教保生命グループ、保険・証券でデジタル資産活用を全方位で検証 「制度対応を準備」
概要
- 教保生命グループは、保険・証券系列会社を中心にオンチェーン金融とデジタル資産の事業モデルを全方位で検証していると明らかにした。
- 教保生命は、RWA、トークン証券、トークン化した国債・ファンド、保険料収納・保険金のオンチェーン支払いなど10件のPoCを進め、段階的な事業化を推進していると説明した。
- 教保証券は、プレミアムワイン・コンサートIP・MMF・未上場株式のトークン化と、トークン化MMFのRP担保・証拠金活用を検証し、制度化の時点で即応できる資産レイヤーの構築に注力していると明らかにした。
期間別予測トレンドレポート



教保生命グループが、保険や証券などグループの金融系列会社を軸にデジタル資産事業の拡大に乗り出す。保険料の納付や保険金の支払いから、実物連携資産(RWA)やトークン証券の発行・流通まで、オンチェーン金融全般をまたぐ事業モデルを先行的に検証する方針だ。
教保生命のパク・ジンホ副社長は10月1日、ソウル市鍾路区のフォーシーズンズホテルで開かれた「オンチェーン金融へ(BRIDGING FINANCE ONCHAIN)」で、「教保グループはオンチェーン金融への変化を、単なる技術トレンドではなく中長期の事業課題と捉えている」と述べた。あわせて「もはや重要なのはオンチェーン金融に参加するかどうかではない。どの金融機能を、いつ、どのようにオンチェーンへ転換するかだ」と強調した。
まず教保生命は、資産運用と保険の2本柱でオンチェーン金融の導入を準備する。パク副社長は「資産面では、トークン化した国債やファンド、RWAなど新たなデジタル資産を運用ポートフォリオに活用する案を検討している」と説明した。顧客向けでは「保険料の収納と保険金の支払いをオンチェーン基盤とつなぐ案を検証している」と明らかにした。
実際、教保生命はすでに国内外のパートナーと、このための技術検証(PoC)10件を進めた。米ドル建てステーブルコインを活用した海外株式・債券の購入をはじめ、不動産やワインなど実物資産のトークン化、保険料の納付や死亡保険金のオンチェーン支払いなどが対象だ。
パク副社長は「保険は決済業ではないため、事故確認や支払い要件の審査、顧客保護の過程が必ず必要になる」と指摘した。そのうえで「すべての業務を一度に移すのではなく、検証可能な業務から段階的につなげていく」と語った。さらに「教保は観察ではなく検証を選んだ」としたうえで、「PoCから始め、実際の業務環境でパイロットを進め、事業性が確認されればビジネスモデルへ発展させる」と付け加えた。
教保証券は、実際に投資家へ供給するデジタル資産を生み出す「資産レイヤー」の構築に注力する。教保証券のシン・ヒジン理事は、証券会社の役割として▽アンダーライティング▽ブローカレッジ▽ディストリビューション▽信頼――の4領域を示した。シン理事は「証券会社は資産を発掘し、構造化して証券にし、投資家につなぐ必要がある」と説明した。加えて「流動性や価格発見、開示、適合性確認、投資家保護まで担わなければならない」と述べた。
教保証券も2024年から、さまざまなデジタル資産を対象に実証事業を進めてきた。プレミアムワインやコンサート知的財産権(IP)といった新たな資産を証券化する一方、マネー・マーケット・ファンド(MMF)や未上場株式など既存の金融資産をトークン化する案も検証した。特に、トークン化したMMFをオンチェーン上の現金同等資産として活用し、レポ取引の担保や証拠金に充てる方法も検討している。
シン理事は「こうした事例を準備しながら感じたのは、制度整備を待つだけではいけないということだ」と語った。さらに「制度化され市場が開かれたその瞬間に、これらすべての商品に直ちに対応できなければならない」と強調した。
教保生命グループは今後、保険会社と証券会社をオンチェーン基盤につなぎ、実際の金融事業へ発展させる構想だ。パク副社長は「今後の金融は、伝統金融とオンチェーン金融のどちらか一方を選ぶ形では進まない」と指摘した。そのうえで「どちらがどちらを代替するかではなく、双方の強みをどうつなぐかが核心だ」と述べた。
Uk Jin
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