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米財務省が長期金利低下を誘導、ウォール街は市場介入の逆風警戒

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米財務省は、長期国債のバイバックTGA資金の活用を通じて、長期金利の低下を促していると明らかにした。
  • 市場では、財務省によるバイバック拡大異例の措置が、国債金利リスクプレミアム、政策の信認予見可能性を損なう恐れがあるとみている。
  • Fedの政策金利引き上げを巡る議論と、財務省の長期金利抑制がちぐはぐになるなか、ジャクソンホール会議に関心が集まっている。

期間別予測トレンドレポート

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写真:Shutterstock
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米国の金利政策を巡る従来の構図が揺らいでいる。米連邦準備理事会(Fed)が政策金利の誘導目標を定め、市場が長期金利を決めるという役割分担だ。ホワイトハウスの圧力や意思疎通の縮小、インフレ対応を巡る論争の余波でFedの動ける余地が狭まるなか、米財務省が国債の年限構成や需給を調整して長期金利の低下を促しているためだ。市場では「財務省版の量的緩和(QE)」を警戒する見方が強い。

米CNBCは8月24日、米財務省が一般会計口座(TGA)にある約9400億ドル(約150兆円)の資金を長期国債のバイバック(買い戻し)に使う案を検討していると報じた。買い戻しの規模が膨らめば、市中に流通する長期国債が減り、価格上昇を通じて利回りが低下する可能性がある。

米財務省は8月20日、長期国債利回りが19年ぶりの高水準まで上昇した後、バイバックの規模を従来の20億ドル(約320億円)から少なくとも40億ドル(約640億円)に増やすと明らかにした。これに続き、スコット・ベッセント財務長官が国債を売る投資家をけん制する発言をし、8月24日にはTGA活用の検討も伝わった。市場では、Fedに代わって財務省が金利対策に乗り出したとの受け止めが広がった。

政策効果を巡っては期待より懸念が大きい。米長期金利の上昇は、膨らむ政府債務と財政赤字を背景にリスクプレミアムが拡大したことが主因だ。このため市場関係者の間では、財務省は短期的な対応で市場を威嚇しているにすぎないとの見方が多い。シティグループは8月24日、「バイバックを実施しても、赤字を埋めるには結局国債を発行しなければならない」と指摘した。

異例の措置が続けば、政策への信認と予見可能性が低下しかねない。市場参加者が国債発行額の想定外の変動を織り込み、長期国債の購入により高いプレミアムを求める公算が大きい。デュケイン・ファミリー・オフィスのスタンリー・ドラッケンミラー会長は「金利を人為的に抑え込むことは、むしろリスクを高める」と述べ、「ファンダメンタルズに逆らって価格を守ろうとする政府は、常に敗れる」と強調した。

Fedとの足並みの乱れも市場の懸念材料だ。Fed内部では、物価を抑えるため政策金利を引き上げるべきだとの声が強まっている。その局面で財務省が長期金利を押し下げるのは通常の対応ではない。8月27日から8月29日にワイオミング州ジャクソンホールで開くFedの年次シンポジウム「ジャクソンホール会議」に関心が集まっている。

ニューヨーク=ファン・ジョンス特派員 hjs@hankyung.com

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