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【独自】サムスン火災・生命、最大8兆ウォン(約9360億円)投じ英米保険会社を買収へ

出典
Korea Economic Daily

概要

  • サムスン火災とサムスン生命は最大 8兆ウォン を投じ、英国 キャノピアス と米国 PFG の買収を進めており、韓国金融業界で過去最大のクロスボーダー案件を狙う。
  • サムスン火災は ROE 20% 水準の特殊保険会社 キャノピアス を100%買収し、持分法利益の拡大と、世界の特殊保険・再保険市場への進出基盤を築く方針だ。
  • サムスン生命は米退職年金大手 PFG の持ち分 15% を取得して筆頭株主に浮上し、5兆〜6兆ウォン 規模の大型案件を通じて401k市場での競争力と代替投資資産を確保し、収益構造を強化する考えだ。

期間別予測トレンドレポート

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サムスン火災海上保険とサムスン生命保険が、最大8兆ウォン(約9360億円)を投じて英国と米国の保険会社の買収に乗り出す。実現すれば、韓国の金融業界で過去最大のクロスボーダー案件を相次いで塗り替える見通しだ。サムスン電子の配当収入を元手に、サムスンの金融各社が海外の合併・買収(M&A)を本格化させている。

9月2日の保険業界によると、サムスン火災は世界の特殊保険市場で有力な英国キャノピアスの持ち分をほぼ100%まで引き上げるため、米系プライベートエクイティファンド(PEF)のセンターブリッジ・パートナーズが主導するコンソーシアムなど既存大株主と価格交渉を進めている。早ければ9月中にも株式売買契約を結ぶ見通しだ。サムスン火災は2019年、2020年、2025年の3回に分けて1兆2000億ウォン(約1400億円)を投じ、キャノピアスの持ち分40%と取締役会の議席を確保した。残る60%近い持ち分の取得には、経営権プレミアムを含め2兆ウォン台後半から3兆ウォン(約3510億円)程度が必要になるとみられる。キャノピアスはテロや誘拐、美術品の紛失など特殊なリスクを扱う特殊保険分野で世界5位の企業だ。

サムスン生命は、米退職年金大手のプリンシパル・ファイナンシャル・グループ(Principal Financial Group、PFG)の持ち分15%の取得を進めている。既存株主との非公開交渉に入った。最近は買収助言会社の選定に向け、主要な投資銀行(IB)と会計法人に提案依頼書(RFP)を送った。サムスン生命がPFG株15%を確保すれば、保有比率12.08%のバンガード・グループを上回り、筆頭株主になる。PFGは米ナスダック市場の上場企業だ。筆頭株主プレミアムを織り込んだ取得額は5兆〜6兆ウォン(約5850億〜7020億円)に達する見込みだ。

運用資産が1100兆ウォン(約128兆7000億円)にのぼるPFGは、米アイオワ州に本社を置く金融グループだ。米企業の退職年金制度401k市場で「ビッグ3」の一角とされる。

サムスンは今回の買収を通じ、米国と欧州で新たな成長の柱を築く方針だ。サムスン電子株を10%保有するサムスン生命とサムスン火災は、半導体事業の好調を背景とする配当でM&Aの原資を厚くする構えだ。

国内の生命保険、損害保険でそれぞれ首位のサムスン生命とサムスン火災が初の本格的な海外M&Aに踏み切るのは、韓国市場が飽和状態に近づいているためだ。内需産業とみなされてきた韓国の金融業が一段進化し、国際競争力を高める契機になるとの指摘がある。

サムスン火災、「ROE20%」の優良会社を完全子会社化へ

9月2日の投資銀行業界によると、サムスン生命はPFGへの出資を、サムスン火災は英国キャノピアスの買収をそれぞれ進めている。投資額はサムスン生命が5兆〜6兆ウォン(約5850億〜7020億円)、サムスン火災が2兆〜3兆ウォン(約2340億〜3510億円)水準だ。韓国金融業界では過去1位、2位に並ぶ大型案件となる。2件とも成立すれば、これまで金融業界で最大だったDB損害保険による米保険会社フォーテグラの買収案件を上回る公算が大きい。サムスン生命のPFG投資は、全産業ベースでもSKハイニックスのインテルNANDフラッシュ事業買収、サムスン電子のハーマン買収に次ぐ3番目の大型海外M&Aになる見込みだ。

サムスン火災が完全子会社化を目指すキャノピアスは、「ロイズ」と呼ばれる特殊保険市場で5位の企業だ。ロイズは個人引受人や保険会社で構成される保険組合の一種で、加盟企業は世界80カ国でテロ、誘拐、美術品、戦争、身体、公演に関連する賠償保険を販売している。サムスン火災は、キャノピアスを100%保有するフォーチュナ・トップコの持ち分40%を保有する第2株主だ。今回は最大株主であるセンターブリッジ・パートナーズのコンソーシアムから残る持ち分を取得し、完全子会社化するのが狙いだ。

キャノピアスは自己資本利益率(ROE)が20%台の収益力を持つ。サムスン火災はキャノピアスへの出資を通じ、2026年上半期だけで1685億ウォン(約197億円)の持分法利益を上げた。サムスン火災の純利益1兆3723億ウォン(約1606億円)の12.3%に当たる。持ち分比率を90%以上に高めれば、持分法利益は2倍超に増える。世界展開の足場を築く意味合いも大きい。業界関係者は、キャノピアスが持つ英国、米国、オランダ、シンガポールの拠点網を活用し、付加価値の高い特殊保険と再保険市場で新たな成長源を得られるとみている。

サムスン生命、米金融グループの筆頭株主狙う

サムスン生命はPFG株およそ15%の取得を進めている。PFGは米アイオワ州に本社を置く世界的な保険・資産運用グループだ。米国の確定拠出型年金401kで上位3社に数えられ、中小企業向け年金市場で強い支配力を持つ。総運用資産(AUM)は7810億ドル(約125兆円)で、未来アセットグループの784兆ウォン(約91兆7000億円)を上回る。

サムスン生命は、PFGが持つ退職年金の運用力と、不動産・インフラなど代替投資のノウハウを高く評価しているもようだ。北米の商業用不動産やインフラなど、PFGが保有する良質な代替投資資産を韓国国内に取り込むなどの相乗効果を見込む。収益構造の強化にもつながる。サムスン生命がPFGを関連会社に組み入れ、持分法を適用すれば、PFGの業績はサムスン生命の連結財務諸表に持ち分比率に応じて反映される。合弁会社の設立など、多様な戦略提携も進められる。

サムスン生命とサムスン火災は、リスク管理を重視する守りの経営で知られる。M&Aよりも少数持ち分投資による提携を模索する例が多かったためだ。この姿勢の転換の背景として、李在鎔サムスン電子会長の意向が取り沙汰されている。関係者によると、李会長は最近、主要なサムスン系列各社に対し、グローバルM&Aを積極的に試みるよう強調したという。

サムスン金融グループの投資家向け説明会でも、こうした方針がにじむ。サムスン生命のイ・ワンサム最高財務責任者(CFO、副社長)は、4〜6月期決算説明のカンファレンスコールで、アジア市場はもちろん米国のような先進市場でもM&A機会を積極的に探っていると述べた。同社は副社長級の役員が率いるタスクフォースを設け、PFG以外にも複数のグローバルM&A案件を検討している。サムスン火災のク・ヨンミン経営支援室長(CFO)も、世界事業を拡大し、収益源を多様化する計画だと語った。

アン・デギュ/ソ・ヒョンギョ記者 powerzanic@hankyung.com

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