概要
- 人工知能企業の借り入れ懸念と技術株の動揺を背景に、米国長期国債が投資家の逃避先として浮上していると分析した。
- 今月に入り、米国債ファンドには140億ドル(約2兆2200億円)が流入した。ブラックロックは米短期国債の投資判断をオーバーウエートに引き上げた。
- 専門家は、利回りが年5%を上回る10年物米国債利回りについて、中長期保有に適した魅力的な水準だと評価した。
期間別予測トレンドレポート


株式市場の逃避先に浮上
ブラックロック「10年債の比率拡大が必要」
今月の米国債ファンドに140億ドル(約2兆2200億円)流入

10月14日、米国の9月のコア消費者物価指数(CPI)上昇率が前月比0.3%と市場予想を上回り、インフレ懸念が強まった。米連邦準備理事会(FRB)による10月の追加利上げ観測も再燃し、米10年物国債利回りは取引時間中に年5.329%まで上昇した。
ただ、取引終盤には買いが優勢となった。10年物利回りは同日の高値を0.14ポイント下回る年5.189%で取引を終え、前日の年5.216%も下回った。
市場では、米長期国債が投資家の逃避先として注目され始めている。人工知能(AI)企業の大規模な借り入れを巡る懸念が再び広がり、株式相場をけん引してきた技術株が揺らぐなか、国債の相対的な安定性が意識されているためだ。
ダン・アイバーソンPIMCO最高投資責任者(CIO)は「株式の高いバリュエーションと社債の低い信用スプレッドを踏まえると、足元の国債利回りは魅力的だ」と評価した。グレッグ・ピーターズPGIMクレジット共同CIOも、利回りが年5%を上回る10年物米国債は中長期の保有に適していると語った。
国債への資金流入は数字にも表れている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が10月13日に市場調査会社EPFRのデータを分析したところ、今月に入って米国債ファンドには140億ドル(約2兆2200億円)が流入した。
投資銀行や大手資産運用会社も、足元で米国債に前向きな投資判断を相次ぎ示している。ブラックロック(BlackRock)は10月12日、米短期国債の投資判断を「オーバーウエート」に引き上げ、長期国債は「中立」とした。ゴールドマン・サックスも、10年物国債はリスク回避手段として位置付けられるとの見通しを示した。
もっとも、米長期国債への投資リスクを警戒する声はなおある。追加利上げの可能性や米財政赤字の拡大といった悪材料が残っているためだ。
ニューヨーク=ファン・ジョンス特派員 hjs@hankyung.com
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