メモリー超好況でもサムスン電子株の上値重く MX・労組リスクが重荷
概要
- DB証券は、SKハイニックスの目標株価を230万ウォンに引き上げ、サムスン電子は36万ウォンに据え置いたと明らかにした。
- DB証券は、HBM4、AIインフラ投資、Dラム市況の好況局面が続くなかでも、サムスン電子のMX不振と追加の自社株買い不在が株価反発を抑えると分析した。
- 投資家は、MX・家電など非メモリー事業の業績負担と労組リスクを踏まえ、サムスン電子のバリュエーションを判断すべきだと指摘した。
期間別予測トレンドレポート


DB証券、SKハイニックスの目標株価を230万ウォンに引き上げ
一方、サムスン電子は36万ウォンを据え置き

DB証券が9月7日、サムスン電子とSKハイニックスの目標株価を分けて示したリポートを公表し、市場の関心を集めている。人工知能(AI)インフラ投資の拡大と、第6世代の高帯域幅メモリー(HBM)であるHBM4の本格出荷で、両社とも恩恵を受けると見込む一方、サムスン電子はモバイルエクスペリエンス(MX)部門の不振で全社利益の改善幅が限られると分析したためだ。投資家の間では、SKハイニックスより強硬と受け止められるサムスン電子の労働組合の動きもリスク要因として意識されている。
DB証券は同日、SKハイニックスの目標株価を230万ウォン(約26万7000円)に引き上げた一方、サムスン電子は36万ウォン(約4万1800円)に据え置いた。DB証券のソ・スンヨン研究員はリポートで、両社の7〜9月期業績は為替の逆風で市場予想をやや下回るとの見方を示した。そのうえで、AIインフラ投資の拡大基調に対して有意な供給拡大が難しいとみる来年の業績見通しを反映し、目標株価を調整したと説明した。
ソ研究員は「ビッグテック間の競争に伴うAIインフラ投資の拡大基調は続いているうえ、SKハイニックスは主要顧客と中長期需要や長期契約を協議している」と指摘した。AI主導でメモリー需要が急増する一方、業界で意味のある供給拡大は来年も実現しにくいとみている。
SKハイニックスの目標株価引き上げの背景については「バリュエーションの算定区間を今年と来年の平均から来年ベースに変更した」とした。7〜9月期からHBM4の本格出荷が始まり、来年のHBM4の販売価格は前年比で約70%上昇する見通しで、堅調な業績改善が続くと見込んだ。
SKハイニックスの最近の株価低迷については、競合他社に比べたHBM4価格の上昇率の低さへの懸念、AI設備投資の持続性に対する懐疑論、業績予想の下方修正が背景にあると分析した。もっとも、AI需要の強さのなかでHBM価格上昇を追い風とする来年の堅調な業績が確認されれば、株価は反発するとの見通しを示した。
一方、サムスン電子の目標株価には異なる見方を示した。ソ研究員は、メモリーの出荷が堅調で販売価格も上昇しているにもかかわらず、為替の逆風に加え、市場予想を下回るMX事業部の不振が見込まれると分析した。新たな旗艦機種の投入効果があっても、半導体など部品コストの上昇が続くため、MXは1兆8000億ウォン(約2088億円)の営業損失を計上する見通しだとした。
目標株価を据え置いた背景については「Dラム市況は2027年も供給逼迫とサーバー需要の強さが重なり、2024〜2026年に続いて好況局面が続く」と説明した。ただ、8月の株主還元策の公表後も追加の自社株買いがなく、株価は軟調な推移をたどったと指摘した。株価反発には2027年初めに具体的な株主還元策の発表が必要だと付け加えた。
銘柄討論掲示板のある個人投資家は「SKハイニックスは事実上、メモリー市況とHBMサイクルが業績とバリュエーションを決める構造だ」と話した。一方のサムスン電子については、メモリーだけでなくMXや生活家電などのセット事業も手がけているため、メモリー上昇局面での利益レバレッジは相対的に限られると指摘した。市場ではサムスン電子を代表的なメモリー株とみなしながらも、MXの収益性悪化やコスト負担を相対的に過小評価する傾向があるという。
別の投資家は、最近のサムスン電子の労組が賃金や成果給を巡る交渉で声を強めるなど、労使関係がSKハイニックスに比べて相対的に強硬化している流れも潜在リスクだと指摘した。コスト構造と生産の安定性の面で無視できないという。メモリー市況だけを見てサムスン電子のバリュエーションを判断するのではなく、MXや家電など非メモリー事業の業績負担と労務リスクまで織り込んで、全社の収益力を見極める必要があると述べた。
カン・ギョンジュ記者 qurasoha@hankyung.com
Korea Economic Daily
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