米政府が31社に出資 中間選挙後に政治・法的リスク浮上
概要
- トランプ政権は戦略産業の31社に約40億ドル(約6400億円)を投じ、いわゆる「トランプ・ピック」銘柄が注目を集めていると伝えた。
- 中間選挙で民主党が議会を掌握した場合、政府の持ち分取得過程を巡る議会調査や訴訟など、政治・法的リスクが強まる可能性がある。
- 政府支援への期待を背景に急騰したインテル、MPマテリアルズ、トリロジー・メタルズなどは、選挙後に市場のゆがみや株価変動の拡大に直面する可能性がある。
期間別予測トレンドレポート



ドナルド・トランプ米大統領が戦略産業の企業株を相次いで取得し、いわゆる「トランプ・ピック」銘柄が市場の注目を集めてきた。もっとも、11月の中間選挙の結果次第では、関連企業の政治・法的な負担が強まるとの警戒が浮上している。
ブルームバーグが8月31日に報じたところによると、トランプ政権が出資する企業は現在31社に増えた。2025年12月以降、半導体や重要鉱物、鉄鋼など戦略産業の企業の持ち分取得に投じた資金は約40億ドル(約6400億円)にのぼる。
政府が持ち分を取得した企業では、発表直後に株価が大きく上がる例が相次いだ。インテル(Intel)は政府による出資観測が伝わって以降の1年間で株価が300%超上昇した。MPマテリアルズ(MP Materials)やトリロジー・メタルズ(Trilogy Metals)も関連発表の直後に急騰した。市場では、政府が特定企業の成長を後押しするとの期待が株価に織り込まれたと受け止められている。
一方、中間選挙で民主党が下院を握れば、政府による企業持ち分取得の過程を巡る議会調査が本格化する可能性がある。民主党が上下両院のうち一方だけでも確保すれば、公聴会を開いて企業経営陣を証人として招致し、持ち分取得の経緯や法的根拠をただすことができる。
法的紛争はすでに始まっている。3月にはインテルの一部株主が、米政府による持ち分取得の無効化を求め、インテル取締役会や米商務省などを相手取って提訴した。半導体支援法が上場企業の持ち分取得を認める根拠を明示していない点を問題視したためだ。
インテル訴訟の結果次第では、同法を根拠に政府が持ち分を取得したIBMやグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)にも論争が広がる可能性がある。
市場のゆがみを懸念する声も出ている。トランプ政権の手法は、金融危機や戦争などの非常時に経営不振企業を救済するため一時的に株式を保有した過去の事例とは異なる。戦略産業で競争力があると判断した企業を政府が直接選び、投資する形だからだ。
政府支援の有無によって特定企業に資金が集中したり、支援対象から外れた競合企業の資金調達環境が相対的に悪化したりするとの指摘もある。政府が出資した企業の経営判断が、株主や顧客よりも政界の利害に強く左右されるおそれもある。
専門家は、こうした構図が長期的に市場競争と株主価値を損なうと指摘する。とりわけ中間選挙後に政治地図が変われば、これまで政府支援への期待を背景に上昇してきた銘柄は、一段の変動にさらされる可能性がある。
Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.