期間別予測トレンドレポート


3カ月ぶりに8万ドル台を回復
暗号資産の制度整備への期待が支え
9月15日の採決が相場の分かれ目に

ビットコインは8月中旬から上昇基調を強め、3カ月ぶりに1億1000万ウォン台(約1287万円)を回復した。米財務省が国債買い戻しの拡大を打ち出した後、リスク資産選好が強まり、暗号資産市場に資金が流入して上げ幅を広げている。暗号資産の制度整備への期待も投資心理を支える。米上院で審議中の暗号資産市場構造法案「クラリティ法」の可決の行方が、今後のビットコイン相場を左右する主要材料とみられている。
1億ウォン突破、上昇基調続く
9月2日時点で、韓国の暗号資産交換業者アップビット(Upbit)によると、ビットコインの前日終値(午前9時基準)は1億891万ウォン(約1274万円)だった。8月27日に1億1100万ウォン(約1299万円)を付けて以降、1億800万ウォン台を維持している。
ビットコインが1億1000万ウォン台を付けたのは5月26日以来だ。8月23日から8月27日まで5営業日続伸し、1億674万ウォン(約1249万円)から4%上昇した。
戻りの速さも際立った。8月14日に8912万ウォン(約1043万円)まで下げた後、3日後の8月17日に9000万ウォン台を回復し、さらに3日後の8月20日には1億ウォン(約1170万円)に達した。
ドル建てでも回復は鮮明だ。足元のビットコインは7万ドル台後半で推移している。8月中旬から急ピッチで上げ、8月21日には7万3000ドル(約1169万円)を上回った。8月25日には取引時間中に一時8万ドル(約1281万円)を付けた。8万ドルでの取引は5月以来となる。これに先立ち、6万ドル台で推移していたビットコインは7月1日に5万8000ドル(約929万円)台まで下落していた。
上昇基調が鮮明になったきっかけは、8月19日(現地時間)の米財務省による長期国債の買い戻し拡大表明だった。当時、財務省は市場の流動性を支えるため、買い戻し枠を2倍超に引き上げると明らかにした。米長期金利は直後に低下し、ビットコインのようなリスク資産への需要が大きく膨らんだ。国債利回りはその後すぐに持ち直したが、ビットコインへの買いは続いた。市場関係者は、米国の財政不安が強まるなか、ドル安に備える需要もビットコインに向かったと分析する。政府が恣意的に発行量を増やせないビットコインの特性が改めて意識されたためだ。

制度整備への期待が上昇を後押し
暗号資産の制度整備への期待も相場上昇を後押しした。米証券取引委員会(SEC)は、米財務省が国債買い戻し拡大を公表する前日の8月18日、暗号資産に関する規則案を公表した。企業が資金調達の際にトークン発行を活用する基準を盛り込んだ内容だ。
この規則案は、暗号資産の性格を証券と商品に分けるクラリティ法の成立が遅れていることを受けた補完策の色彩が濃い。法案審議が遅れるなかでも、暗号資産関連の制度整備が進んでいることが市場の期待を高めた。
翌8月19日には制度化を巡る議論も勢いづいた。国債買い戻し拡大の報道が伝わった同日、トランプ大統領はホワイトハウスで米暗号資産業界の経営陣と直接会談し、暗号資産市場構造法案であるクラリティ法の早期処理を促した。この法案には、SECと米商品先物取引委員会(CFTC)の監督範囲を分ける内容も盛り込まれている。ホワイトハウスでの会合には、実際に両機関のトップも出席した。
ビットコインが短期的な上昇にとどまらず強基調を保った背景には、急反発を受けた追加の買いもある。米財務省の買い戻し拡大とトランプ大統領の業界会談を受けて相場が上昇すると、下落を見込んで暗号資産を借りて売っていた投資家が相次いで買い戻しに動いた。ショートカバーが上げ幅を押し広げ、相場上昇がさらに買いを呼んだ。
焦点はクラリティ法の採決
相場上昇と歩調を合わせ、市場への資金流入も大きく増えた。ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)によると、米国上場のビットコインETFは8月17日から8月27日まで9営業日連続で純流入を記録した。流入額は合計34億4440万ドル(約5510億円)に達した。1日当たりで最も資金が集まったのは8月20日で、6億630万ドル(約971億円)が流入した。
投資心理も改善している。データ調査会社オルタナティブ(Alternative)が算出する恐怖・強欲指数は8月28日に「強欲」を示す73を付けた。指数は100に近いほど投資家心理の過熱を意味する。8月17日には「恐怖」水準の31にとどまっていたが、5日後の8月22日には72まで跳ね上がった。10日余りの間に市場心理は恐怖から強欲へ急速に傾いた。この指数が70台を付けたのは昨年10月以来だ。当時のビットコインは韓国で1億7000万ウォン台(約1989万円)、海外では12万ドル(約1921万円)台で取引されていた。
今後のビットコイン相場は、9月15日に米上院で採決が予定されるクラリティ法の可決可否に左右される見通しだ。法案が成立すれば、暗号資産取引の基準が明確になり、機関投資家の投資判断にも影響を与える可能性がある。クラリティ法は2025年7月に下院を、2026年5月に上院銀行委員会をそれぞれ通過したが、2026年8月上旬には上院での処理が見送られた。暗号資産業界の関係者は「上昇したビットコイン価格を維持できるかが焦点だ」と述べたうえで、「クラリティ法はビットコインだけでなく、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の価格にも影響する」と語った。
パク・シオン記者 ushire908@hankyung.com
Korea Economic Daily
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