エルサルバドル、IMF支援再開へ前進 ビットコイン争点の解消で国債高
概要
- IMFの金融支援プログラム再開への期待を背景に、エルサルバドルの国債に対する投資家心理が改善し、堅調な値動きが続いている。
- エルサルバドルのビットコイン保有増加分が民間の寄付で賄われ、チボの持ち分が民間に移ったことで、IMFとの主要な争点の一部が解消した。
- IMF理事会が合意を承認すれば、クーポン金利は4%から0.25%に低下する。一方、年金改革の遅れは一部のリスクを残す。
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エルサルバドルが約1年にわたって膠着していた国際通貨基金(IMF)の金融支援プログラム再開に一歩近づいた。ビットコイン(BTC)を巡る主要な争点が一部解消し、国債の投資家心理も改善している。
ブルームバーグが9月10日に報じた。IMFとエルサルバドルは金融支援プログラムの第2次・第3次審査を巡り、事務レベルの合意に達した。総額14億ドル(約2150億円)規模の同プログラムのうち、今回の合意がIMF理事会の承認を得れば、約1億4000万ドル(約215億円)が追加実行される見通しだ。
交渉の障害となってきたビットコイン関連の論点も、ひとまず整理された。IMFによると、エルサルバドル政府は第1次審査後に増やしたビットコイン保有分について、民間からの寄付で調達され、公的財政は投入していないことを示す資料を提出した。2021年に政府が導入したビットコイン・ドル決済ウォレット「チボ(Chivo)」の支配持ち分を民間事業者に移した点も、前進と受け止められている。
金融支援再開への期待を背景に、エルサルバドル国債も上昇基調を保った。ブルームバーグによると、IMFナンバー2のダン・カッツ氏が7月末にナジブ・ブケレ大統領と会談した後、交渉に「相当の進展」があったと明らかにして以降、エルサルバドルのドル建て国債の投資収益率は2.3%と中南米諸国で最も高かった。JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)が集計する米国債に対する上乗せ金利も、2010年以降で最低水準まで縮小した。
JPモルガン・チェースのエコノミストらは、今回の合意が長期にわたり金融支援の実行を阻んできた不確実性を和らげ、エルサルバドルが国際金融市場で信認を回復する助けになると分析した。IMF理事会が10月初めまでに合意を承認すれば、同国の利払い専用債に適用されるクーポン金利は現行の4%から0.25%に低下する。
次の焦点は年金改革だ。IMFは当初、2026年初めに設定していた関連改革の期限を2027年に先送りした。エルサルバドルでは2027年に民間年金基金向けの利払い猶予が終わるため、財政負担が再び強まる可能性がある。アライアンスバーンスタイン(AllianceBernstein)のポートフォリオマネジャー、カトリーナ・バート氏は「改革の遅れが一部のリスクを残すのは確かだが、選挙日程を踏まえれば理解できる判断だ」と述べた。
YM Lee
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