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ディープシークが5時間近く停止 中国AI急成長で半導体逼迫[チャイナ・ウオッチ]

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 中国AI産業の急成長を受け、AI半導体の需要は500万個を大きく上回る一方、供給は最大350万個にとどまる見通しだと伝えた。
  • アリババ、バイトダンス、テンセントの2026年の設備投資は約7000億元(約15兆5000億円)に達する見込みで、中国全体の演算インフラ支出は1930億ドル(約30兆5000億円)になるとの見通しを示した。
  • 半導体の供給不足が続くなか、中国企業はファーウェイなどの国産AI半導体の拡充を進める一方、エヌビディアのGPUを100万個超購入し、海外データセンターの賃借も増やしていると伝えた。

期間別予測トレンドレポート

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中国でAIチップ150万個超が不足

エヌビディアのゲーム向けGPUまで買い占め

写真:Shutterstock
写真:Shutterstock

中国の人工知能(AI)産業は急成長しているが、それを支える演算インフラは需要に追いついていない。中国の有力AI企業ディープシークでは、サービスが5時間近く停止するなど、運営面の問題も相次いでいる。

中国政府は半導体の自立に向けた取り組みを加速している。ただ、国産AI半導体の供給量は需要を大きく下回る。中国のテック企業は米エヌビディアのゲーム向け画像処理半導体(GPU)まで大量に買い付け、不足する演算資源の確保を急いでいる。AIモデル開発競争はデータセンターと半導体の争奪戦へ広がっており、演算インフラが中国AI産業の成長速度を左右する重要な変数として浮上している。

中国AI台頭の足かせとなる演算インフラ

10月16日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)などによると、ディープシークは10月15日午前に4時間50分にわたり、チャットボットとアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)サービスの障害に見舞われた。V4 ProとV4.1 FlashモデルのAPIも停止した。世界の利用者には、サーバーを一時的に利用できないとのエラーメッセージが表示された。ディープシークは10月8日から10月14日までのAPI利用料金を全額、サービスクレジットで払い戻すと明らかにした。

ディープシークで大規模なサービス障害が起きたのは今回が初めてではない。3月にも約12時間、サービスが中断した。会社側はシステムの単一依存構造を解消し、安定性を改善すると説明していた。ただ、今回の障害の具体的な原因は公表していない。ディープシークは急増する演算需要に対応するため、中国の内モンゴル自治区に出力約1ギガワット(GW)級のAIデータセンターを建設する案を進めている。

業界では、中国のAI産業が直面する最大の問題として半導体の供給不足を挙げる。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、2026年の中国のAI半導体需要が500万個を大きく上回ると推計した。一方、供給量は海外生産分約100万個を含めても最大350万個にとどまる見通しだ。2027年には需要が1000万個を突破する見込みだ。

中国は半導体生産を急速に増やしている。ただ、AIモデル開発とサービス運営に必要な演算需要は、それ以上の勢いで膨らんでいる。

AIを動かす半導体が足りない

中国テック企業の投資競争が需要増に拍車をかけている。アリババ(Alibaba)とバイトダンス、テンセント(Tencent)の2026年の設備投資は合計で約7000億元(約15兆5000億円)に達する見込みだ。2025年の2倍を超える水準となる。

モルガン・スタンレーは、2026年の中国全体の演算インフラ関連支出が1930億ドル(約30兆5000億円)に達すると見込む。米国の約21%に当たる。AIモデルの性能向上と利用者増を受け、学習だけでなく、実際のサービスを提供する推論の工程でも膨大な演算資源が必要になっている。

中国政府と企業は、半導体の国産化で対応を急ぐ。華為技術(ファーウェイ、Huawei)は2026年にAI半導体160万個の生産目標を達成する可能性が高い。アリババと百度(バイドゥ、Baidu)の半導体事業部は合計約100万個、寒武紀科技(カンブリコン、Cambricon)は約30万個を生産する見通しだ。アリババは独自開発したAI半導体「玄武V900」を公開した。ファーウェイは2027年1〜3月期にAI学習向け「Ascend 960DT」を発売する計画だ。バイトダンスも2026年末に独自半導体の試作品を試験し、2027年の量産を目指す。

AI企業によるデータセンター整備も本格化している。ディープシークと智譜AIはそれぞれ、ファーウェイ製半導体を10万個超活用する自前のデータセンターを建設している。ファーウェイは、複数の半導体を高速ネットワークでつなぎ、個別チップの性能限界を補う技術も開発中だ。長期的には最大100万個の半導体を接続するデータセンターの構築を目標に据える。

もっとも、目先の供給不足を埋めるために中国企業が頼ったのはエヌビディアだ。FTによると、中国テック企業は2026年にエヌビディアのゲーム向け・ワークステーション向けGPUを100万個超購入した。米国の先端AI半導体に対する輸出規制で高性能製品の確保が難しくなり、比較的性能の低い汎用GPUを活用している。ファーウェイの「Ascend 910C」より大半の領域で性能は劣るが、利用者の質問を読み取り処理する初期推論作業などには使える。

海外データセンターも代替策として活用している。テンセントは米オラクル(Oracle)と契約し、東南アジアのデータセンターでGPU10万個を賃借することにした。バイトダンスとアリババも、海外データセンターでAI半導体を長期賃借する契約を進めている。

中国企業がエヌビディアを簡単に代替できない理由は、半導体の性能だけではない。エヌビディアのソフトウエア基盤「CUDA」は、中国のAI開発者が長年使ってきた技術だ。ファーウェイが独自開発した「CANN」は、相対的に使いにくいとされる。

北京市内の関係者は「中国の半導体国産化が進んでも、短期間で供給不足が解消するのは難しいだろう」と語った。

北京=キム・ウンジョン特派員 kej@hankyung.com

#半導体
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