米SEC、トークン化株を5年間容認 24時間取引が視野に
概要
- 米SECがトークン化株式を今後5年間容認する「イノベーション免除計画」を公表した。
- SECの措置により、ニューヨーク株式市場の上場企業の株式に加え、第三者がトークン化した株式も取引可能となり、24時間の株式取引に向けた動きが本格化した。
- SECの発表を受け、セキュリタイズやロビンフッドなど暗号資産関連株が急騰した。
期間別予測トレンドレポート


「クラリティ法」上院否決から2日で公表
第三者が株式をトークン化する場合は企業への通知が必要
セキュリタイズやロビンフッドなど暗号資産関連株が急騰

米証券取引委員会(SEC)は9月17日、今後5年間にわたってトークン化株式を認める「イノベーション免除(innovation exemption)計画」を公表した。暗号資産市場の包括的な監督枠組みを整える「クラリティ法」が米上院で否決されてから2日後の発表となった。
今回のイノベーション免除は、公表直後に発効した。トークン化とは、株式や現金、債券、上場投資信託(ETF)などの実物資産をデジタルトークンの形に変え、ブロックチェーン基盤のプラットフォームに所有権を記録して取引する仕組みを指す。
対象には、ニューヨーク株式市場の上場企業の株式だけでなく、第三者がトークン化した株式も含まれる。ただ、この場合はトークン化できる株数に制限がある。証券トークン取引所(TSV)は対象企業に通知する必要があり、企業が30日以内に拒否権を行使すれば取引は禁止される。
株価には連動しても、実際の株主としての権利を伴わないセキュリティベース・スワップやラッパー(Wrapper)などの合成トークンは免除対象に含まれない。
SECはこのイノベーション免除を通じ、24時間の株式取引をさらに積極的に進める方針だ。ポール・アトキンスSEC委員長は「多くの人が努力したにもかかわらず、議会でクラリティ法は成立しなかった」と述べたうえで、「SECの法的権限の範囲内で可能な重大な措置を講じた」と強調した。さらに「トークン化株式には、ニューヨーク市場の24時間取引を可能にする潜在力がある」と付け加えた。
暗号資産取引プラットフォーム関連銘柄は、この日のSEC発表を受けて急伸した。セキュリタイズの株価はニューヨーク証券取引所(NYSE)の通常取引で14.93%高の8.93ドル(約1390円)で引けた。ロビンフッド(Robinhood)はナスダックの通常取引で5.16%上昇し、109.81ドル(約1万7100円)を付けた。
これに先立ち、ナスダックは2025年9月、株式をトークン化して取引できるよう認めるようSECに求めていた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)は2026年初め、株式とETFを24時間取引できるブロックチェーン基盤のトークン化プラットフォームを構築していると明らかにした。
もっとも、反対論も根強い。国際通貨基金(IMF)は2026年4月、「トークン化プラットフォームの導入で得ようとする利益が、かえって金融市場のリスクに適切に対処する力を弱める可能性がある」と指摘した。プラットフォームは暗号資産を基盤に動く一方、現実の金融インフラは人を中心に組み立てられており、市場の緩衝装置が失われかねないという。
IMFは「トークン化プラットフォームは24時間稼働するが、中央銀行の市場介入や規制は営業時間に合わせて設計されている」としたうえで、金融当局や各機関がトークン化プラットフォームの取引速度に追いつけず、対応時間が不足する恐れがあると懸念を示した。
イ・ミア記者 mia@hankyung.com
Korea Economic Daily
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