円キャリートレード需要なお強く、ブラジル・レアル急落でも中南米通貨は堅調
概要
- ブラジル大統領選後、レアルは円に対して急落したものの、中南米の主要通貨は上昇し、キャリートレード需要は維持されていると伝えた。
- 低金利の円を借りて高金利の中南米資産に投資するキャリートレードの構造は、なお維持されていると評価した。
- 新興国の金融市場リスクが大きく拡大しない限り、円はキャリートレードの資金調達通貨として活用され、円売り圧力も続く可能性があると伝えた。
期間別予測トレンドレポート



ブラジル大統領選後に金融市場の変動性が高まったものの、日本円を活用した中南米向けのキャリートレード需要は維持されている。
10月26日付のブルームバーグ報道によると、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領の再選後、ブラジル・レアルは円に対して急落した。一方、チリ・ペソやコロンビア・ペソ、メキシコ・ペソなど中南米の主要通貨は上昇した。
これは、日本で低金利の円を借り、相対的に金利の高い中南米資産に投資するキャリートレードが引き続き活発であることを示す。投資家は各国の金利差から収益を得る半面、投資先の通貨が急落すれば為替差損を被るおそれがある。
スタンダードチャータード(Standard Chartered)の日本金融市場責任者、福広悦和氏は「キャリートレードを支える基本構造はなお維持されている」と述べた。加えて、アジア時間帯はブラジル・レアルの取引が多くなく、日本の投資家による関連ポジションも大きくないため、日本の金融市場への衝撃は限られるとの見方を示した。
ブラジルの金融市場は、ルラ大統領の再選後に財政健全性への懸念が強まり、売り圧力にさらされた。投資家は、ブラジルの財政事情が急速に悪化するなかで、新政権が十分な対応策を打ち出せない可能性を警戒している。
もっとも、ブラジルを除く中南米主要国の通貨は相対的に底堅く推移しており、キャリートレード全体の縮小にはつながっていない。中南米各国と日本の大きな金利差が投資需要を支えている。
市場では、新興国の金融市場リスクが大きく広がらない限り、円はキャリートレードの資金調達通貨として引き続き使われるとみている。これに伴い、円への売り圧力もしばらく続く可能性がある。
Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.