今年閉鎖の暗号資産プロジェクト82件、市場低迷と採算悪化で相次ぎ撤退
概要
- 2026年に運営を終了した暗号資産プロジェクトとプロトコルは82件で、閉鎖したプロジェクトが調達した投資資金は総額10億ドルだった。
- イーサリアムのレイヤー2ネットワークブラスト(Blast)、ステップ・ファイナンス(Step Finance)、ラディアント・キャピタル(Radiant Capital)などが、採算悪化やセキュリティー事故を理由にサービス終了を発表した。
- 暗号資産業界の投資資金は少数のプロジェクトに集中しており、合併・買収(M&A)は87件と前年通年より65%増え、業界再編の動きが鮮明になっている。
期間別予測トレンドレポート



今年は暗号資産市場の長期低迷と採算悪化を背景に、分散型金融(DeFi)やブロックチェーンインフラなど幅広い分野でプロジェクトの運営終了が相次いでいる。
コインテレグラフが10月20日に伝えたところによると、暗号資産の研究者ステイシー・ムーア氏は、年初から運営を終了した暗号資産プロジェクトとプロトコルが82件に上ると明らかにした。対象にはバランサー(Balancer)、ラディアント・キャピタル(Radiant Capital)、ネオンEVM(Neon EVM)、ステップ・ファイナンス(Step Finance)などが含まれる。
相次ぐ閉鎖の背景には、暗号資産市場の低迷がある。ビットコイン(BTC)は2025年10月に12万6000ドル(約2000万円)を上回る過去最高値をつけた後、2026年には一時6万ドル(約950万円)を下回った。相場の軟調が長引き、利用者の確保や収益化に苦戦していたプロジェクトの財務負担が膨らんだ。
代表的な事例がイーサリアムのレイヤー2ネットワーク、ブラスト(Blast)だ。ブラストは10月上旬、運営費を賄える収益モデルを確立できなかったとしてサービス終了を発表した。預かり資産は一時20億ドル(約3170億円)を超えたが、経済的な持続可能性を確保できなかった。
セキュリティー事故と資金不足も主な閉鎖要因に挙がる。ステップ・ファイナンスは2月の大規模な資金流出事故を受けて運営を停止した。ラディアント・キャピタルは2024年に発生したハッキング被害を回復できず、6月に事業終了を発表した。コインベースが支援したサトリ・ファイナンス(Satori Finance)も、収益で運営費を賄うのは難しいと判断してサービスを停止した。
DeFiLlamaが8月に公表した調査では、2026年に運営終了を発表した暗号資産プロジェクトは100件だった。このうち40件は調査前の90日間に閉鎖を決めた。最も多く挙がった理由は、市場需要に合う製品を確保できなかったことだった。これに資金枯渇、売上不足、事業方針の転換が続いた。
運営を終了したプロジェクトが調達した投資資金は合計10億ドル(約1580億円)で、累積手数料収入は約2億5000万ドル(約396億円)だった。このうち9プロジェクトはそれぞれ5000万ドル(約79億円)超の出資を集めていた。巨額の資金調達でも長期的な生存は保証されなかった。
一方、暗号資産業界の投資資金は少数のプロジェクトに集中する傾向が強まっている。DeFiLlamaによると、2026年上半期のベンチャー投資額は前年同期を上回った半面、投資件数は80%減少した。合併・買収(M&A)は調査時点で87件と、前年通年より65%増えた。業界再編の動きも鮮明になっている。
Suehyeon Lee
shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.