ニュートラル、準備資産に流動性問題 NUSDの早期償還へ
期間別予測トレンドレポート



分散型金融(DeFi)プロトコルのニュートラル(Neutral)は、準備資産として運用していた投資ポジションで流動性問題が発生したと明らかにした。現在すぐに使える流動資産は約2700万ドル(約43億円)にとどまり、残る資産の回収額と時期は見通せていない。
ニュートラルは8月28日、公式Xで「運用戦略に含まれる一部ポジションで問題が発生し、準備資産の一部の流動性に影響を与えている」と説明した。法的助言を踏まえ、関連するスマートコントラクトは停止したという。8月13日からは、合成ドルNUSDの発行や償還など主要機能を停止している。
今回の事態について、ニュートラルはスマートコントラクト攻撃やハッキング、コードの脆弱性が原因ではないと強調した。一方、問題が生じた投資資産や取引相手、損失の有無は明らかにしていない。流動化できていないポジションと関連損益は引き続き保有しているが、回収可能な金額と時期は確定できないとしている。
ニュートラルは、利用者が預けたステーブルコインなどを市場中立型戦略や店頭取引(OTC)、裁定取引で運用し、収益を生むプロトコルだ。利用者は預けた資産をもとに、ドル連動型のNUSDを発行できる。NUSDを預けて運用収益を受け取る商品がsNUSDとなる。
事態発生前に公表していた準備資産の内容との差も大きい。ニュートラルは8月5日、6035万ドル(約97億円)の準備資産で5840万ドル(約93億円)相当のNUSDを裏付けていると明らかにしていた。当時の準備資産比率は103.18%だった。準備資産には3560万ドル(約57億円)のステーブルコイン、990万ドル(約16億円)のOTCポジション、流動性供給資産などが含まれていた。
これに対し、ニュートラルが現在すぐに使えるとする流動資産は2700万ドルにとどまる。DeFiLlamaが集計したNUSDの時価総額約5330万ドル(約85億円)の半分程度にすぎない。流動化できていないポジションを含む資産全体の価値が負債を賄えるかどうかは確認されていない。ニュートラルは、残るポジションの整理と資産回収にはかなりの時間がかかると説明した。
ニュートラルは、NUSDとsNUSDの保有者を対象に早期償還の手続きを整備する方針だ。新たな償還用スマートコントラクトを配備した後、外部のセキュリティー監査と法務・財務面の検証を経て、9月初めの償還開始を目指す。ただ、回収可能な資産額が固まっていないため、償還比率や支払い方法、日程は変わる可能性がある。詳細な条件は償還開始前に公表する予定だ。
Doohyun Hwang
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