「サムスン電子、もっと下がると思ったのに」 株価が持ちこたえた理由
概要
- サムスン電子は、自社株買い終了とメモリー半導体株の投資心理悪化にもかかわらず、KOSPIやSKハイニックスに比べて下げ幅が小さかった。
- 証券業界は、第3四半期業績や来年の営業利益増加、DRAM・NANDの販売価格上昇、HBM4の平均販売価格(ASP)上昇を根拠に、業績改善と株価の上昇余地が大きいとみている。
- ただ、半導体ETF7本のリバランス、機械的な売りが出る可能性、追加の自社株買いの時期と形態、株主還元財源110兆ウォン(約12兆9800億円)・現金配当・自社株消却が、株価変動性を左右する要因だと伝えた。
期間別予測トレンドレポート


サムスン電子、自社株買い終了初日も底堅さ…短期的な変動には注意
1%安、10月8日の3Q決算発表控え様子見
1日5000億ウォン(約590億円)買っていた主体不在でも
KOSPIやSKハイニックスより下げ小幅
販売価格上昇で3Q好決算見通し
半導体ETF7本のリバランスも変動要因

KOSPIが2%近く急落するなか、サムスン電子の下落率は1%台にとどまった。自社株買いの終了で、1日平均5000億ウォン(約590億円)超を買っていた買い手が市場から消えたものの、10月8日の第3四半期決算発表を前にした期待と様子見が交錯し、下げ幅は限られた。ただ、自社株買い終了に上場投資信託(ETF)のリバランスも重なるため、当面は株価の変動が大きくなる可能性がある。
自社株買い終了
10月7日の韓国取引所の有価証券市場で、サムスン電子は前日比1.29%安の26万8500ウォンで取引を終えた。KOSPIは1.98%下げて6803.90、KOSDAQは2.24%安の898.43だった。サムスン電子も下落を免れなかった。
前日の米株式市場では、SKハイニックスの米国預託証券(ADR)が6.39%下落し、マイクロンも1.37%安となった。メモリー半導体株への投資心理が悪化したうえ、この日はサムスン電子の自社株買いも入らず、売りが優勢となった。
サムスン電子は8月24日に始めた15兆ウォン(約1兆7700億円)規模の役職員報酬向け自社株買いを10月6日に終えた。自社株買いの終了で、市場では毎日5000億ウォン(約590億円)超を純買いしていた主体がいなくなった。10月7日の有価証券市場では、外国人投資家がサムスン電子を240億ウォン(約28億円)売り越した。
もっとも、この日のサムスン電子の下落率はKOSPI(1.98%安)やSKハイニックス(2.82%安)より小さかった。前日の米株安の影響が主にSKハイニックスADRに集中したうえ、10月8日のサムスン電子の第3四半期決算発表を前に様子見姿勢も広がった。
証券各社は総じて、サムスン電子の第3四半期業績を良好とみている。メリッツ証券は10月7日付のリポートで、同社の第3四半期営業利益を106兆1000億ウォン(約12兆5200億円)と予想した。直近では市場予想が104兆ウォン台(約12兆2700億円)に低下していたが、これをやや上回ると見込む。メリッツ証券のキム・ソヌ研究員は「DRAMとNANDの出荷量は推定をやや下回るだろうが、販売価格が前四半期比20%上昇し、業績改善をけん引する」と分析した。

揺るがぬ業績期待
来年の業績に対する期待は一段と高まっている。メリッツ証券は、来年のサムスン電子の営業利益を632兆ウォン(約74兆5800億円)と予想した。従来予想の562兆ウォン(約66兆3200億円)から13%引き上げた。
キム研究員は「モバイルメモリーの販売価格は来年1〜3月期から前四半期比で50%以上上昇する見通しだ」と述べた。そのうえで「主要顧客は来年、20周年のフラッグシップスマートフォンを投入する局面にあり、販売価格の急騰を受け入れざるを得ない」と強調した。主要顧客は、来年にiPhone発売20周年を迎えるアップルを指すと受け止められている。
KB証券は、来年のサムスン電子の高帯域幅メモリー(HBM)価格上昇率を100%(2倍)と見積もった。KB証券リサーチ本部のキム・ドンウォン本部長は「サムスン電子のHBM4は、DRAM大手3社の中で最も高い価格水準で契約される可能性が高く、平均販売価格(ASP)の上昇を後押しする」と指摘した。さらに「サムスン電子のHBM4売上高比率は今年の40%から来年は80%に高まる」と予想した。
こうした業績拡大を踏まえると、サムスン電子株にはなお上昇余地があると証券業界はみている。SK証券のハン・ドンヒ研究員は10月6日、「サムスン電子の株価は著しく割安な状態にある」として、目標株価を61万ウォンに設定した。
ただ、決算発表後はサムスン電子株の変動性が大きくなるとの懸念もある。ゴールドマン・サックスは10月6日付のリポートで、総運用資産(AUM)が約19兆ウォン(約2兆2400億円)に達する半導体ETF7本が、決算発表日の10月8日にそろってリバランスを実施する点に注目した。サムスン電子のETF内組み入れ比率が上限に近く、機械的な売りが出る可能性があるという。
焦点は、追加の自社株買いがいつ、どのような形で具体化するかにある。KB証券は、直近3年間(2024〜2026年)の株主還元の残余財源を110兆ウォン(約12兆9800億円)と仮定した場合、現金配当で70兆〜80兆ウォン(約8兆2600億〜9兆4400億円)、自社株消却で30兆〜40兆ウォン(約3兆5400億〜4兆7200億円)の還元が可能になると予想した。
カン・ジンギュ記者 josep@hankyung.com
Korea Economic Daily
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