ビットコイン、8万ドル回復後に一服 10万ドル再試しはあるか
概要
- ビットコインがこの1週間で22.81%急騰し、8万ドルを回復した背景には、米財務省による長期国債の買い戻し拡大、ドル安、暗号資産規制の緩和期待が重なったことがある。
- 米国のビットコイン現物ETFには7営業日連続で合計約24億6872万ドルが純流入し、このうちブラックロックのIBITが90%超を占め、追加上昇の重要な変数になっている。
- 専門家は、短期的には7万4000〜8万1000ドルのボックス圏で調整を挟んだ後、8万3000ドルを安定的に上回れば、10万ドルの再試しが視野に入る局面だとみている。
期間別予測トレンドレポート


米国債買い戻し拡大や規制緩和期待で資金流入
現物ETFは7営業日連続で純流入
8万ドルの節目で一服、「次の調整局面が試金石」

暗号資産ビットコインは約3カ月ぶりに8万ドルを回復した後、足元では上昇が一服している。米財務省による長期国債の買い戻し拡大方針に、ドル安と暗号資産規制の緩和期待が重なり、この1週間で22%超上昇した。専門家は短期的な調整の可能性を見込みつつ、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入が一段高の鍵を握るとみている。
米国債買い戻し拡大や規制緩和期待で資金流入
コインマーケットキャップによると、ビットコインは8月26日午後3時55分時点で7万8915.27ドル(約1260万円)で取引された。前日比では1.97%安だったが、1週間前と比べると22.81%高い水準にある。
8月25日の取引時間中には8万1237.94ドルまで上昇し、5月中旬以来の高値を付けた。足元では7万9000ドル前後で推移し、短期急騰後の持ち高調整局面に入っている。
今回の上昇の発端は、米財務省が示した長期国債の買い戻し拡大方針だ。財務省は9月9日から、10〜20年債と20〜30年債の1回当たりの買い戻し規模を、従来の最大20億ドル(約3190億円)から最低40億ドル(約6370億円)に引き上げる。長期国債の需給を安定させ、金利上昇圧力を和らげる狙いがある。
未来アセット証券のソ・サンヨン研究員は、米財務省による長期国債のバイバック(買い戻し)拡大が国債利回りとドルの下落を促し、通貨価値の目減りを避ける需要を呼び込んだ結果、ビットコインが8万ドルを超えたと説明した。一方で、1週間で20%超上昇した反動から利益確定売りが出て、上げ幅を縮小したと付け加えた。
市場はこれを、米国の財政負担の拡大を映すシグナルとしても受け止めた。政府債務の増加でドルの価値が下がるとの懸念が強まり、金やビットコインといった代替資産に資金が向かっている。
米国の暗号資産規制を巡る環境が従来より明確になるとの期待も、買いを後押しした。米証券取引委員会(SEC)は8月18日、暗号資産の発行や資金調達に適用する「暗号資産規則」の制定案を公表した。
制定案には、一定の要件を満たした暗号資産事業者が証券登録なしで資金調達できるようにする内容や、暗号資産が投資契約の枠組みから外れるための手続きを整える内容が盛り込まれた。なお、60日間の意見募集を経る提案段階ではあるが、事業者は証券法の適用有無や必要な手続きを従来より把握しやすくなったと受け止められている。
キウム証券のシム・スビン研究員は、クラリティ法の立法が遅れるなか、SECが米国内のブロックチェーン事業を巡る規制の空白を一部補っていると指摘した。従来より規制の不確実性が和らいだことで、米国内のブロックチェーン関連事業は継続して進むとの見通しを示した。
クラリティ法は、暗号資産の規制枠組みと監督機関の役割を明確にすることを柱とする。ただ、米議会では与野党の隔たりが埋まっておらず、立法は遅れている。
8万ドルの節目で一服、「次の調整局面が試金石」
現物ETFを通じた資金流入も続いている。暗号資産情報会社ソソバリューによると、米国のビットコイン現物ETFには8月25日に3億1437万ドル(約501億円)が純流入した。7営業日連続の純流入で、この間の累計は約24億6872万ドル(約3930億円)に達した。
金融情報会社ファーサイド・インベスターズによると、同日にはブラックロック(BlackRock)のiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)に2億8440万ドル(約453億円)が流入し、全体の純流入額の90%超を占めた。続いて、フィデリティ(Fidelity)のFBTCに1540万ドル(約25億円)、グレースケール(Grayscale)のBTCに700万ドル(約11億円)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のMSBTに450万ドル(約7億2000万円)、ビットワイズ(Bitwise)のBITBに300万ドル(約4億8000万円)が純流入した。残る商品では純流出入はなかった。
専門家は、短期間で急騰したビットコインが一段高の前に調整を挟む可能性があるとみる。
ビットゲット・リサーチのライアン・リー首席アナリストは、機関投資家の買いを含む現物需要が、ショートポジションの清算で生じた買い需要を引き継ぐ必要があると語った。現物ビットコインETFへの資金流入が続けば、追加上昇の可能性が強まるとみている。
リー氏は、ビットコインが短期的に7万4000〜8万1000ドルのレンジで推移すると予想した。足元の急騰を受けた利益確定で、7万5000〜7万6000ドルまで押し戻されるのは自然な流れだと説明した。一方、8万ドルに定着すれば、8万2000〜8万7000ドルまで上昇する可能性があると分析した。
ハッシュデックスのサミール・ケルバジ最高投資責任者(CIO)は、8万〜9万ドルの価格帯では過去の売買高が非常に少なく、相場がどちらの方向にも速く動きやすいと指摘した。7万5000〜8万3000ドルの範囲で値固めが進めば、上昇基盤の形成に役立つとの認識も示した。そのうえで、8万3000ドルを安定的に上回れば、10万ドルを再び試す可能性が開けると述べた。
キム・ヨンジ 韓経ドットコム記者 kongzi@hankyung.com
Korea Economic Daily
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