概要
- 国際 原油価格 が1バレル=100ドルを突破し、世界の投資銀行は10〜12月の ブレント原油 見通しを最大150ドルまで引き上げた。
- サウジアラビアと フーシ派武装勢力 の衝突に加え、 ホルムズ海峡 と バブ・エル・マンデブ海峡 のリスクを背景に、原油の 供給不足 が長期化するとの懸念が価格に反映されている。
- 一方で、 米国 と カナダ などOPEC非加盟の産油国による 増産 や、 中国 の構造的な原油 需要減少 を根拠に、原油高は100〜120ドル水準にとどまるとの見方もある。
期間別予測トレンドレポート


米・イラン、サウジ・フーシ派が衝突
ウォール街「10〜12月に150ドルも」

国際原油価格は9月8日、1バレル=100ドル目前まで急騰した。サウジアラビアのエネルギー施設が親イランのフーシ派武装勢力の攻撃を受け、原油供給に支障が出るとの警戒が強まったためだ。
ロンドンICE先物取引所では同日、11月渡しの北海ブレント先物の終値が前日比0.92ドル(0.95%)高の1バレル=97.92ドル(約1万5070円)だった。9月9日には取引時間中に100ドルを上回り、7月24日以来の高値を付けた。ニューヨーク商業取引所では10月渡しのWTI先物の終値が1.55ドル(1.69%)高の1バレル=93.03ドル(約1万4310円)となった。
サウジアラビアとフーシ派の対立が激化すれば、世界の原油輸送の約5%を担うバブ・エル・マンデブ海峡が封鎖される可能性がある。市場では、投資銀行が10〜12月の国際原油価格見通しを1バレル=150ドル(約2万3070円)まで引き上げた。HSBCのキム・プスティア首席エネルギーアナリストは、原油供給の不足が想定より長引くとの懸念が価格に本格的に織り込まれつつあると指摘した。
「エネルギー施設への追加攻撃なら原油120ドルも」
中東情勢拡大で一時100ドル突破、「北米の増産で上昇限定的」の見方も
イランの支援を受けているとされるイエメンのフーシ派武装勢力は9月8日、サウジアラビア南部のアブハ、ハミースムシャイト、ジャザン、ナジュランの4都市と、国営エネルギー会社サウジアラムコの施設をドローンとミサイルで攻撃した。エネルギー施設の一部で火災が発生して稼働が止まり、73人が負傷したと伝えられた。
イラン戦争の勃発後、サウジアラビアはアラビア半島を横断するパイプラインで原油を西部の紅海沿岸に運び、輸出してきた。フーシ派が西部のエネルギー施設を攻撃したことで、ホルムズ海峡を迂回するルートさえ安全ではないとの懸念が強まった。
ホルムズ海峡を巡る戦況も悪化している。米軍は9月8日、イラン革命防衛隊に関連するタンカーを攻撃した。イランも米軍の駆逐艦と基地を攻撃し、報復の軍事作戦に入った。さらにイランはホルムズ海峡に「海上封鎖区域」を設定し、エネルギー施設やタンカーへの攻撃を警告した。
こうした情勢を受け、10〜12月の原油平均価格は1バレル=100ドル(約1万5380円)を大きく上回るとの見方が強まっている。主要投資銀行はブレント価格の見通しを相次いで引き上げた。バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は9月8日に公表したリポートで、原油供給を制約する小規模な衝突が年末まで続けば、ブレントは1バレル=95〜120ドルで取引されるとの見通しを示した。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は、海上輸送の混乱が2027年まで続く可能性を織り込み、年末時点のブレント価格見通しを従来の80ドル(約1万2300円)から5ドル引き上げた。イランとフーシ派による船舶攻撃が今より拡大すれば、120ドル(約1万8450円)まで上昇する可能性があるとみる。アーガスのデービッド・パイプ首席エコノミストは、足元の原油価格は需給が極めて逼迫していることを示していると評価した。
一方で、原油価格は1バレル=100〜120ドルには達しないとの見方もある。ホルムズ海峡と迂回ルートを通る原油輸送が懸念されたほど減らないなか、米国やカナダなど石油輸出国機構(OPEC)非加盟の産油国による増産や、中国の構造的な原油需要の減少がその根拠とされる。
ニューヨーク=ファン・ジョンス特派員、キム・ドンヒョン記者 hjs@hankyung.com
Korea Economic Daily
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