「サムスン電子を買い増せ」対「KOSPIに希望なし」 交錯する見通し
概要
- サムスン電子は、最大 110兆ウォン規模の株主還元 方針と、メモリービジネスを基盤とする 追加のフリーキャッシュフロー(FCF) 創出余地を示し、株価の追加モメンタム への期待が高まっているとした。
- 一部の証券会社は、株主還元規模8.1%、長期供給契約(LTA)、HBMシェア首位 の可能性を根拠に、極端な割安圏 にあるとして、目標株価を引き上げるか据え置いた。
- 一方、別の証券会社は、株主還元政策 が期待に届かず、外国人需給 に左右される 韓国株市場の構造 を理由に目標株価を引き下げ、株価上昇は限定的 との見方を示した。
期間別予測トレンドレポート


最大110兆ウォン(約13兆円)の株主還元を発表
具体策は2027年1月に確定へ、市場の反応は割れる

サムスン電子が過去最高水準の業績と、最大110兆ウォン(約13兆円)規模の株主還元計画を打ち出した。もっとも、株価の先行きを巡る見方は割れている。メモリー半導体の供給不足や高帯域幅メモリー(HBM)の競争力回復を支えに一段高を見込む向きがある一方、具体的な株主還元策の公表が先送りされたうえ、外国人投資家の売買動向に左右されやすい韓国株市場の構造を踏まえると、業績改善が株価上昇に結びつくかはなお不透明との見方も強い。
10月30日の金融投資業界によると、サムスン電子は10月29日、第3四半期に30兆ウォン(約3兆5400億円)の現金配当を実施するなど、2026年に最大110兆ウォン(約13兆円)規模の株主還元を進める方針を明らかにした。ただ、詳細は2027年1月末の取締役会で確定するとしている。
ユアンタ証券のペク・ギルヒョン研究員は「2028年まで需給の逼迫が続く可能性が大きく、過去のサイクルに比べて業績の可視性は大きく高まった」と分析した。そのうえで「メモリービジネスを基盤とする追加のフリーキャッシュフロー(FCF)創出余地を踏まえると、2027年1月末に公表される次期株主還元政策が株価の追加材料になる」と評価した。目標株価は従来の63万ウォン(約7万4300円)から69万ウォン(約8万1400円)に引き上げた。
ハナ証券のキム・ロクホ研究員は、現在の時価総額に対する株主還元の規模が8.1%に達している点を挙げ、「株価は極端な割安圏にある」と指摘した。「長期供給契約(LTA)を通じて中長期の業績安定性が確保されただけに、2027年から株主還元策が強化される可能性も排除できない」との見方を示した。目標株価は48万ウォン(約5万6600円)に据え置いた。2027年の業績見通しは引き上げたものの、世界の半導体各社のバリュエーション倍率低下を反映したためだと説明した。
デシン証券のリュ・ヒョングン研究員は「株主還元は時期の問題にすぎない」と述べた。次期株主還元策の強化方針に変化はないとみており、市場が期待する自社株買いと消却は優先株を中心に実施される可能性が高く、その規模は25兆ウォン前後(約2兆9500億円)になると予想した。
一方、IBK投資証券はサムスン電子の目標株価を46万ウォン(約5万4300円)から35万ウォン(約4万1300円)に引き下げ、異なる評価を示した。キム・ウンホ研究員は「足元の収益性と市場環境を考慮すれば適正株価は46万ウォンだ」としつつ、「株主還元策が市場の期待に届かず、競合他社と比べた選好度も低下するとみられる以上、株価上昇は限定的だ」と説明した。
2027年の業績と事業環境については、各社がそろって前向きな見通しを示している。リュ研究員は「サムスン電子には最近、第6世代の高帯域幅メモリー(HBM4)の追加供給要請が殺到していると推定される」と述べ、「2027年はHBM市場で首位シェアを確保する節目の年になる」と評価した。NH投資証券のリュ・ヨンホ研究員は「2030年までに全体物量の60〜70%をLTA向けに配分する目標など、メモリー産業では過去と異なる構造変化が進んでいる」と分析した。
投資家の受け止めも割れている。サムスン電子のある投資家は「2026年の110兆ウォン(約13兆円)規模の株主還元計画に、2027年の追加政策が上乗せされれば、配当や自社株消却を通じた株主価値向上の余地は十分ある」と話した。「外国人投資家の持ち高も高値圏から大きく減っているだけに、KOSPIの主力株であるサムスン電子に資金が戻る可能性は高い」として、買い増す考えを示した。
別の投資家はこれに反対の見方を示す。「問題はサムスン電子ではなく、韓国株市場が企業のファンダメンタルズよりも外国人の需給と世界のマクロ要因に左右される市場になった点だ」と批判した。そのうえで「業績がどれほど改善しても、KOSPIそのものが適正に評価されない『株式の遊び場』であるなら、個人投資家に希望はあるのか」と疑問を呈した。
サムスン電子を巡る見方が割れるなか、10月30日の株価は大幅安で推移している。人工知能(AI)ベースの投資情報プラットフォーム、エピックAIによると、同社株は前営業日比6.47%安の21万7000ウォン(約2万5600円)で取引されている。
カン・ギョンジュ記者 memory@hankyung.com
Korea Economic Daily
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