ECB、フランス国債市場不安で金利据え置き観測 12月追加利上げの可能性
概要
- ECBは中銀預金金利を年2.5%で据え置く公算が大きく、12月に1回の追加利上げの可能性が取り沙汰されていると伝えた。
- フランスでは国債利回りが急騰しており、国債市場の不安が続くなか、ユーロ圏の金融市場の混乱が広がる可能性が重荷になっているとした。
- 市場では、TPIを通じた無制限の国債購入の可能性と、ユーロ圏の7〜9月期成長率・10月物価指標が今後の金利経路を左右する重要な変数として注目されていると伝えた。
期間別予測トレンドレポート



欧州中央銀行(ECB)は、フランス国債市場の不安とエネルギー価格の上昇に伴うインフレ圧力を踏まえ、政策金利を据え置く見通しだ。
ブルームバーグが10月29日に報じたところによると、ECBは同日の理事会で中銀預金金利を年2.5%に据え置く公算が大きい。ブルームバーグの調査では、エコノミストの大半が金利据え置きを予想したうえで、12月に1回の追加利上げを見込んだ。
ユーロ圏のインフレ率は、ECBの目標である2%のほぼ2倍の水準まで上昇している。ただ、物価上昇は主にエネルギー分野に集中しているため、ECBが追加引き締めの是非を慎重に判断する余地がある。イラン戦争に伴う原油・天然ガス供給の混乱が、今後の物価見通しを左右する主要な変数とされる。
フランス国債市場の不安も、ECBの金利判断の重荷になっている。フランスでは、財政赤字の拡大に政治的分断と社会不安が重なり、国債利回りが急騰した。足元ではフランスとドイツの10年物国債利回り格差が15年ぶりの高水準に広がっており、市場の動揺がイタリアなど他のユーロ圏諸国に波及する可能性も取り沙汰されている。
ブルームバーグ・エコノミクスのデービッド・パウエル氏とシモナ・デルレ・キアイエ氏は、借り入れコストの上昇ですでに金融環境が引き締まっているうえ、国債市場も不安定化していると分析した。そのためECBは状況を悪化させる決定を避ける可能性が高く、今回会合では金利を据え置く公算が大きいと指摘した。
市場では、ECBが国債市場の安定に向けた政策手段を発動するかどうかにも関心が集まっている。ECBは2022年、市場の異常な値動きに対応するため、無制限の国債購入を可能にする伝達保護手段(TPI)を導入した。ただ、フランスの財政問題にこの制度を適用するのは容易ではないとの見方が強い。ロンバー・オディエの最高投資責任者(CIO)、ナネット・ヘフラー・ファイドヘルベ氏は、金融市場の混乱がユーロ圏全体に広がらない限り、ECBがTPIを使う可能性は低いとの見通しを示した。
ECBは12月に公表する新たな経済見通しを踏まえ、追加利上げの有無を判断する見込みだ。クリスティーヌ・ラガルド総裁はこれまで、段階的な金融政策調整が適切だとの立場を維持してきた。市場では、10月30日に公表されるユーロ圏の7〜9月期実質国内総生産(GDP)成長率と主要国の10月物価指標が、今後の金利経路を占う重要材料になるとみている。
Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.