「テスラ株は1株も売っていないのに」…231億ドル保有の韓国個人、スペースX合併なら譲渡益課税
概要
- 海外企業の 合併 では、韓国税法上、海外株式 の交換が 譲渡 と見なされ、譲渡所得税22% が課される。
- テスラの 投資残高231億ドル は、スペースX合併 の枠組み次第で全額が 課税対象 になるとの懸念が強まっている。
- 長期 保有者 ほど 税負担 が重くなり、株価下落後でも確定した 税金 を納めなければならないとして、制度改善を求める請願が出された。
期間別予測トレンドレポート


「テスラに231億ドル保有の韓国個人、スペースX合併なら譲渡益課税」
税負担におびえる海外株投資家
売らなくても韓国では「売却」と見なす
昨年はロケットラボでも利益に22%課税
長期保有者ほど負担増
「海外株の合併も課税繰り延べを」請願
韓国経済新聞の有料投資情報プラットフォーム「韓経プレミアム9」に掲載された記事である。「韓経プレミアム9」(www.hankyung.com/premium9)を購読すれば、より多くの株式投資関連記事を読める。

10月16日、イーロン・マスク氏はX(旧ツイッター)に、テスラとスペースXの合併に関する投稿を載せた。ウォール街は直ちに、合併の損得勘定を始めた。
だが、韓国の海外株投資家を悩ませているのは別の不安だ。海外企業が合併に伴って既存株を新会社株に交換した瞬間、韓国ではこれを譲渡と見なし、含み益に22%の譲渡所得税を課す。2025年にロケットラボの株主が経験した事態が、テスラでも繰り返されかねないとの懸念が強まっている。
◇「1株も売っていないのに課税」
11月3日時点の国会「国民同意請願」サイトによると、10月22日に掲載された「海外株式の組織再編に対する譲渡所得税の課税繰り延べ制度導入」請願は、同日までに2万5000人超の同意を集めた。11月21日までに5万人に達すれば、所管の常任委員会が審査する。
投資家が警戒するのは、ロケットラボの事例の再現だ。2025年5月、ロケットラボが持ち株会社体制に移行した際、既存株1株は新株1株に自動で交換された。米国では課税されなかったが、韓国では扱いが異なった。一部の韓国証券会社は、転換日の終値で既存株を売却し、新株を買い付けたものとして処理した。課税当局の解釈も「譲渡」だった。このためロケットラボの株主は2026年5月に税金を納めた。
税制当局が根拠とするのは所得税法だ。同法は売却だけでなく交換も譲渡と定める。現金が1ウォンも入らなくても、旧株を売って新株を買ったものとみなし、利益に22%の税を課す。韓国内の法人同士の合併や持ち株会社への転換では、租税特例制限法に基づき、受け取った株式を売るまで課税が先送りされる。だが外国法人はこの特例の対象外だ。
◇長く保有するほど負担は重い
テスラはロケットラボとは比べものにならない規模だけに、投資家の関心も大きい。韓国預託決済院の集計によると、10月30日時点の韓国投資家によるテスラの投資残高は231億1000万ドル(約3兆6500億円)だった。米国株で首位となり、2位エヌビディアと3位アルファベット(クラスA)を合わせた規模に迫る。
ウォール街が有力視する合併の枠組みに沿えば、この231億ドルの全額が課税対象になる可能性が高い。ウォール街では、時価総額で上回るスペースXがテスラを買収する案が有力視されている。スペースXの時価総額は約2兆ドル(約316兆円)で、テスラを約5000億ドル(約79兆円)上回る。このシナリオでは、テスラ株主はテスラ株を差し出し、スペースX株を受け取る。韓国税法はこの時点をテスラ株の売却とみなす。受け取り額は交換比率とプレミアム次第で決まる。バークレイズはテスラ1株に対しスペースX株約3.1株、プレミアム約20%を想定する。バンク・オブ・アメリカは20〜30%、RBCとJPモルガンは20〜35%を見込む。
最も保守的なバークレイズの推計を当てはめると、こうなる。2023年1月初めに1株108ドルで、テスラを1000万ウォン(約118万円)分買った投資家がいるとする。テスラが合併検討を正式に示した10月20日の終値373.71ドルを基準にすると、評価額は3000万ウォン(約354万円)を超える。これを3000万ウォンと置き、合併時に20%のプレミアムが上乗せされれば、3600万ウォン(約425万円)分のスペースX株を受け取る計算になる。
税法上は、これを3600万ウォンで売却したとみなす。利益は2600万ウォン(約307万円)だ。ここから基礎控除250万ウォン(約30万円)を差し引いた2350万ウォン(約277万円)に22%を課すため、税額は517万ウォン(約61万円)となる。現金は1ウォンも受け取っていなくても、税金は合併翌年の5月までに現金で納めなければならない。
問題は、保有期間が長い投資家ほど税負担が重くなる点にある。早く買うほど取得単価が低く、含み益が大きくなるためだ。元本を1000万ウォンでそろえると、2023年1月に買った投資家の税額は517万ウォン(約61万円)、2024年4月の安値圏だった142ドルで買った投資家は約410万ウォン(約48万円)、2026年7月の安値圏だった298ドルで買った投資家は約55万ウォン(約6万5000円)となる。3年保有した投資家は、今夏に買った投資家より9倍超を負担する計算だ。売るつもりのなかった投資家が、納税資金をつくるために株を手放さざるを得ない可能性がある。
不利な点はなおある。税額は交換時点で確定するため、その後に株価が下がれば、手にしてもいない利益に税金を払う構図になる。3600万ウォン分のスペースX株が半値の1800万ウォン(約212万円)になっても、税額は517万ウォンのままだ。海外株の損失は翌年に繰り越せないため、取り戻す手立てもない。
金融投資業界の関係者は「合併の枠組みが確定してみなければ分からないが、現行法のままならロケットラボと違う扱いをする根拠は乏しい」と指摘した。「制度が変わらない限り、投資家は備えるしかない」とも語った。
パク・ジュヨン記者 grumpy_cat@hankyung.com
Korea Economic Daily
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