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ドルのヘッジ比率、10年ぶり低水準 機関投資家に為替差損リスク

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 世界の機関投資家の ドルヘッジ比率 が2015年以降で最低水準に落ち込み、為替差損 への懸念が強まっていると伝えた。
  • 6カ国の機関が ドル資産の為替ヘッジ比率 を5ポイント引き上げるだけでも、2300億ドルの先物売り が発生し、ドル安の悪循環が懸念されると報じた。
  • 韓国の保険会社や国民年金などは ドルヘッジ比率の縮小 により 収益率の悪化 の可能性が高まり、外貨資産の分散 の必要性が指摘されていると伝えた。

期間別予測トレンドレポート

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ヘッジ需要増でドル安の悪循環懸念

主要国のヘッジ比率、5ポイント上げれば

外為市場に2300億ドルの売り圧力

ヘッジ比率の低い韓国、運用成績に打撃も

「ドル以外の外貨資産も分散を」

写真:Shutterstock
写真:Shutterstock

主要国の機関投資家によるドルのヘッジ比率が、2015年以降で最低水準に落ち込んだ。2026年上半期まではドル高で為替ヘッジ費用が膨らみ、ヘッジをかけない方が運用収益の押し上げにつながっていたためだ。だが足元ではドル安に転じ、為替差損が膨らむ懸念が強まっている。ドル建て資産の売りを誘い、米国債利回りの一段の上昇につながる可能性もある。

世界の機関投資家にとって悩ましい局面になっている。

ブルームバーグ通信が9月3日に日本、カナダ、台湾、豪州、デンマーク、フィンランドの6カ国の年金基金と保険会社を調べたところ、2026年6月末時点で為替ヘッジをかけていたのは外貨資産の41%にとどまった。2020年の56%から大きく低下した。国別では豪州が27%と最も低く、カナダ38%、台湾43%、日本46%、デンマーク49%、フィンランド51%の順だった。ブルームバーグ通信は、ドル資産を大量に保有する海外の機関投資家が、為替変動に相当さらされている状況を示していると報じた。

こうした戦略は、ここ数年の運用成績の押し上げに有利に働いた。資産価格の上昇に加え、ドル高の恩恵も受けられたためだ。もっとも、最近はドル安に転じており、為替ヘッジの必要性は高まっている。主要通貨に対するドルの強さを示す「ブルームバーグ・ドル・スポット指数」は7月1日の101.39から9月3日には99.29へ2.1%下落した。「ウォール・ストリート・ジャーナル・ドル指数」も第3四半期に入って1.9%下げた。

機関投資家が出遅れてドルヘッジを増やせば、ドル安に拍車をかけかねない。ヘッジの過程でドル先物を売るデリバティブ取引が大量に発生するためだ。ブルームバーグ通信は、6カ国の機関投資家が保有するドル資産について、ヘッジ比率を5ポイント引き上げるだけでも2300億ドル(約36兆6000億円)の先物売り契約が必要になると試算した。この負担からドル建て資産を売却したり、新規購入を見送ったりして、ドル安をさらに深める悪循環も警戒される。

ドイツ銀行(Deutsche Bank)の大森祥希チーフストラテジストは「2013年にもヘッジ比率は今と同じくらい低かったが、現在のマクロ経済環境は当時と正反対だ」と語った。そのうえで「日本銀行の追加利上げ、ドル安、保険会社の為替変動の許容度低下が重なり、為替ヘッジを急速に増やさざるを得ない局面にある」と指摘した。一方、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)のエリック・ネルソン為替ストラテジストは、為替ヘッジが短期的にドル安幅を広げる可能性はあるとしつつ、長期的なドル相場は結局、金融政策が左右する公算が大きいと分析した。

韓国でも投資への悪影響が懸念されている。

数年続いたドル高を受け、韓国の機関投資家でもドルのヘッジ比率は足元で低下した。韓国の保険業界は、過去には海外債券などに全額ヘッジをかけていたが、2026年に入って関連比率は大手で80%、中小で50%以下まで下がったとされる。ドル高でヘッジ費用が増えたためだ。

国民年金は4月、海外投資の為替ヘッジ比率を10%から15%へ引き上げる方針を決めた。ただ、なお85%以上は為替変動の影響を受ける。

為替ヘッジの有無は海外投資の収益率に直結する。投資情報プラットフォームのエピックAIによると、株価指数連動型の上場投資信託(ETF)「TIGER米国S&P500」の3カ月収益率は、為替オープン型がマイナス7.44%、為替ヘッジ型が1.23%だった。ヘッジの有無で収益率に8.67ポイントの差が出た。ヘッジ比率が15%のとき、ドル建て資産価格が横ばいでも、ウォンが10%上昇すれば、ウォン建て収益率は約8.5ポイント低下する計算になる。

市場では、地政学的な不確実性が高まるなか、ドルだけに依存せず外貨資産を分散すべきだとの声が強まっている。豪州の資産運用会社QICのスチュアート・シモンズ・マルチアセットソリューション責任者は「外貨資産の70%をドルで保有してリスクに備える戦略が、今後も通用するのか改めて点検する必要がある」と強調した。

オ・セソン記者 sesung@hankyung.com

#為替ヘッジ
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