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【独自】サムスン電子の来年メモリー生産、8割を長期契約で確保 ビッグテックが列

出典
Korea Economic Daily

概要

  • サムスン電子は来年のメモリー、HBMなどの生産量の80%を長期供給契約(LTA)で確保しており、世界のビッグテックから5年超分の注文が集まっていることが分かった。
  • LTAはメモリーにとどまらず、MLCC、FC-BGA、電力機器、冷却装置などAIインフラ部品全般に広がっており、業界は安定した受注型産業へ転換しつつある。
  • 主導権は供給側に移り、20〜25%の前受け金や購入義務といった厳しい条件が一般化した。一方で、半導体市況が悪化すれば、LTAがリスクとして作用し得るとの指摘もある。

期間別予測トレンドレポート

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メモリー・部品、受注産業に転換

写真:Shutterstock
写真:Shutterstock

サムスン電子が来年生産する高帯域幅メモリー(HBM)などメモリー半導体のうち、8割近くを長期供給契約(LTA)で確保したことが分かった。エヌビディアやグーグル、マイクロソフトなど世界のビッグテックが相次ぎ、5年超分の半導体をサムスン電子に発注しているためだ。LTAの流れは半導体にとどまらず、人工知能(AI)部品産業全般に広がっている。AI部品産業は短期取引中心の業態から、安定した受注型産業へ移りつつある。

10月9日に業界関係者へ取材したところ、サムスン電子の来年のメモリー生産量のうち約80%は納入先がすでに固まった。サムスン電子と契約できていないビッグテックは、残る約20%の生産枠を巡って水面下で競争する構図となる。SKハイニックスや米マイクロンなど他の半導体メーカーも、主要顧客と大規模なLTAを相次ぎ結んだ。

同様の動きはメモリーに限らない。積層セラミックコンデンサー(MLCC)や半導体パッケージ基板のFC-BGA、テストソケット、変圧器などの電力機器、冷却装置といったAIインフラ部品全般に広がっている。サムスン電機は台湾のデルタ電子と7000億ウォン(約826億円)規模のMLCCのLTA締結を控える。今年に入って7件目のLTAとなる。足元では電力インフラや冷却装置分野でもLTAの締結が活発だ。

ビッグテックは安定した供給網を求め、供給側は設備投資リスクの圧縮を急ぐ。両者の利害が一致し、LTAが広がった。

メモリー超えAI部品・電力機器の確保戦 ビッグテック「5年契約」に列

データセンター増設ラッシュで需要急増 25%の前受け金・購入義務も

半導体と部品の取引は、四半期ごとの契約や市況連動契約で結ぶのが長年の慣行だった。このため供給側の半導体メーカーは、先行きの価格や需要を読みづらかった。その慣行が今年に入り変わり始めた。世界のビッグテックがAIデータセンター投資を拡大し、半導体の供給不足が起きたためだ。メモリー半導体を安定確保することがビッグテックの最優先課題になった。そこで各社はLTAカードを切った。

LTAの波はメモリーを超え、MLCCやFC-BGA、変圧器などの電力機器、テストソケット、冷却装置などAIインフラと直結する部品産業全般に及び始めた。これを機に、ビッグテックと部品メーカーの関係は従来の力関係を超え、長期パートナーシップへ進化しつつある。

LTA締結に最も素早く動いたのはメモリー業界だ。10月9日時点で、サムスン電子は来年のメモリー供給量の8割近くをLTAで押さえたとされる。まだ契約を結べていないビッグテックは、残る枠を巡って水面下の争いを強いられている。サムスン電子は4〜6月期の業績説明会で「ほぼすべての主要顧客がLTAを要請している」と説明したうえで、「すべての要請に応じるのは難しい状況だ」と明らかにした。

SKハイニックスも主要顧客とのLTAを終えた。マイクロンがLTAに準じる戦略的顧客契約(SCA)を結んだ件数は、4〜6月期の16件から7〜9月期には26件に増えた。NAND型フラッシュメーカーのサンディスクも、ビッグテックなど8社とLTAを締結した。

最近では、LTAは半導体を超えてAI部品業界でも常態化している。サムスン電機は台湾の電力大手デルタ電子と、7000億ウォン(約826億円)規模のMLCC供給LTAを近く結ぶ予定だ。サムスン電機は今年に入ってMLCCのLTAを6件成立させた。今年の累計受注額は4兆6000億ウォン(約5428億円)に達する見通しだ。LGイノテックもFC-BGA供給に向けたLTA交渉を進めている。

AIインフラ産業も事情は似ている。電力機器は大量の電力を使うAIデータセンターの建設に不可欠で、冷却装置はセンター内の発熱を抑えるために使う。LS電線はメタやグーグルなど米ビッグテックと、5年単位のバスダクトLTAを結んだ。HD現代エレクトリックも、データセンター向け変圧器のLTAを推進している。LG電子は米AIデータセンターインフラ企業のエアと、5兆ウォン(約5900億円)規模のチラー供給契約を結んだ。業界関係者は、AI向け部品の供給不足が長期化すると見込み、ビッグテックは不利な条件も受け入れてでも数量確保に総力を挙げていると話した。

AIブーム反転の可能性に備えを

業界では、主導権は完全に供給側へ傾いたとの評価が多い。供給側が生産能力を急拡大できず、需給のミスマッチが広がったためだ。メモリーは通常、5年を基本契約期間とし、毎年の交渉で1年ずつ延長するローリング方式が定着した。契約の拘束力を高めるため、20〜25%水準の巨額の前受け金がやり取りされたり、顧客が契約通りに数量を引き取らなくても代金を支払う義務を負ったりする厳しい条件が標準になった。供給側は前受け金を大規模ファブ建設の資金に充てることもある。

ただ、LTAですべてのリスクが解消するわけではないとの指摘もある。半導体市況が急速に悪化すれば、顧客が違約金を負担して契約を打ち切る可能性があるためだ。その場合、LTAを前提に大規模な設備投資に踏み切った部品メーカーも大きな打撃を受けざるを得ない。崔佑榮ソウル大電気情報工学部教授は「メモリー不況が訪れ、顧客が再交渉を要求すれば、既存条件を緩和せざるを得なくなるだろう」と語った。

キム・チェヨン/ウォン・ジョンファン/ノ・ユジョン記者 why29@hankyung.com

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