トランプ氏、9月23日に習主席を空港出迎え 米中首脳会談へ対中圧力先送りの計算
概要
- トランプ大統領が習主席を空港で直接出迎え、米中首脳会談を前に関税と通商法301条を巡る対中圧力の計画を遅らせていると伝えた。
- 米国は米中会談で、中国による米国産農産物の購入拡大、非関税障壁の緩和、対米投資、軍事関係の強化などを引き出したい考えだとした。
- トランプ大統領が中国との交渉の過程で、台湾向け武器売却や台湾独立を巡る米国の立場修正を議論する可能性があり、会談の結果はあいまいな休戦にとどまる可能性があると伝えた。
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ドナルド・トランプ米大統領は、米中首脳会談のため9月23日にワシントンに到着する習近平・中国国家主席を、自ら空港で出迎えることにした。
AFP通信やポリティコなどが9月17日に報じた。トランプ大統領は9月23日午後4時ごろ、ワシントン近郊のアンドルーズ統合基地で習主席を迎える。ポリティコは、第2次トランプ政権発足後、トランプ大統領が外国首脳を空港で出迎えるのは初めてで、「関係改善に向けた働きかけの一環」だと評した。トランプ大統領は通常、ホワイトハウスの大統領執務室の入り口で外国首脳を迎える。
9月24日に首脳会談と拡大会合
これに先立ち、習主席は5月にトランプ大統領が北京を訪れた際、副主席の韓正氏を空港に派遣した。レッドカーペットが敷かれ、中国の子どもたちが旗を振って歓迎したものの、中国共産党内の序列8位にあたる韓副主席が対応したのは、習主席なりのしたたかな面子争いとの受け止めが出ていた。
当時、習主席はトランプ大統領との会談が始まるとすぐに、「台湾問題を誤って扱えば、両国が衝突しかねない」と強いメッセージを発した。台湾は中国にとって「核心的利益の中の核心的利益」だとも強調した。両首脳は、米中が「建設的で戦略的に安定した関係」を築くことで合意した。これは、米国が中国のレッドラインを尊重するとのメッセージとして受け止められた。
今回の空港出迎えは、トランプ大統領がなお習主席に慎重に対応していることを示す。米政府の元高官は「習主席はトランプ氏と対等に見られることを望んでいる」と語ったうえで、空港での出迎えは、主要2カ国(G2)として遇されたい習主席の欲求を満たすと分析した。
米国は、関税で中国を圧迫する計画も後ろ倒しにした。ブルームバーグ通信は9月17日、トランプ政権が当初、米中会談前に通商法301条に基づく供給過剰問題の報告書を公表する予定だったが、日程を遅らせることにしたと報じた。報告書には、中国製品に7.5ポイントの追加関税を課す案が盛り込まれる見通しだった。
両首脳による本格協議は9月24日に開かれる。ホワイトハウスでまず首脳会談を実施し、その後、関係閣僚らが同席する拡大会合に移る予定だ。習主席は9月25日に北京へ戻る。9月25日に何時に出発するかなど、詳しい日程は公表されていない。
イラン戦争で協力要請か
11月の中間選挙を控えるトランプ大統領は、今回の米中首脳会談で複数の成果を引き出したい考えだ。中国が米国産農産物の購入を拡大し、非関税障壁の引き下げを示せば、選挙での得点材料になり得る。
2025年10月に釜山で開かれた米中首脳会談では、両国は1年間にわたり関税戦争を停止することで一致した。今回はその延長問題も議題になる見通しだ。ジェイミソン・グリア米通商代表部(USTR)代表は今月、両国が農業分野と非関税障壁を巡り、いくつか発表するとの見通しを示した。
膠着状態にあるイラン戦争でも、トランプ大統領は中国の協力を必要としている。中国はイラン産原油の最大輸入国だ。イラン戦争から距離を置きたいトランプ大統領は、習主席に支援を求める公算が大きい。スコット・ベッセント米財務長官は先月、イランに対する最大限の経済圧力を打ち出した一方で、中国の銀行は制裁対象から外した。
人工知能(AI)分野と、中国の対米投資問題も主要議題の一つだ。トランプ大統領は9月24日の国賓晩餐会に、ジェンスン・ファン米エヌビディア最高経営責任者(CEO)らAI関連企業の経営者を招待した。中国側も企業関係者が訪問する予定だが、具体的な名簿は公表していない。トランプ大統領はこれに先立ち、中国の自動車メーカーによる対米投資を認める可能性にも言及し、融和姿勢を示していた。
両国が軍事関係の強化を打ち出す可能性もある。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は9月17日、関係筋の話として、両国間の軍備管理協議を再開する案などが検討されていると伝えた。両国がより多くの軍事対話ルートを再稼働させ、既存の連絡経路を強化する案も議論しているという。中国東部戦区の楊志斌司令官と、米インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官が8月31日にカナダで2年ぶりの司令官級会談を開いたことも、こうした観測を後押ししている。
台湾問題でどこまで譲歩するか
焦点は、その見返りにトランプ大統領が何を譲るかに移っている。ワシントン周辺では、台湾問題が取引材料になることへの懸念が強い。トランプ大統領は、台湾に最大140億ドル(約2兆1800億円)規模の武器を売却する問題を、中国との交渉材料として扱っている。5月以降、台湾向け武器売却は保留されたままだ。
ロイター通信は中国側関係者の話として、米国が台湾独立を「支持しない」とする従来の表現ではなく、「反対する」と公に表明することを中国が望んでいると報じた。ロイターは、仮にトランプ大統領がこうした判断を下せば、アジア全域の同盟国に不安を与え、米議会の反発を招く可能性があると指摘した。
今回の会談は、目立った成果なく終わるとの見方も少なくない。米政府の元高官は9月16日、記者団との会合で、米国の通商政策が明確さを欠いたまま進んでいることが中国を不快にさせていると語った。そのうえで「短期的に期待できる唯一の結果は、あいまいな『休戦』だけだ」と述べた。市場関係者の間では、両首脳が大規模な行事を終えた後、11月と12月にさらに2回会談することで一致して別れるとの見方もある。
一方、共同通信は9月17日、高市早苗首相が国連総会初日の9月22日にニューヨークでトランプ大統領との首脳会談を調整していると報じた。トランプ大統領が習主席と会う前に日本の立場を伝え、対中政策をすり合わせる場になるという。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com
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