欧州でステーブルコイン「報酬容認」圧力 MiCA再検討の争点に
概要
- MiCA再検討を前に、ステーブルコインの 報酬 と 利子支払い に関する規制緩和を求める動きが広がっていることが明らかになった。
- スタンド・ウィズ・クリプトEUは、キャッシュバック、ポイント付与、手数料割引 の容認がユーロ建て ステーブルコインの競争力 に重要だと説明した。
- ESCBとECBは、利子禁止 の対象拡大と 流動性基準 の強化を通じ、銀行部門の流動性 と 金融安定 を守る必要があると訴えた。
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欧州連合(EU)の暗号資産市場法「MiCA」の再検討を前に、ステーブルコインの報酬規制を緩和すべきだとの圧力が強まっている。関連する意見提出には5万人超が参加した。一方、欧州中央銀行(ECB)陣営はむしろ規制強化を求めており、ステーブルコイン政策を巡る緊張が高まっている。
10月1日にコインテレグラフが報じたところによると、暗号資産擁護団体のスタンド・ウィズ・クリプトEUは、MiCA再検討に向けた欧州委員会の公開意見募集に5万人超が参加したと明らかにした。別途進められたステーブルコイン規制緩和の請願には、12万6000人超が署名した。
焦点は、ステーブルコイン保有者に認める経済的利益の範囲だ。現行のMiCAは、ステーブルコイン発行体と暗号資産サービス提供業者が保有者に利子を支払うことを禁じている。
スタンド・ウィズ・クリプトEUは、こうした規制が銀行預金や電子マネー商品に比べてステーブルコインを不利にしていると主張する。利子支払いに加え、キャッシュバックやポイント付与、手数料割引も認めるべきだとしており、ユーロ建てステーブルコインの競争力を高めるうえで不可欠だとの立場を示している。
同団体のハリー・ピアース・グールド事務総長は「MiCA再検討を通じて、規制を順守するステーブルコインが保有者に報酬を提供できるようにすべきだ」と語った。さらに「米国はステーブルコインをトークン化金融の決済レイヤーとして押し出している」と指摘したうえで、「欧州が同じ道を進む必要はないが、ユーロ建てステーブルコインがドル建てステーブルコインと競争するには報酬の仕組みが必要だ」と強調した。
一方で、規制強化を求める声も出ている。欧州中央銀行制度(ESCB)は9月22日、MiCA再検討に関する意見書で、ステーブルコインの利子禁止の対象を貸し出しや借り入れ、ステーキングなど収益を生む行為全般に広げるべきだと提案した。
準備金規制の見直しも求めた。ESCBは、ステーブルコイン発行体が準備金の一部を銀行預金で保有する現行方式に代え、流動性基準を適用すべきだと主張した。大規模な償還が起きた場合、発行体による急激な預金引き出しが銀行部門の流動性負担に波及しかねないためだ。
クリスティーヌ・ラガルドECB総裁も、ステーブルコイン普及が銀行部門に及ぼす影響に警戒感を示してきた。ラガルド総裁は5月、銀行預金がステーブルコインに移れば、銀行の貸出機能と金融政策の波及経路が弱まるおそれがあると述べ、中央銀行マネーを軸とするトークン化金融インフラを優先すべきだと訴えた。
MiCA再検討が本格化するなか、欧州のステーブルコイン政策は、競争力強化と金融安定の間で改めて試されることになりそうだ。
YM Lee
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