米規制下でも中国半導体輸出が急拡大 9月136%増【チャイナ・ウォッチ】
概要
- 9月の中国の半導体輸出額は前年同月比136%増え、世界のAIサプライチェーンで存在感を強めている。
- 輸出数量の増加は1%にとどまったが、半導体価格の上昇で輸出額が膨らみ、メモリー半導体需要の急増の恩恵を受けている。
- 今年1〜9月は半導体・コンピューター部品・サーバー・電力関連製品の輸出と、メモリー・集積回路の輸入がそろって大きく増えた。ただ、これを技術競争力の向上とみるのは難しいとの意見もある。
期間別予測トレンドレポート


世界的なAIブームで中国半導体が空前の活況
米国が抑えても稼ぐ中国半導体

中国の半導体輸出が、世界的な人工知能(AI)投資ブームを追い風に空前の活況を呈している。米国が先端半導体技術の統制を強めるなかでも、世界的な半導体不足と価格急騰を背景に、9月の中国の半導体輸出額は前年同月比136%増えた。
中国は半導体に加え、サーバーや電力設備まで含む世界のAIサプライチェーン全体で存在感を強めている。米国の技術けん制下でも、新たな成長の原動力を確保しつつある。
中国半導体輸出が急拡大
10月15日に中国税関総署と香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が公表したデータによると、今年9月の中国の集積回路(IC)輸出額は449億5100万ドル(約7兆1200億円)と、前年同月比136%増えた。同じ期間の中国全体の輸出額は4471億8000万ドル(約70兆8000億円)で、36.3%増だった。半導体輸出額の伸び率は、全体の輸出伸び率の約3.7倍に達した。
注目点は、輸出数量と輸出額の開きだ。9月の中国の半導体輸出数量は327億個で、前年同月比1%増にとどまった。一方、輸出額は136%跳ね上がった。数量の増加よりも、半導体価格の上昇が輸出実績を押し上げたことを示す。
世界の巨大IT企業がAIデータセンター建設に巨額資金を投じ、メモリー半導体需要が急増したことが背景にある。AIサーバー向けメモリーの供給が逼迫し、中国の半導体輸出価格も大きく上昇したとみられる。
今年1〜9月の半導体輸出数量は累計2752億個だった。輸出額は約3020億ドル(約47兆8000億円)に達した。中国は最先端の半導体製造装置へのアクセスを制限され、先端工程の競争では苦戦している。それでも多様な半導体製品を世界市場に供給し、産業サプライチェーンで相応の比重を維持している。
世界のAIサプライチェーンに食い込む中国
半導体だけでなく、AIインフラの構築に必要な情報技術(IT)製品の輸出も増えた。今年1〜9月のコンピューター部品輸出は前年同期の2.1倍となった。ソリッドステートドライブ(SSD)など記憶装置関連部品の輸出は1.3倍に増えた。サーバーをはじめとするデータ処理設備の輸出も7.2%増加した。
中国税関総署の王軍部門長は10月14日の記者会見で、「AI産業の急速な発展が世界的なコンピューティングインフラ投資を加速させ、最終製品と中間財の需要を拡大している」と述べた。大規模データセンターの稼働に必要な電力需要が増え、発電や送電、エネルギー貯蔵装置など中国製の電力関連製品の輸出も増えていると説明した。
中国製のAI眼鏡やロボットも海外市場に進出し、AI活用分野を広げているという。これら製品の具体的な輸出額は公表していない。
中国の半導体輸入も急速に増えている。今年1〜9月のメモリー関連部品の輸入は前年同期比150%増え、集積回路の輸入も56.6%拡大した。中国国内でデータセンターやAIインフラへの投資が膨らみ、海外製半導体や中核部品への需要も同時に増えたためだ。
専門家は、中国の半導体産業で輸出と輸入がそろって急増している現象について、世界のAI投資拡大が中国に及ぼす影響を端的に示しているとみる。先端半導体技術の確保には制約があるものの、世界のサプライチェーンに参加する中国企業は、半導体価格の上昇やサーバー・電力設備需要の拡大の恩恵を受けているという。
もっとも、今回の輸出額急増は数量より価格上昇への依存が大きい。このため、輸出実績の改善を中国半導体産業の技術競争力向上に直接結びつけるのは難しいとの見方もある。
北京=キム・ウンジョン特派員 kej@hankyung.com
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