メタのAIエージェント「ミューズ」で明暗 ECに追い風、保険・旅行に逆風
概要
- メタ AIエージェント「ミューズ」 の拡大で、ショッピファイ、ウォルマート、ネイバー、クーパン などのコマースプラットフォームが恩恵株として浮上していると伝えた。
- AMD、インテル、ファドゥ など CPU や SSD 関連のインフラ銘柄は、エージェンティックコマース拡大に伴う需要増への期待から株価が堅調に推移していると報じた。
- 一方、保険、金融、旅行、通信 などの 消費者慣性 業種は、AIによって価格比較や乗り換えが容易になり、顧客流出への懸念が強まって株価が軟調に推移していると伝えた。
期間別予測トレンドレポート


エージェンティックコマース時代 恩恵株・逆風株を分析
ウォルマート・ショッピファイなど買い物関連株に注目
価格・在庫・決済データの保有が強み
CPU需要増でAMDも浮上
価格比較が容易になる通信・サービス業
エージェンティックAIで顧客流出懸念

メタの個人向け人工知能(AI)エージェント「ミューズ」が商品検索から予約、決済まで担うようになり、関連企業の株価は明暗が分かれている。商品提案を購買につなげられるコマースプラットフォームやAIインフラ企業は恩恵株として注目を集める。一方、AIが消費者に代わって価格比較やサービス変更を進めれば、金融や保険、旅行会社の収益構造が揺らぐとの分析が出ている。ミューズは利用者の指示に応じて商品を検索・比較し、旅行を予約したりメッセージを送ったりするAIエージェントだ。9月8日の公開後、米アップルのアプリストア無料アプリ部門でChatGPTを抜いて首位に立った。
ウォルマート・ショッピファイに恩恵期待
AIの商品提案を実際の取引に結びつけるコマースプラットフォームは、代表的な恩恵業種とされる。AIエージェントが利用者に代わって商品を買うには、価格や在庫を確認し、決済や配送まで処理する必要がある。商品情報と顧客データを持ち、購買の全工程をつなげられるプラットフォームに取引が集まる公算が大きい。
ミューズとの協業に乗り出したカナダの電子商取引(EC)プラットフォーム、ショッピファイ(Shopify)が関連銘柄だ。ミューズの利用者はショッピファイに出店する商品を検索し、「Shop Pay」で簡単に決済まで終えられる。協業の発表はショッピファイ株を押し上げた。9月22日は7.12%高の147.74ドル(約2万3300円)で取引を終えた。
「エージェンティックコマース」が広がれば、ウォルマート(Walmart)も恩恵を受けるとみられている。LS証券は、ウォルマートが顧客の購買履歴と商品データに加え、実店舗を生かした在庫網と配送網を備える点に注目した。LS証券のオ・リナ研究員は「エージェンティックコマースが本格化するほど、消費者接点と商品データ、在庫、物流を同時に持つウォルマートの競争力がより際立つ」と述べた。
韓国ではネイバー(NAVER)とクーパン(Coupang)が候補に挙がる。ネイバーは検索、ショッピング、決済のデータを連携させている。クーパンは需要予測と在庫、配送の力をショッピング推薦へ広げている。
AIエージェントの稼働に必要な半導体や記憶装置メーカーへの期待も大きい。AIエージェントが複数の作業を処理する過程で、サーバー向け中央演算処理装置(CPU)やデータ保存装置の利用が増える可能性があるためだ。CPUメーカーのAMDとインテル(Intel)の株価は最近急騰した。メタに企業向けソリッド・ステート・ドライブ(SSD)コントローラーなどを供給するファドゥも、9月23日の取引序盤に11%超上昇した。

乗り換えが容易になる保険・旅行株は動揺
一方、既存顧客がより安いサービスへ移るのを避けたい業種では警戒感が強まった。保険や通信料金プランを切り替えるには、これまで利用者自身が条件を比べ、既存契約を解約する必要があった。AIがその過程を代行すれば、顧客は流出しやすくなる。
ブルームバーグ通信によると、9月23日にS&P500金融業種指数は約2%下落し、7月以来の安値を付けた。相場全体は横ばい圏だったが、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)とウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)はそれぞれ3%超下げた。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)も2.9%安だった。保険大手オールステート(Allstate)は5.5%、証券大手チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)は6%超下落した。
旅行や通信、消費サービス企業も軟調だった。ブッキング・ホールディングス(Booking Holdings)は2.6%安だった。フランスのオレンジ(Orange)と英国のBTグループ(BT Group)はそれぞれ約4%下げた。ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が、継続課金や追加販売、顧客の無関心に依存する企業群として分類する「消費者慣性」銘柄も2.6%下落し、2月以降で最大の下げとなった。
ゴールドマン・サックスは、AIエージェントの価格比較や予約能力が高まるほど、消費者が保険や通信料金、電力供給会社などを乗り換えやすくなると分析した。ウェーブ・キャピタル・マネジメント(Wave Capital Management)のチーフストラテジスト、リース・ウィリアムズ氏は「2年もたてば、大半の人がAIを通じてサービスを解約するようになる」と語り、「関連企業にはマイナスの変化だ」と付け加えた。
ヤン・ジユン/オ・セソン記者 yang@hankyung.com
Korea Economic Daily
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