AIバブル論を好決算が後退、次の試金石はクラウド大手3社
概要
- メタ、スーパーマイクロ、ラムリサーチなどが市場予想を上回る業績を示し、ニューヨーク株式市場でくすぶっていたAI需要への懸念を和らげたと伝えた。
- ウォール・ストリート・ジャーナルとケン・グリフィン氏などは、AIバブルと利上げのリスクを指摘し、投資家の不安感がなお強いとした。
- アルファベット、マイクロソフト、アマゾンの決算では、巨額のAI投資が売上高と営業利益の増加につながっているかが最大の焦点になると伝えた。
期間別予測トレンドレポート


サーバー・半導体各社の業績上振れ
メタ・スーパーマイクロ・ラムリサーチ
好決算で難所を越えた米株式市場
利上げなど投資家の不安はなお強い
決算発表控えるアルファベット・アマゾン
焦点は巨額AI投資の採算性

人工知能(AI)の収益性を巡るネオクラウド発の懸念で揺れていたニューヨーク株式市場が、ひとまず山場を越えた。スペースXに続き、メタやスーパーマイクロ・コンピューター(Super Micro Computer)などのAIサーバー企業、ラムリサーチ(Lam Research)のようなAI半導体製造装置企業まで市場予想を上回る7〜9月期決算を示したためだ。好決算がAI需要の底堅さを裏付けたとの受け止めが広がった。
もっとも、投資家の不安はなお根強い。ウォール街の大物投資家による「AIバブル」発言が投資心理を抑えている。10月28〜29日に決算を公表するアルファベット(Alphabet)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の3社が、今後の相場の流れを左右するとの見方が出ている。
AI関連企業、決算は総じて健闘
メタ、テスラ(Tesla)、スーパーマイクロ、ラムリサーチなど主要なAI・半導体企業は10月20〜21日に7〜9月期決算を公表した。全体としては「健闘した」との評価だ。
10月21日に7〜9月期決算を発表したメタの売上高は、前年同期比26%増の646億100万ドル(約10兆2000億円)だった。市場コンセンサスの633億1000万ドル(約10兆円)を上回った。主力の広告を含むアプリ部門の売上高は641億6000万ドル(約10兆1000億円)で、前年同期比26.4%増えた。広告表示回数と広告単価の上昇が寄与した。AIエージェント「Muse」の利用者は1000万人を超えた。
7〜9月期のフリーキャッシュフロー(FCF)は21億2000万ドルの赤字に転じた。一方、2026年の設備投資見通しの下限は1300億ドル(約20兆6000億円)から1350億ドル(約21兆3000億円)へ50億ドル引き上げた。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、投資が成果を上げつつあり、中核事業は堅調で全般に勢いが増していると強調した。インベスティング・ドットコムのジェシー・コーエン主席アナリストは、市場の視線がメタの巨額支出を非難する段階から、説得力のある製品戦略に賭ける段階へ移ったと分析した。
AIインフラ企業も予想を上回る内容を示した。AIサーバー大手のスーパーマイクロは10月20日、2027会計年度第1四半期(7〜9月)の売上高見通しを185億〜195億ドル(約2兆9300億〜3兆800億円)と示した。従来見通しから27%引き上げた。主要顧客である巨大IT企業のサーバー需要拡大が背景だと説明した。
半導体製造装置のラムリサーチと、産業用半導体を手がけるテキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)も10月21日、市場予想を上回る業績を公表し、AI半導体需要の強さを示した。テスラも大規模なAI投資負担を抱えながら、7〜9月期売上高として市場予想を上回る280億4600万ドル(約4兆4300億円)を計上した。1株利益(EPS)も48セントと、コンセンサスの43セントを上回った。

グーグルなどクラウド大手3社の決算待ち
10月21日のS&P500種株価指数は前日比0.58%高の7757.17、ナスダック総合株価指数は1.05%高の2万6702.86で取引を終えた。スペースXは7.8%上昇し、エヌビディア(NVIDIA)も2.5%高だった。スペースXに続いてメタなども底堅い決算を示し、ニューヨーク株式市場の重荷だったコアウィーブ発のAI投資懸念はある程度和らいだ。
ただ、一部では不安がなお残る。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は10月21日、「AIバブルが崩壊する可能性がある」とし、米連邦準備理事会(FRB)による利上げがテック企業の資金調達負担を高める恐れを指摘した。10月20日には、著名ヘッジファンド投資家であるシタデル(Citadel)創業者のケン・グリフィン氏が「AIバブルの真っただ中にいる可能性がある」と述べ、慎重な見方を示した。
コアウィーブが10月21日の取引時間中に4%近く上げた後に下落へ転じるなど、値動きの荒さを見せたことも市場の懸念を映した。アービンド・クリシュナ最高経営責任者(CEO)は、企業がAI投資による実際の収益率をより厳しく見極め始めていると述べた。そのうえで、一部企業では実質的な収益が伴わないままAI支出だけが制御不能な水準まで膨らむことを懸念していると付け加えた。
市場の方向感は、10月28日のアルファベットとマイクロソフト、10月29日のアマゾンの決算が決める公算が大きい。巨額のAI投資が売上高と営業利益の増加につながっているかどうかが焦点になる。
ニューヨーク=ファン・ジョンス 韓国経済新聞特派員 hjs@hankyung.com
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