしない。韓国取引所によると、5月11日の終値は7万9400ウォンで、2025年末比240%高だった。LSエレクトリックの230%、ハンミ半導体の214%、SKハイニックスの189%を上回る伸びだ。主要な金融・証券・保険株の中では、ハナ金融持株やウリ金融持株を抜いて時価総額4位に浮上した。5月8日には海外証券会社の買収観測を受け、シンハン持株の時価総額も一時上回った。
注目されるのは、スペースXのIPOという一過性の材料だけでなく、業績が株価上昇を支えている点だ。韓国株市場の売買増加を受け、未来アセット証券のブローカレッジ(委託売買)手数料と信用供与の利息収益は急増している。退職年金資金の流入と海外現地法人の成長も加わり、顧客資産(AUM)は600兆ウォン(約66兆6000億円)を超えた。AIベースの投資情報サービス、エピックAIは、未来アセット証券の2026年1〜3月期連結営業利益が業界で初めて1兆ウォンを超えると見込んでいる。前年同期の3倍を上回る水準だ。
証券各社、最高益更新が本格化
未来アセット証券だけではない。5月11日終値時点で、サムスン証券は79.3%、NH投資証券は70.9%、キウム証券は58.5%と、大手証券株はいずれも2025年末比で2桁の上昇率を記録した。金融持株会社の中でも、証券事業が中核の企業の株価上昇率が際立つ。2025年の証券業純利益首位だった韓国投資証券の親会社、韓国金融持株の株価は2025年末比64.5%上昇した。銀行を主力子会社とするウリ金融持株の15%、ハナ金融持株の33.4%を大きく上回る。
市場では、証券株の上昇基調は当面続くとみている。グローバル投資銀行がKOSPI指数の目標を「1万ポイント」まで引き上げており、主要証券会社の2026年業績は高水準で推移する見通しだからだ。サムスン証券は5月11日、1〜3月期の営業利益が6095億ウォン(約677億円)、純利益が4509億ウォン(約501億円)だったと発表した。前年同期比ではそれぞれ82.1%、81.5%増えた。とりわけリテール部門では19兆7000億ウォン(約2兆1900億円)が純流入し、顧客総資産は495兆6000億ウォン(約55兆円)に達した。資産管理部門の堅調な成長が目立った。
シンハン投資証券も1〜3月期の営業利益が3864億ウォン(約429億円)となり、前年同期比228.5%増えた。純利益も2884億ウォン(約320億円)で167.4%増だった。NH投資証券の1〜3月期純利益は4757億ウォン(約528億円)で128.5%増だった。キウム証券は4774億ウォン(約530億円)、KB証券は3502億ウォン(約389億円)、ハナ証券は1033億ウォン(約115億円)で、それぞれ102.6%、92.8%、37.1%増加した。
イ・ソナ/オ・ヒョナ記者 suna@hankyung.com

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