ビットプラネット「採掘業者の収益性悪化、AI・HPCに活路」
概要
- ビットプラネットのリサーチラボは、ビットコイン採掘の収益性悪化を受け、ハッシュプライスと採掘売上高が大きく落ち込んでいると明らかにした。
- 報告書は、マラソン・デジタル・ホールディングスやクリーンスパークなど大手採掘業者が、採掘したビットコインを大幅に売却していると分析した。
- 報告書は、採掘業者がAI・HPCなど収益性の高い事業への転換を模索している一方、高い初期投資が必要だと説明した。
期間別予測トレンドレポート



ビットプラネットのリサーチラボは9月2日、「過去最低のハッシュプライスが変えた2026年の採掘採算」と題する報告書を公表した。
報告書は、ビットコイン採掘の収益性悪化を受け、採掘業界に構造的な圧力が続いていると分析した。採掘収益性を示す代表指標の「ハッシュプライス」は、月間平均の過去最低記録の上位3件がいずれも2026年に出たという。これに伴い、採掘業者の売上高も減少していると指摘した。
月間の採掘売上高は、5月の10億8600万ドル(約1740億円)から6月には8億3641万ドル(約1340億円)へ23%減少した。7月は8億7535万ドル(約1400億円)に持ち直したが、増加分は6月の減少分の約16%を埋めるにとどまった。2026年に入り、8月22日までに実施された17回の採掘難易度調整のうち、10回は引き下げだった。
収益性の悪化を受け、大手採掘業者も対応を急いでいる。報告書によると、世界最大規模の採掘業者であるマラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)は2026年4〜6月期に採掘したビットコインの約91%を売却した。クリーンスパーク(CleanSpark)も7月に採掘したビットコインの相当部分を処分した。
採掘業者は採掘以外の分野にも事業を広げている。報告書は、上場採掘業者が公表したAI・高性能計算(HPC)関連契約の累計額が、2026年1〜3月期時点で700億ドル(約11兆2000億円)を超えたと説明した。採掘収益性の低下を受け、保有する電力や用地をAI・HPCなど、より採算性の高い事業に振り向ける動きが広がっているという。
もっとも、AI・HPC事業への転換が実際の収益改善につながるかはなお見極めが必要だ。採掘インフラの整備には1メガワット(MW)当たり70万〜100万ドル(約1億1200万〜1億6000万円)が必要なのに対し、AIインフラには800万〜1500万ドル(約12億8000万〜24億円)が必要と見積もられているためだ。初期投資の負担は大幅に重くなる。
ビットプラネットは、足元の変化について、採掘業界全体が縮小するというより、事業者ごとの採算性に応じて戦略が分かれていく過程に近いと分析した。低コストの電力と高効率の設備を確保した事業者は採掘を続けられる一方、そうでない設備はAI・HPCなど別用途への転換を選ぶ誘因が強まっているとした。
Uk Jin
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