AI向け融資の資金余力に陰り 開場前に押さえる7つの材料
概要
- AI関連の債務調達額は4600億ドル(約72兆6000億円)と過去最大を記録し、融資金利も2桁に上昇して、資金調達環境が急速に悪化していると伝えた。
- 優良データセンターABS金利、CDSコスト、投資適格級テック企業債利回りがそろって上昇し、オラクル、スペースX、エヌビディア、メタ、ブロードコムなど主要AI企業の信用リスクが拡大していると指摘した。
- ムーディーズは、PIK利息、2027〜2029年の満期集中、AIデータセンター事業の遅延リスクなどを背景に、プライベートクレジット市場の不良化リスクが高まりうるとして、AI投資では現金創出力を重視すべきだと強調した。
期間別予測トレンドレポート



1. FRBは10月28日に金利据え置き公算 ウォール街の投資戦略は割れる
米連邦準備理事会(FRB)の10月28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ウォール街の投資戦略が分かれている。市場は政策金利の据え置きを約90%織り込む。ただ、ケビン・ウォーシュFRB議長が記者会見で今後の金融政策の方向性をどう示すかが最大の焦点だ。
FRBは10月28日に政策金利を公表する。現在の政策金利は年3.75〜4.00%だ。EYパルテノンのグレゴリー・ダコ首席エコノミストは、ウォーシュ議長が9月の利上げ後もインフレ圧力が続くなかで、据え置き判断を説得力を持って説明する必要があると分析した。とりわけ中間選挙を前に、金融政策が政治的影響を受けたという受け止め方を打ち消す必要があると指摘した。説明が不十分なら、債券市場で売りが広がる恐れがあると警告した。
ソーファイ(SoFi)のリズ・トーマス首席市場ストラテジストは、FRBの今後の金利経路にかかわらず、コモディティー投資の比率を高める必要があると主張した。インフレや異常気象への備えとして、商品ETFのPDBCを挙げた。同ETFは今年51%上昇した。
シルビアのフィル・ローゼン首席市場ストラテジストは、AI産業の電力需要増とイラン戦争の長期化を理由に、エネルギーETFのXLEを推奨した。今年のS&P500エネルギー業種は55%上昇し、全業種で最高の騰落率を記録した。マラソン・ペトロリアム、バレロ・エナジー、フィリップス66、APAなどの株価は年初から2倍超に上昇した。
防御的な業種を選好する投資家もいる。キャピタルワイズのジョージ・アチャンポン創業者は、利下げがなくても成長できる企業に目を向けるべきだと強調した。安定した需要とキャッシュフローを持つ生活必需品ETFのXLPと、ヘルスケアETFのXLVを推した。ローゼン氏は、肥満治療薬GLP-1市場の成長性とAI活用力を理由に、イーライリリーを有望銘柄に挙げた。
超富裕層はAIインフラに資金を振り向けている。純資産1億ドル(約158億円)超の投資家で構成するR360は、AI産業の最終的な勝者を当てるよりも、電力と資金、データセンターを供給する企業に投資している。投資先として、電力供給会社コンステレーション・エナジー、投資会社ブラックストーン(Blackstone)、データセンター運営会社エクイニクスを選んだ。
一方、純資産500万〜1億ドルの投資家コミュニティー、ロングアングルではAI関連株の高値警戒感が広がっている。会員約200人を対象にした調査では、59%がAI関連株は割高だと答えた。52%は安全資産の比率を引き上げていると明らかにした。サンディスクやオラクルなど急騰したAI関連株への警戒が強まり、テスラやスペースXへの投資選好も低下したという。
2. アンソロピック、現金性資産1317億ドル 米企業で3位
人工知能(AI)企業アンソロピックが、米企業のなかで3番目に多い現金性資産を保有していることが分かった。ただ、今後支払うコンピューティング関連の契約義務は手元資金を大きく上回っており、追加調達の必要性も浮上している。
アンソロピックが米証券取引委員会(SEC)に提出した新規株式公開(IPO)届出書によると、6月末時点の現金・現金同等物は1124億ドル(約17兆7000億円)、短期投資資産は193億ドル(約3兆円)だった。合計は1317億ドル(約20兆8000億円)になる。
CNBCとS&PキャピタルIQの集計では、銀行を除く米企業でアンソロピックを上回る現金性資産を持つのはバークシャー・ハザウェイとアルファベットだけだった。アンソロピックの手元資金はアマゾン、メタ、マイクロソフトを上回り、エヌビディアとアップルの現金性資産を合算した額も超えた。
アンソロピックはIPOを通じて、さらに巨額の資金を確保する見通しだ。ウォール・ストリート・ジャーナルなどは、調達額が1000億ドル(約15兆8000億円)を超える可能性を報じた。全額が会社に入るなら、現金性資産は2300億ドル(約36兆3000億円)を超えうる。ただ、新株発行の規模や既存株主の売出比率はまだ固まっていない。
アンソロピックは創業以来およそ6年間で、未公開投資市場から計1410億ドル(約22兆3000億円)を調達した。AIモデル開発とコンピューティングインフラ確保に巨額資金が投じられていることを示す。
問題は今後の支出額だ。6月末時点の将来リース支払い義務は3214億ドル(約50兆8000億円)、固定または最低支払い保証付きの契約義務は2656億ドル(約41兆9000億円)だった。合計は5870億ドル(約92兆7000億円)で、同時点の現金性資産の約4.5倍に当たる。
6月末以降に締結または変更した契約では、2450億ドル(約38兆7000億円)前後の追加支払い義務も生じた。単純合算では8320億ドル(約131兆3000億円)に達する。ただ、会社は最新時点の契約義務総額を統合して開示しておらず、確定総額とはいえない。これらは長期にわたって支払う契約上の義務であり、直ちに返済を迫られる負債とは異なる。
アンソロピックの今年上期のコンピューティング・インフラ費用は89億5000万ドル(約1兆4100億円)だった。同社は通常、実際に使う12〜18カ月前に計算資源を確保し、利用可能になった時点から関連費用を認識すると説明した。このため今後、実際の費用が大きく膨らむ可能性がある。
巨額の現金を持ちながら追加調達を急ぐ背景である。今後のAIサービス売上高とキャッシュフローが想定ほど伸びなければ、投資拡大に必要な資金を引き続き外部から調達せざるを得ない可能性がある。
3. AI向け融資が急増 銀行は慎重姿勢
AIデータセンター建設の拡大を受け、米銀の企業向け融資が急増している。ただ、大手銀行がリスク管理を強めており、企業は社債市場にも調達先を広げている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米上位25銀行の今年7〜9月期の企業向け融資は前年同期比で約10%増えた。新型コロナウイルス禍を除けば、10年余りで最も速い伸びである。マイクロソフトやメタのデータセンター投資と、関連建設会社の資金需要が貸出増をけん引した。
銀行には貸出増で利息収入を拡大する機会が生じているが、株式市場の評価は慎重だ。今年のKBWナスダック銀行指数は約5%上昇にとどまり、13%近く上げたS&P500種株価指数に大きく見劣りする。
JPモルガン・チェースは、AI産業には様々な経路で資金が流れ込んでおり、リスク管理が重要だと強調した。大手銀行は、オラクルのようにすでに多額の借り入れを抱える企業への追加融資に慎重になっている。ウェルズ・ファーゴも、データセンターの実際の利用者と返済責任者を綿密に見極めていると説明した。
AI投資拡大の影響は地銀にも及ぶ。大手銀行がデータセンター開発会社に直接融資する一方、地銀はデータセンター建設会社や機器供給会社に資金を出している。フィフス・サード・バンコープは、データセンター開発会社よりも、実際の建設を担う企業向け融資を進めていると説明した。
もっとも、AI投資が減速すれば、建設会社の設備投資や雇用拡大は重荷になりかねない。PNCフィナンシャルは、AI投資の鈍化が銀行業界全体の融資増勢を弱める可能性を認めた。
米国経済では、AI関連投資とその他分野の投資の格差も広がっている。8月の電力関連建設支出は前年同月比で約9%増えた一方、住宅建設支出は約5%減った。ただ、キーコープは、米国では電力インフラ投資不足が長年積み上がってきたため、AI投資が減速しても送電網拡充は続く可能性があると分析した。
銀行がAI向け融資に慎重になるにつれ、企業は社債発行を通じて直接資金を調達している。これに伴い、銀行が負っていた信用リスクの一部は債券投資家やほかの金融会社に移っている。最近、AI関連社債の価格が下落し、調達コストが上昇している背景である。
4. AI向け融資金利が10%超え 資金供給に警戒
AIデータセンター投資に必要な資金は急増しているが、金融会社や投資家の資金供給力には限界があるとの警告が出ている。ブルームバーグによると、今年の世界企業によるAI関連の債務調達額は過去最大の4600億ドル(約72兆6000億円)に達した。
AI関連企業は今後、さらに数兆ドル規模の資金を調達する必要がある。ブルームバーグが金融業界関係者30人超を取材したところ、調達環境はわずか数カ月前より大幅に厳しくなっていた。
投機的等級債とレバレッジドローン市場では、少なくとも18件のデータセンター金融案件で2桁金利が付いている。JPモルガンとゴールドマン・サックスは、AIクラウド企業ボルタ・インフラストラクチャーの50億ドル(約7890億円)融資を投資家に売却するため、価格を引き下げ、利回りを年11%以上まで高める必要があった。
優良データセンターの資産担保証券(ABS)金利も、年初の5%未満から足元では7%水準に上昇した。モルガン・スタンレーは、金利が8%近くになると、数十億ドル規模のデータセンター建設資金を調達するのは格段に難しくなるとみている。
シタデル・セキュリティーズは、AI融資市場のリスクが中小データセンター企業から大手テック企業に波及する可能性があると警告した。データセンター企業が借入金を返済できなければ、資金調達を支援したり長期購入契約を結んだりしている大手テック企業にも負担が及ぶためだ。
シタデルのタッカー・ロバーツ・アナリストは、今後の焦点は大手テック企業そのものの信用力より、それら企業に連なる巨額債務を実際に引き受ける投資家が十分いるかどうかだと指摘した。
AI関連企業の信用リスクはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場にも表れている。ブルームバーグは、オラクルのCDSコストが前週に過去最高を記録したと報じた。スペースX、エヌビディア、メタのCDSコストも高水準まで上昇した。ブロードコムを含む主要AI企業の信用リスクへの警戒も強まっている。
投資適格級のテック企業債の平均利回りは約6%で、1年前より1.4ポイント高い。優良ビッグテックですら、以前より高いコストで資金を調達している。
投資家が懸念するもう一つのリスクは、データセンター建設の遅延に伴う契約解除である。一部のデータセンター契約には、工事が3カ月または180日以上遅れた場合、顧客企業が契約を解除できる条項が盛り込まれている。
実際、あるヘッジファンドは、データセンター建設が3カ月超遅れた場合に顧客が契約を解消できる条件を確認し、投資を見送った。オラクルも9月、ニューメキシコ州のデータセンター建設が遅れた場合に支払いを延期できるよう、不可抗力条項を通知した。
オークツリー・キャピタル、KKR、カーライルなど大手投資会社は、技術変化や建設遅延、電力不足、許認可問題などを踏まえ、投資対象を一段と厳しく選別している。
WSJは、現在の銀行は特定企業向けの融資上限を設けたり、リスクの高い融資をほかの投資家に振り向けたりするなど、2008年の金融危機前より慎重に対応していると分析した。ただ、銀行から離れたリスクがプライベートクレジット市場や債券市場に移っている点は、新たな不安材料である。
5. ムーディーズ、AI向けプライベートクレジットの不良化を警告
AI関連融資はプライベートクレジット市場の主要な成長エンジンとして浮上している。ただ、2027〜2029年に大量の満期が集中し、不良債権化リスクが高まりうるとの警告が出た。
ムーディーズは、AI関連融資を含むプライベートクレジット市場で、2027年から2029年にかけて大規模なローン満期が到来すると分析した。企業が既存債務を返済できず借り換えに動けば、高金利で利払い負担は一段と重くなる。
とくに注目されるのが利払い方法である。ムーディーズが追跡する607社のうち約17%は、利息の一部を現金ではなく追加債務で支払っている。いわゆる現物支給利息(PIK=Payment-in-Kind)方式である。
例えば企業が100億ウォン(約11億9000万円)を借り、年間利息10億ウォン(約1億1900万円)を払うケースでは、本来は現金10億ウォンを支払う。だがPIK方式では、利息を現金で払わず元本に上乗せし、借入残高を110億ウォン(約13億1000万円)に増やせる。目先の資金流出は抑えられるが、元本が膨らみ、長期的には債務負担が重くなる仕組みだ。
とりわけ2028年が危険な時期と位置づけられている。AIデータセンター事業は、建設や設備購入に先に巨額資金が必要になり、収益化は後ずれしやすい。稼働が遅れたり、顧客需要が想定に届かなかったりすれば、元利払いに充てる現金が不足しかねない。
AI産業の循環金融構造もリスク要因だ。半導体企業がデータセンター事業者に投資し、データセンター事業者は再びその企業の半導体を購入する。こうした取引が繰り返されると、半導体企業の売上高とデータセンター企業の投資規模が同時に膨らむ可能性がある。
しかし、データセンター事業者が経営不振に陥れば、金融会社は融資損失を、半導体企業は売上減少と投資損失を同時に被りうる。1社の不調が別の企業へ波及する可能性があるということだ。
プライベートクレジットファンドの資産評価方法も懸念材料である。プライベートクレジットは市場で日々売買されないため、ファンドが独自モデルで融資価値を算定する場合が多い。
借り手企業の返済能力が悪化しても資産価値がすぐに修正されなければ、投資家は実際の損失リスクを遅れて認識する恐れがある。とくに解約制限のあるプライベートクレジットファンドでは、実資産を売却するまで評価額と回収可能額の差が表面化しない可能性がある。
ムーディーズの警告は、AI産業の投資規模がどれだけ速く膨らむかよりも、企業が実際にどれだけの現金を生み出しているかが重要であることを示している。データセンター運営で得る現金が元利払いに足りなければ、投資拡大がかえって債務負担を膨らませるおそれがある。
6. グーグル、AI半導体販売を拡大 エヌビディアに対抗
グーグルが自社開発のAI半導体TPUを外部クラウド企業に供給し、エヌビディアへの対抗を強めている。ウォール街では、グーグルのTPU売上高が来年最大990億ドル(約15兆6000億円)に達するとの予想も出ている。
CNBCによると、グーグルはオラクルと組み、自社AI半導体TPUの外販を拡大している。グーグルは2013年からTPUを開発してきたが、外部顧客向けの本格販売を始めたのは今年4〜6月期だった。
同社はこれまで、自社半導体とAIモデル、クラウドサービスを一体で提供する戦略を進めてきた。だが今後は、グーグルクラウドを使わない企業にもTPUを供給し、市場を広げる構えである。
TPU事業拡大は、グーグルクラウドの急成長とも重なる。ウォール街では、グーグルクラウドの7〜9月期売上高が前年同期比で約90%増えると見込んでいる。4〜6月期の82%増を上回る水準だ。
グーグルクラウドの4〜6月期売上高は250億ドル(約3兆9500億円)で、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の420億ドル(約6兆6000億円)、マイクロソフト・アジュールの290億ドル(約4兆6000億円)を下回った。ただ、3社のなかで成長ペースはグーグルが最も速い。
ウォール街はTPU事業の急成長を見込む。TDコーウェンは、グーグルのTPU売上高が今年下期の94億ドル(約1兆4800億円)から2027年に625億ドル(約9兆9000億円)へ増えると予想した。
ウェルズ・ファーゴは、今年7〜9月期のTPU売上高を約90億ドル(約1兆4200億円)、来年売上高を990億ドル(約15兆6000億円)と見積もった。ただ、証券会社ごとの推計差は大きく、実際の売上高は供給契約の履行時期に左右される。
グーグルTPUの競争力はコストにある。半導体調査会社セミアナリシスは、グーグルの最新アイアンウッドTPUサーバーの総所有・運用コストが、エヌビディアGB200サーバーより約44%低いと推計した。
グーグルクラウドのトーマス・クリアン最高経営責任者(CEO)は、自社AIサーバーの投資回収期間は2年に満たず、自社半導体を使うサーバーでは一般的なAIサーバーの半分程度だと説明した。
もっとも、TPU外販の拡大は収益性の重荷になりうる。TDコーウェンはTPU販売事業の営業利益率を約20%と見積もった。グーグルクラウド全体の営業利益率約35%を下回っており、TPU販売が増えるほどクラウド部門全体の利益率が低下する可能性がある。
グーグルTPUの主要顧客には、AIモデル市場でグーグルと競合する企業も含まれる。アンソロピックは昨年、グーグルと数百億ドル規模の契約を結び、最大100万個のTPUを使うことで合意した。
オープンAIもグーグルTPUの購入を進めている。グーグルはAIモデル市場ではアンソロピックやオープンAIの競合相手でありながら、半導体市場では供給会社でもある構図だ。
TPU販売拡大はブロードコムにとっても重要な成長機会になっている。ブロードコムはグーグルのTPU開発に参加する中核協力会社である。
ブロードコムは今週、ブラックストーンと大手銀行3行が支援する630億ドル(約9兆9000億円)規模の資金調達スキームを公表した。金融機関がブロードコムからTPUとネットワーク機器を購入し、アンソロピックに5年間賃貸する仕組みだ。
ウィリアム・ブレアは、この資金がアンソロピックの2027年の必要資金のおよそ半分を賄う規模だと分析した。グーグルのTPU外販拡大は、半導体企業やAIモデル開発会社にとどまらず、金融会社の巨額調達ビジネスにも波及している。
7. アックマン氏「20年保有できる企業に投資を」
著名ヘッジファンド投資家のビル・アックマン、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント最高経営責任者(CEO)は、長期に競争力を保ち、安定して現金を生み出せる企業に投資すべきだと強調した。
アックマン氏は10月28日に公開された、ノルウェー政府系ファンド運用会社NBIMのニコライ・タンゲンCEOとのポッドキャストで、株式市場が20年間閉鎖されても長期的価値を保てる企業を買うべきだと語った。
短期の株価上昇より、持続的な競争力とキャッシュ創出力を重視するという考えである。アックマン氏は、長期間に高い成長率を維持しながら、稼いだ現金を事業に大規模再投資しなくてもよい企業を好むと説明した。
とくに今後10〜20年のキャッシュフローを合理的に予測できてこそ、企業価値を評価できると強調した。商品価格や金利、規制変更など、企業が制御しにくい外部要因に大きく左右される事業は極力避けるとも話した。
パーシング・スクエアは、アマゾン、マイクロソフト、メタ、ブルックフィールド、ウーバー、ビザ、マスターカードなど少数企業に集中投資している。
アックマン氏は、世界には優れた企業が200〜300社ありうるが、魅力的な価格で買える機会はそれよりはるかに少ないと強調した。良い企業を見つけるだけでなく、適正な価格で買うことが重要だという。
投資判断を検証するため、その企業を最も厳しく分析する空売り投資家の主張を積極的に点検すべきだとも助言した。反対意見を論理的に退けられれば確信は強まるが、相手の主張に妥当性があれば自らの判断を修正すべきだと述べた。
アックマン氏は、AIはすべての企業に影響しているとして、恩恵を受ける企業と既存事業が脅かされる企業を見分ける必要があると訴えた。
同氏は、トランプ大統領の関税発表後にアマゾン株を買い、メタとマイクロソフトはAI投資拡大への懸念で株価が下落した局面で購入したと明らかにした。
もっとも、最近はAI資本支出の重さが意識され、パーシング・スクエアの運用成績にも逆風となっている。米上場のクローズドエンド型ファンド、パーシング・スクエア(PSUS)は直近3カ月で42%上昇したが、10月に入ってからは16%下落した。メタも市場予想を上回る決算を発表したにもかかわらず、AI投資負担への懸念から10月の株価は14%下げた。
アックマン氏は2022年、ネットフリックス投資で約4億ドル(約632億円)の損失を出して持ち分を売却した。ただ、今年8月にはネットフリックスへの再投資を進めていると公表した。
ニューヨーク=パク・シニョン特派員 nyusos@hankyung.com
Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.