AGIを前面に出すエヌビディアのフアンCEO、狙いは覇権強化か
概要
- AGI時代の到来とGPT-6アストラの公開で、エヌビディアGPU需要拡大の名分が強まったと伝えた。
- AGIの出現時にはGPUが少なくとも100万〜1000万基必要になるとのビッグテックの見積もりを踏まえ、AIインフラ投資が続く可能性が高まったとした。
- ジェンスン・フアン氏が、エヌビディアのグレース・ブラックウェルNVL72チップを10万個超使った点と、40万基の追加GPU稼働計画を強調したと伝えた。
期間別予測トレンドレポート


AGIの稼働にはGPU数百万基が必要
バブル論を鎮め、将来需要を確保する狙い

「汎用人工知能(AGI)の時代が来た。おめでとう、OpenAIチーム」
9月3日にGPT-6「アストラ」を公開したオープンAIを最初に祝福したのは、エヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)だった。フアン氏はX(旧ツイッター)に「ChatGPTからアストラまで4年かかった」と書き込んだ。
エヌビディアは昨年と2026年初め、オープンAIに300億ドル(約4兆6300億円)を投資した。投資先であるオープンAIを祝福したとの見方もできる。もっとも、この金額はエヌビディアの時価総額5兆2600億ドルに比べれば小さい。単純に投資先だからではないとの受け止めが強い。
フアン氏の狙いは別にある。オープンAI株の27%はマイクロソフト(Microsoft)が保有する。マイクロソフトが初期投資した当時、両社は「オープンAIがAGIを達成した場合、マイクロソフトはオープンAIに対する技術アクセス権を失う」との条項を契約に盛り込んだ。2026年4月にこの条項は削除されたが、オープンAIはそれまでこの条項をてこにAGIの達成を目指してきた。社内でも、AGIを達成すれば自由になれるとの空気が広がっていたとされる。
フアン氏は、マイクロソフトの影響力から離れる可能性があるオープンAIを、エヌビディアのAIエコシステムに取り込む名分と機会を手にした格好だ。実際、フアン氏はXで、アストラの学習にエヌビディアのグレース・ブラックウェル(GB)NVL72チップが10万個超使われたと強調した。
フアン氏にとっては、AGIの登場が足元で頻繁に浮上している「AIバブル論」を鎮める材料にもなる。AIバブル論が持ち上がるたびに、データセンターなどAIインフラへの投資は萎縮する。そうなれば、データセンターに搭載されるエヌビディアの画像処理半導体(GPU)の地位も揺らぐ。
AGIの出現は、GPUの巨額需要を新たに呼び込むと見込まれている。ビッグテック各社は、生成AIの稼働に2万〜10万基のGPUが必要だとすれば、AGIの稼働には少なくとも100万〜1000万基が必要になるとみている。フアン氏がアストラ公開時に「追加の40万基のGPUがまもなく稼働する」と言及した背景でもある。
ラ・ヒョンジン記者 raraland@hankyung.com
Korea Economic Daily
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