概要
- 韓国の主要な暗号資産取引所4社は上半期に約5000億ウォンの損失を計上し、取引量の減少とコイン価格の下落が業績を押し下げた。
- ドゥナムは総包括損益で3623億ウォンの損失を計上し、ビッサムは1087億ウォンの純損失に転落した。売上高と営業利益も大きく落ち込んだ。
- 最近はビットコイン価格の反発と取引代金の回復が進み、主要取引所の取引手数料ゼロ競争も広がっている。下半期の業績改善への期待が出ている。
期間別予測トレンドレポート


韓国の主要な暗号資産取引所4社が2026年上半期に計5000億ウォン(約575億円)規模の損失を計上した。暗号資産取引の低迷で手数料収入が急減したうえ、保有する暗号資産の価格下落も重荷となった。足元では暗号資産相場が持ち直しており、下半期に業績が改善するかどうかに関心が集まっている。

8月27日の暗号資産業界の集計によると、アップビット運営会社のドゥナム(Dunamu)の2026年上半期の連結当期純利益は1084億ウォン(約125億円)だった。ただ、その他の包括利益で4707億ウォン(約541億円)の損失が発生し、当期純利益とその他の包括利益を合算した総包括損益は3623億ウォンの損失(約417億円)となった。
保有する暗号資産の値下がりが響いた。ドゥナムの保有暗号資産の帳簿価額は2025年末の2兆3326億ウォン(約2683億円)から2026年6月末には1兆6400億ウォン(約1886億円)に減少した。減少額は約6900億ウォン(約794億円)にのぼる。この過程で上半期に6878億ウォン(約791億円)の再評価減が発生した。
ドゥナムは韓国採択国際会計基準(K-IFRS)を適用し、保有する暗号資産を無形資産に分類している。このため、保有暗号資産の価値下落分がすべて当期損失として計上されるわけではない。過去の価格上昇で資本に積み上がった再評価益がある場合、下落分の相当額は再評価剰余金を減らす形で反映される。上半期の再評価剰余金は4872億ウォン(約560億円)減少した。
ビッサム(Bithumb)は上半期に1087億ウォン(約125億円)の純損失を計上し、赤字に転落した。売上高は1688億ウォン(約194億円)と前年同期比48.7%減った。営業利益も83.4%減の149億ウォン(約17億円)にとどまった。暗号資産の処分損734億ウォン(約84億円)と評価損72億ウォン(約8億円)など営業外費用が膨らみ、前年上半期に550億ウォン(約63億円)あった純利益は大幅な損失に転じた。
コインワン(Coinone)も上半期に約200億ウォン(約23億円)の損失を出したもようだ。デジタルエックス(Digital X、旧コービット)も100億ウォン台の損失を計上したとされる。ドゥナムの総包括損失にビッサム、コインワン、コービットの損失を単純合算すると、5000億ウォン(約575億円)規模になる。

取引所ごとの損益を単純には比較しにくい。会計処理の方式が異なるためだ。ドゥナムはK-IFRSを適用する一方、ビッサム、コインワン、コービットは一般企業会計基準(K-GAAP)を採用している。暗号資産を無形資産とみなすドゥナムと、棚卸資産などとして処理する他の取引所では、価格変動に伴う評価損益の表れ方が異なる。
ただ、純利益だけでは見えにくい資産価値の下落まで踏まえると、ドゥナムも上半期に大きな損失を被ったというのが業界の見方だ。暗号資産業界の関係者は「取引所は取引手数料への依存度が高いうえ、自社で保有する暗号資産も少なくない」と指摘した。そのうえで「取引量の減少とコイン価格の下落が重なり、収益性と資産価値が同時に打撃を受けた」と語った。
最近は暗号資産価格が反発しており、下半期には地合いが変わるとの期待もある。ビットコインは足元で1億1000万ウォン前後(約1265万円)まで持ち直し、取引代金も徐々に回復している。取引所間では「手数料ゼロ」の競争も広がる。未来アセットグループ傘下に入ったデジタルエックスは8月24日から、コービットのウォン市場の全銘柄について1年間、取引手数料を無料にするとした。コインワンも8月26日から全銘柄の取引手数料を無料に切り替えた。
チョ・ミヒョン記者 mwise@hankyung.com
Korea Economic Daily
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