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韓日勢が高付加価値MLCCに集中、中国・台湾勢が反射利益

出典
Korea Economic Daily

概要

  • AIインフラ投資ブームを受け、AI向けMLCCの需要が急増し、品薄とASP上昇が起きている。
  • サムスン電機と村田製作所がAI向け高付加価値MLCCに集中し、汎用MLCCの供給能力が不足している。
  • これを受け、台湾のヤゲオ・ウォルシン、中国のViiyongなど中国・台湾メーカーが汎用MLCCの恩恵を受け、受注・売上高の増加が見込まれている。

期間別予測トレンドレポート

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AI向けMLCCが品薄

汎用品を減らすサムスン電機・村田製作所

隙間市場を突く台湾のヤゲオ・ウォルシン

サムスン電機のMLCC
サムスン電機のMLCC

人工知能(AI)インフラ投資ブームを背景に、積層セラミックコンデンサー(MLCC)市場の二極化が進んでいる。サムスン電機や日本の村田製作所など先行企業がAI向けの高付加価値MLCCの生産に集中する一方、汎用MLCC市場に生じた空白を中国・台湾メーカーが埋めているためだ。サムスン電子やSKハイニックスなどのメモリー半導体メーカーが高帯域幅メモリー(HBM)の生産に注力した結果、汎用DRAMが供給不足となって価格が上昇し、中国の長鑫存儲技術(CXMT)などが恩恵を受けた構図が、AIの中核部品市場でも広がっている。

業界によると、世界首位のMLCCメーカーである村田製作所は最近、顧客各社に対し、情報技術(IT)機器向けの一部汎用MLCCと車載用MLCCについて生産終了の手続きを進めると通知した。AI向けMLCCに軸足を移すため、採算が相対的に低い汎用品の生産を減らし始めたという。AIインフラ投資ブームを受けてAI向けMLCCの需要が急増し、品薄が起きているためだ。

MLCCは電気を蓄え、必要な瞬間に安定して供給する中核部品だ。スマートフォンやテレビ、自動車など大半の電子機器に搭載され、「電子産業のコメ」とも呼ばれる。なかでもAIサーバー向けMLCCは高い技術力を要する。画像処理半導体(GPU)やHBMなどのAI半導体を稼働させるには大量の電力を処理する必要があり、高容量であるうえ、高温・高電圧環境にも耐えなければならないからだ。

このため、AIサーバー向けMLCC市場で存在感を確立した企業は多くない。市場を主導するのは村田製作所とサムスン電機だ。サムスン電機のAIサーバー向けMLCC市場シェアは40%に達する。両社合計のシェアは90%近くに上ると推定される。

AI向けMLCCは採算性が高い。AIデータセンター投資ブームで需要は急増したが、供給企業が限られるため、売り手優位の市場が形成された。有利な条件で受注先を選別できる状況で、平均販売価格(ASP)も上昇している。サムスン電機は半期報告書で、上半期のMLCCのASPが前年同期比13.9%上昇したと明らかにした。

足元では品薄も続いている。サムスン電機のMLCC稼働率は90%台後半と、ほぼフル稼働の状態にある。村田製作所の稼働率も同様の水準という。主要各社は増産に動いているが、短期間で供給を大幅に増やすのは難しい。

AI向けMLCCは汎用品に比べ、製造に必要な材料の量が大幅に多い。多くの電気を蓄えるには、セラミック誘電体を限られたサイズの中でより緻密に積み重ねる必要があるためだ。業界によると、AI向けMLCCの積層数は汎用品の10倍程度に達する。サムスン電機などMLCCメーカーが限られた生産能力のなかでAI向け製品を増やせば、その分だけ汎用品の生産余力は縮小する。

村田製作所とサムスン電機が受けきれなかった汎用MLCCの注文は、最近では台湾と中国の企業に向かっている。台湾・中国勢は、サムスン電機や村田製作所のような高仕様のAI向けMLCCを生産する技術力は持たないが、汎用品の生産能力は備えている。

市場調査会社トレンドフォースは「韓国と日本の企業が、汎用MLCCのX5RからAI向け製品へ生産能力を振り向けており、汎用MLCCの供給能力が深刻に不足している」と指摘した。そのうえで「台湾のヤゲオとウォルシン・テクノロジー、中国のViiyongなどは、X5R需要の増加を受けて7〜9月期に恩恵を受ける」との見通しを示した。

ウォルシン・テクノロジーの曽明燦社長は最近、台湾・経済日報とのインタビューで「世界の主要企業が民生用家電向けに供給するMLCCの生産能力を一部減らしており、他の供給業者が移管された注文を処理している」と述べた。さらに「ウォルシン・テクノロジーでも最近はMLCCの受注量が大きく増え、適時に出荷できない状況だ」と付け加えた。

ヤゲオは最近、8月の月間売上高が163億3200万台湾ドル(約772億円)となり、前年同月比51.8%増えたと発表した。月間ベースで過去最高という。汎用品を含む全製品群がそろって成長した。7〜9月期の工場稼働率が90%を超えるとの見通しも示した。

DB証券は「IT向けMLCCは供給先の切り替え障壁が相対的に低い」と分析した。村田製作所の生産中止を受け、中国・台湾企業に物量が急速に移る可能性があるとみている。メリッツ証券は「今後は汎用MLCC全般に供給不足と価格上昇の流れが広がる」と予想した。

ノ・ユジョン記者 yjroh@hankyung.com

#半導体
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