「下がるなら上がりもするのに」 個人投資家焦るサムスン電子・SKハイニックス、証券街は追加買い自制促す
概要
- 証券街はサムスン電子とSKハイニックスについて、メモリー価格の追加上昇余地が乏しく、金利上昇なども重なってボックス圏の上値が限られるとして、追加買いは控えるべきだとの見方を示した。
- 直近1カ月では、個人・外国人・機関がそろってSKハイニックスとサムスン電子を大規模に純売り越しし、需給の空白が広がったと伝えた。
- 一方、来年のメモリー半導体の供給不足やHBM需要の増加見通しを踏まえると、足元の株価にはバリュエーション面の魅力があり、「リスクに比べリターンが優勢な局面だ」と分析した。
期間別予測トレンドレポート


証券街「上値の限られたボックス圏推移、追加買いは控えるべきだ」

韓国株式市場の半導体大手2社、サムスン電子とSKハイニックスを巡り、証券街で追加買いを控えるよう求める声が出ている。当面はメモリー半導体価格の一段高が見込みにくいうえ、利上げというマクロ要因にも縛られ、株価はボックス圏での推移が続くとの見立てだ。
BNK投資証券のイ・ミンヒ研究員は9月16日、「過去に供給過剰と供給不足が繰り返し起きたのは、常に供給ではなく需要予測の狂いが原因だった」と述べた。足元については「マクロ環境の不確実性が高まっており、メモリー価格もこれ以上上がりにくい状況にある。需要の弾力性も低下している」と指摘した。
同氏は「7月の下げ過ぎの局面以降、バリュエーション(業績に対する株価水準)の下支えや大規模な株主還元への期待、人工知能(AI)サーバー出荷の堅調さを背景に、半導体株は徐々に持ち直している」と説明した。一方で「メモリーコストが限界に達しつつあることで需要の弾力性は鈍っており、金利上昇基調も続いているため、株価の上値は限られる」と付け加えた。
イ研究員はサムスン電子の投資判断を従来の「買い」から「保有」に引き下げた。SKハイニックスは「保有」を維持した。事実上、追加買いを自制するよう促した形だ。
実際、サムスン電子とSKハイニックスの株価は8月から足元までボックス圏で一進一退の値動きが続く。依然として堅調な業績などファンダメンタルズ(基礎的条件)に異常はないとの見方が支配的だが、中東の武力衝突再燃や原油高、利上げ懸念といったマクロ要因が重荷になっている。
9月16日午後2時20分時点で、サムスン電子は前日比1.61%、SKハイニックスは2.84%それぞれ上昇している。サムスン電子は23万~27万4500ウォン(約2万6200~3万1300円)での推移が続いており、SKハイニックスは8月初めに10%台下落した場面を除けば、165万~185万ウォン(約18万8000~21万1000円)台で上下している。
両社のボックス圏での値動きには、需給の空白が大きく影響している。
韓国取引所によると、8月15日から前日までの1カ月間、個人投資家はSKハイニックスを6兆50億ウォン(約6850億円)売り越した。同期間の個人による純売越額では首位だった。サムスン電子も1兆5481億ウォン(約1770億円)の売り越しで後に続いた。
外国人投資家も同じ方向に動いた。同期間に外国人はSKハイニックスを10兆953億ウォン(約1兆1510億円)売り越し、最も多く売却した。サムスン電子も4兆6895億ウォン(約5350億円)の売り越しとなり、上位に名を連ねた。
機関投資家もこの間、SKハイニックスを4兆4430億ウォン(約5060億円)、サムスン電子を2兆2891億ウォン(約2610億円)それぞれ売り越した。個人と外国人に続き、機関もSKハイニックスを投資主体別の純売越額首位銘柄にした。
直近1カ月では、韓国株式市場の3大投資主体がそろって最も多く売った銘柄がSKハイニックスだったことになる。各主体が放出した株式の大半は、SKハイニックスの自社株買い主体と推定されるその他法人が引き取った。
急激な値動きが消え、株価がボックス圏の動きに入るなか、個人投資家の不満も大きい。サムスン電子とSKハイニックスのインターネット上の銘柄掲示板では、「下げれば押し目買いも入るのに、今はボックス圏下限付近で買いにくい水準だ」「業績がこれほどなのに上がらないのは不思議だ」「追加の株主還元が必要だ」といった反応が出ている。
もっとも、来年のメモリー半導体の供給不足見通しに照らすと、足元の株価にはバリュエーション面の魅力があるとの分析も少なくない。
インテルのリップブー・タン最高経営責任者(CEO)は9月16日、米カリフォルニア州サンタクララ・コンベンションセンターで開かれた「AIインフラ・サミット2026」で、「昨年、メモリーが大きなボトルネックになると予想していたが、実際にそうなった。来年はさらに深刻になるだろう」と語った。さらに「コストの70~80%をメモリーに充てなければならない状況は、耐えがたい」と述べた。
大信証券のリュ・ヒョングン研究員は「一部顧客は2028年の高帯域幅メモリー(HBM)需要として400億GB超を提示しており、需要の強さが確認されている」と指摘した。長期契約交渉の過程で、契約期間を5年以上に延ばすよう求める顧客も現れ始めたとし、「足元の半導体株はリスクよりリターンが上回る局面だ」と分析した。
ノ・ジョンドン 韓経ドットコム記者 dong2@hankyung.com
Korea Economic Daily
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