「経済史を塗り替える」 サムスン電子・SKハイニックスに前例なき局面、個人投資家が色めく
概要
- サムスン電子とSKハイニックスの7〜9月期合計営業利益が200兆ウォン(約23兆2000億円)に迫り、証券界では目標株価の引き上げが続いていると伝えた。
- AIサーバー需要の拡大とメモリー価格の急騰でメモリースーパーサイクルが現実味を帯び、供給者優位の需給構造と長期の業績改善期待が高まっているとした。
- 韓国の証券各社は、HBM、LTA、株主還元政策を根拠に、サムスン電子とSKハイニックスに対して「強力買い」など前向きな投資判断を維持していると伝えた。
期間別予測トレンドレポート


李在鎔氏・崔泰源氏の「事業報国」…サムスン電子とSKハイニックス、7〜9月期営業利益は200兆ウォン(約23兆2000億円)に迫る
7〜9月期合算営業利益、「200兆ウォンクラブ」をうかがうサムスン電子とSKハイニックス
サムスン電子、7〜9月期営業利益は初の100兆ウォン(約11兆6000億円)達成の見通し
SKハイニックスも7〜9月期営業利益80兆ウォン(約9兆2800億円)に迫るとの観測
「韓国経済史に新たな地平を開く」
証券各社、目標株価の引き上げ相次ぐ

サムスン電子とSKハイニックスの2026年7〜9月期営業利益の合計が200兆ウォン(約23兆2000億円)に迫るとの見方から、韓国証券界では両社の目標株価引き上げが相次いでいる。人工知能(AI)サーバー需要の拡大とメモリー価格の急騰を受け、供給側優位の需給構造が定着し、利益水準そのものが切り上がったとの受け止めが強い。財界では、メモリースーパーサイクルを業績で裏付けているとして、李在鎔サムスン電子会長と崔泰源SKグループ会長の経営手腕を改めて評価すべきだとの声も上がる。
9月30日に金融情報会社エフアンドガイド(FnGuide)がまとめたところによると、サムスン電子の2026年7〜9月期営業利益コンセンサス(証券会社予想の平均)は110兆2803億ウォン(約12兆7900億円)だった。前年同期の12兆1661億ウォン(約1兆4100億円)に比べ806%増え、前四半期の89兆4924億ウォン(約10兆3800億円)比でも23%増となる。この予想が実現すれば、サムスン電子は創業以来初めて、単独四半期の営業利益で100兆ウォン(約11兆6000億円)を突破する。
SKハイニックスも過去最高益の更新が確実視されている。2026年7〜9月期の営業利益コンセンサスは78兆577億ウォン(約9兆540億円)で、前四半期の60兆5426億ウォン(約7兆230億円)から29%増える見込みだ。両社の営業利益予想を合計すると188兆3380億ウォン(約21兆8500億円)となり、「夢の数字」とされる200兆ウォンに肉薄する。
記録的な業績期待の背景にあるのは、メモリー価格の急上昇と需給逼迫の深刻化だ。市場調査会社トレンドフォース(TrendForce)は、2026年7〜9月期の汎用DRAM平均販売価格(ASP)が前四半期比13〜18%上昇し、NANDフラッシュも10〜15%上がると見通す。AIサーバー需要が急拡大するなか、ビッグテック各社のメモリー確保競争が激しくなり、供給企業優位の市場構造が一段と強まったと市場ではみている。
韓国の主要証券会社は最近、両社の目標株価を相次いで引き上げている。ユアンタ証券はサムスン電子の目標株価を従来の53万ウォン(約6万1480円)から63万ウォン(約7万3080円)へ大幅に引き上げた。未来アセット証券も37万ウォン(約4万2920円)から40万ウォン(約4万6400円)に上げた。SKハイニックスについては、DB証券が230万ウォン(約26万6800円)、未来アセット証券が310万ウォン(約35万9600円)を提示した。NH投資証券とユジン投資証券は、サムスン電子の目標株価をそれぞれ53万ウォン(約6万1480円)、56万ウォン(約6万4960円)に据え置き、「強力買い」を推奨した。
証券各社は、足元でくすぶるAI投資のピークアウト懸念は行き過ぎだと指摘している。NH投資証券は、AI投資がハイパースケーラーの段階を超え、企業や国家単位へ広がる新局面に入ったと分析した。そのうえで、推論需要やAIエージェントの拡大は中央処理装置(CPU)の需要増を加速させ、最終的にメモリーの超過需要につながると説明した。
これに伴い、メモリー供給不足は2027年まで長期化し、長期供給契約(LTA)の結び付きも一段と強まる見通しだとした。2027年の高帯域幅メモリー(HBM)の平均販売単価(ASP)上昇率も、従来予想の45%を上回る可能性が高いとみている。
ユジン投資証券は、サムスン電子がターンキー対応力と独自の価格政策を武器に、同業他社との差別化された業績を示すと分析した。2026年10〜12月期以降も、2027年のHBM価格交渉は供給側に有利な環境で進むとして、業績と株価の上振れ余地は大きいとみる。ファウンドリー(半導体受託生産)とシステムLSI事業部の赤字幅縮小、カスタムメモリー競争力の浮上、7〜9月期決算発表後に見込まれる株主還元策の再評価も前向きな材料に挙げた。
市場の視線は、9月30日に公表される世界3位のメモリーメーカー、マイクロン(Micron)の2026会計年度第4四半期(6〜8月)決算に集まっている。マイクロンの業績集計期間は韓国半導体各社の7〜9月期と2カ月ほど重なるため、メモリー業界全体の市況と収益性を占う先行指標となる。
マイクロンの売上高ガイダンスと利益率が市場予想を上回れば、株式市場を圧迫してきた「半導体ピークアウト」論争はかなり後退する公算が大きい。半面、販売価格の上昇基調が鈍ったり、利益率が後退したりすれば、短期的な変動性が拡大する可能性もある。
証券会社幹部の一人は、サムスン電子とSKハイニックスの四半期営業利益合計が200兆ウォン(約23兆2000億円)に迫ること自体が、メモリースーパーサイクルの規模が過去とは異なる水準へ拡大したことを示す象徴的な指標だと語った。そのうえで、韓国経済史に新たな利益水準を開いたという点で、両トップの経営力も再評価する必要があると指摘した。
カン・ギョンジュ 韓経ドットコム記者 memory@hankyung.com
Korea Economic Daily
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