米財務省、量子対応の官民TF発足 デジタル資産の安全性も点検
概要
- 米財務省は、量子コンピューターが金融システムの既存の暗号技術を無力化する可能性に備え、官民合同のタスクフォースを発足させたと発表した。
- タスクフォースは、金融業界の耐量子計算機暗号(PQC)への移行、外部技術ベンダーと供給網の対応準備、デジタル資産や新技術のリスクを中心に運営する。
- 米財務省は、重要な金融システムの依存関係を把握し、暗号技術の切り替え能力と運用安定性を高めるとともに、デジタル資産で生じうる量子コンピューター関連リスクもあわせて点検する方針だ。
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米財務省は、将来の量子コンピューターが金融システムで使う既存の暗号技術を無力化する可能性に備え、官民合同のタスクフォースを立ち上げた。金融機関や決済システムに加え、デジタル資産を巡る安全性リスクも主要な点検対象に含めた。
米財務省は8月25日、ドナルド・トランプ大統領の大統領令14412号に基づき、「量子対応タスクフォース(Quantum-Readiness Task Force)」を発足させたと発表した。米金融業界が量子コンピューターによる攻撃にも耐えられる暗号技術へ移行できるよう、政府と民間が共同の対応体制を整える。
スコット・ベッセント米財務長官は「米国は経済を動かす技術を安全に守る取り組みで先頭に立たなければならない」と述べた。そのうえで、新技術が世界の経済環境を変えるなかでも、米金融システムの強さと安全性、競争力の維持を支える枠組みになると強調した。
タスクフォースは、金融業界の耐量子計算機暗号(PQC)への移行、外部技術ベンダーと供給網の対応準備、デジタル資産や新技術のリスクという3分野を軸に運営する。政府に加え、金融機関や金融市場インフラ事業者、技術企業も参加する。
量子コンピューターは、特定の演算を従来型コンピューターよりはるかに速く処理できる。このため長期的には、現在の金融システムで使う一部の暗号技術を無力化する可能性がある。米財務省は、金融データや決済システム、デジタルID、市場インフラを守るため、量子コンピューターにも耐えられる暗号体系への移行が必要だと説明した。
米財務省で金融機関担当のルーク・ペティット次官補は、量子コンピューティングは大きな可能性を持つ一方、米金融システムを支える暗号技術にとって深刻な長期課題でもあると指摘した。政府と業界が連携し、量子コンピューターに安全な金融システムへの移行を主導する考えも示した。
米財務省は今後、重要な金融システムの依存関係を把握し、暗号技術を迅速に置き換える能力やシステム間の互換性、運用の安定性を高める方針だ。外部技術ベンダーへの依存や、デジタル資産で生じうる量子コンピューター関連リスクもあわせて点検する。
Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.