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チェイナリシス、米ICEを提訴 TRMラブスへの9500万ドル契約は不当と主張

出典
Suehyeon Lee

概要

  • チェイナリシスは、米ICEが競合のTRMラブスに約9500万ドル規模のブロックチェーン分析契約を随意契約で発注したのは不公正だとして提訴した。
  • チェイナリシスは、ICEの評価基準が情報提供依頼書(RFI)と最終必要条件で食い違っており、AIを活用した調査プラットフォームや大規模な詐欺被害者データベース、ビーコン・ネットワークなどの条件がTRMラブスに有利に設計されていたと主張した。
  • チェイナリシスは、TRMラブスとの随意契約を違法と判断し、契約履行を恒久的に停止したうえで、事業を公開競争入札でやり直すよう求めている。TRMラブスは契約を守るため訴訟に参加した。

期間別予測トレンドレポート

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写真:Shutterstock
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ブロックチェーン分析会社のチェイナリシス(Chainalysis)が米移民・関税執行局(ICE)を提訴した。競合のTRMラブスに約9500万ドルのブロックチェーン分析契約を随意契約で発注したのは不当だと訴えている。

ザ・ブロックが8月30日に報じた。チェイナリシスの米政府向け事業子会社チェイナリシス・ガバメント・ソリューションズ(CGS)は米連邦請求裁判所に提出した訴状で、ICEがTRMラブスと9466万ドル(約151億円)のフォレンジックソフトウエアと支援サービスの契約を随意契約で結ぶ過程で、不公正な評価基準を適用したと主張した。契約期間は7月1日から2027年6月30日までとしている。

争点は、ICEが競合各社に示した要件と、実際の事業者選定で使った評価基準が異なっていた点にある。ICEは5月28日に市場調査向けの情報提供依頼書(RFI)を通じ、100万件超の金融詐欺被害データベースの保有有無や、人工知能(AI)を活用した調査プラットフォーム、暗号資産サービス事業者(VASP)への不審資金移動を自動通知する機能、ステーブルコイン発行体と連携した違法資産の凍結体制などを確認した。

その後、ICEは6月8日にTRMラブスとの随意契約を進める方針を示す一方、他社にも参加の機会を設けた。ただ、この時点で示した最終必要条件(Statement of Need)は、詐欺、サイバー犯罪、セクストーション対応の3分野を軸にした内容だった。先のRFIに盛り込まれていた詳細条件の相当部分は含まれていなかった。各社には3日以内に1ページの能力説明書の提出を求め、実際に資料を出したのはチェイナリシスだけだったという。

チェイナリシスは、それにもかかわらずICEが最終評価で公表していないRFIの詳細基準を改めて用いたと訴えている。ICEはチェイナリシスについて、リアルタイムの自動犯罪遮断機能やオンチェーンとオフチェーン情報の統合、大規模な被害者の特定・通知能力が不足していると判断した。ただ、こうした条件の一部は競合各社に示した最終必要条件に明記されていなかったとしている。

チェイナリシスはさらに、ICEがTRMラブスの「固有能力」として評価した大規模な詐欺被害者データベースやAIを活用した調査プラットフォーム、ビーコン・ネットワーク(Beacon Network)を通じた自動資産凍結機能、ステーブルコイン発行体との協力体制は、TRMの既存製品と事業構造に合わせた条件だったと主張した。一方、ICE自身の調査でも、両社はともにAIを活用した調査プラットフォームと法執行機関向け支援の実績を持つと評価されていたと指摘している。

評価手続きそのものにも異議を唱えた。チェイナリシスは6月11日に1ページの資料を提出したが、ICEは翌6月12日、TRMラブスだけが運用・技術・データのすべての要件を満たせると結論付けた。この過程でICEはチェイナリシス側に追加説明や補足資料を求めなかったという。

チェイナリシスは7月12日に米政府会計検査院(GAO)へ契約決定に対する異議を申し立てたが、7月21日にこれを取り下げ、争いの場を米連邦請求裁判所に移した。訴訟では、TRMラブスとの随意契約を違法と判断し、契約履行を恒久的に停止したうえで、当該事業を公開競争入札でやり直すよう命じることを求めている。

TRMラブスは契約を守るため訴訟に参加した。裁判所はまだチェイナリシスの主張について本案の判断を示していない。口頭弁論は9月2日に予定されている。

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Suehyeon Lee

Suehyeon Lee

shlee@bloomingbit.ioI'm reporter Suehyeon Lee, your Web3 Moderator.

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