暗号資産法案の頓挫と利上げでも、ビットコイン投資心理が回復
概要
- ビットコインは8カ月ぶりに8万5000ドルを回復し、1週間で約10%上昇して投資心理が持ち直した。
- 米国のビットコイン現物ETFには3営業日連続で約10億ドルの純流入が続き、機関投資家マネーの流入が強まっている。
- 米政府のビットコイン20年保有法への期待に加え、極端な強欲圏への突入が進んだ。今後はインフレと利上げが相場の変数になる。
期間別予測トレンドレポート


8カ月ぶりに8万5000ドル回復、1週間で10%上昇
米ETFに10億ドル純流入
米中首脳会談に楽観論広がる
「ビットコイン20年保有法」も追い風
投資過熱、「極端な強欲」に警戒

ビットコインが複数の悪材料をこなして反発している。米暗号資産市場の構造法案「クラリティ法」の議会通過が実現せず、政策金利も引き上げられたが、上昇基調は崩れていない。専門家は、ビットコインが米政府の戦略資産になる可能性が高まったうえ、米国債価格と原油相場の下落が続き、暗号資産の投資妙味が増したと分析する。
◇ 1週間で10%上昇したビットコイン
9月22日、世界の暗号資産分析会社コインマーケットキャップによると、ビットコインは同日午前9時時点で8万6597ドル(約1360万円)で取引された。前日の8万1143ドルを6.7%上回った。同日午前5時30分ごろには8万7281ドル(約1370万円)まで上昇した。午後に入ってやや調整したが、8万5000ドル台で推移している。ビットコインが8万5000ドル台を回復したのは、2026年1月以来8カ月ぶりだ。
足元の上昇ピッチは速い。9月18日に7万6405ドル(約1200万円)だったビットコインは、4日で約1万ドル上げた。韓国市場でも似た流れとなった。同日午前9時時点の価格は1億1712万ウォン(約1340万円)と、前日比5.4%高い。1週間前の1億568万ウォン(約1210万円)と比べると10.8%上昇した。
機関投資家の資金も流入している。金融情報会社ファーサイド・インベスターズによると、9月21日に米国上場の12本のビットコイン現物ETFに9億9900万ドル(約1570億円)が純流入した。9月17日の1億5950万ドル(約251億円)、9月18日の4億3300万ドル(約681億円)に続き、3営業日連続の純流入となった。
投資心理も急速に改善した。暗号資産調査会社オルタナティブの暗号資産恐怖・強欲指数は9月22日、「極端な強欲」圏に当たる78を付けた。投資熱が過熱寸前まで高まっていることを示す。前日の「強欲」圏の70から、1日で8ポイント上昇した。
◇ 最大の変数はインフレ
9月上旬に急騰したビットコインは、その後に相次いだ悪材料で伸び悩んだ。9月15日には米上院でクラリティ法が否決され、年内成立の可能性は低下した。米連邦準備理事会(FRB)が9月16日に政策金利を0.25ポイント引き上げたことも、暗号資産市場の重荷となった。
市場では、こうした悪材料が価格にかなり織り込まれたとみている。これに加え、国際原油相場が再び下落し、高インフレへの懸念もやや和らいだ。ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談が9月24日に予定され、資産市場全般に楽観論が広がっているとの観測もある。
一段高への期待も続く。米下院金融サービス委員会は9月16日、「米国備蓄現代化法」を可決した。米政府が保有するビットコインを、長期の国家備蓄資産として管理するのが柱だ。法案が成立すれば、米政府は戦略備蓄資産として確保したビットコインを最低20年間保有しなければならない。
もっとも、マクロ経済のリスク要因は残る。米国とイランの戦争が終結していないなか、イランの支援を受けるフーシ派によるサウジアラビア攻撃も続いている。各国政府が政策金利を引き上げ、金融引き締めの強度を高めている点も相場の変数となる見通しだ。一般にビットコイン価格は金利と逆方向に動く。
短期間で価格が急ピッチに上昇しただけに、利益確定売りが出る可能性もある。コルビットのキム・ミンスンリサーチセンター長は「最近の市場回復を見込んで参入した投資家は多い。ただ、台風が一度来て終わるわけではないように、インフレの強さがどうなるかが暗号資産市場の方向を決める」と語った。
パク・シオン記者 ushire908@hankyung.com
Korea Economic Daily
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