米、イラン孤立へ「経済的排除作戦」発動 中国が制裁の障害に
概要
- 米国は、イランと 暗号資産、技術、金、航空、海運 を取引する国を対象に二次制裁を科す「経済的排除作戦」を始動したと明らかにした。
- 米財務省は、世界で 60を超える団体・個人・船舶 を新たな制裁対象に指定し、イランと関係する 主要金融会社 に対する重大な制裁も予告したと伝えた。
- 中国がイラン産 石油の約90% を購入するなか、中国など大国への二次制裁は報復リスクのため執行が難しいとの懐疑論が出ていると報じた。
期間別予測トレンドレポート



米政権は、イランと取引する第三国に二次制裁を科すなど、大規模な経済圧力に乗り出した。イランは米国の強力な制裁にも引き下がらない構えで、両国の対立は当面続く公算が大きい。
スコット・ベッセント米財務長官は8月24日(現地時間)、「イランを支えるあらゆる選択肢を断つため、『経済的排除作戦(Operation Economic Outcast)』を始める」と表明した。あわせて「イラン政権といかなる形であれ経済関係を結ぶ国は、米国の強力な制裁に直面する」と強調した。過去およそ6カ月に及ぶ軍事作戦でもイランが屈しなかったため、経済的な締め付けで息の根を止める戦略に軸足を移した。
今回の制裁の柱は、暗号資産、技術、金、航空、海運の5分野でイランと取引する国に二次制裁を科す点だ。米国は、イラン政権が制裁を回避しながら、これら5分野で収益を上げているとみる。ベッセント長官は、イランが石油の密輸や制裁逃れに使ってきた「あらゆるつながり、協力者、ネットワークを特定した」と説明した。
米財務省は、世界の60を超える団体や個人、船舶も新たな制裁対象に指定した。米政府によると、これらはイラン政権の核・ミサイル技術の取得やサイバー作戦の遂行、石油収入の確保を支援した。アラブ首長国連邦(UAE)、香港、中国、シンガポール、スイス、欧州にまたがる仲介業者ネットワークや、「影の船団」に属する船舶も対象に含めた。
ベッセント長官は、イランとの経済関係を断たない国は二次制裁の対象になると明言した。「ドナルド・トランプ米大統領は各国首脳に電話し、イランとの交流をやめるよう求めている」と語ったうえで、「イランの資金洗浄を助けるあらゆる機関はドル体制から排除される」と警告した。財務省は週末までに、イランと関係する主要金融会社を巡る重大な制裁を発表すると予告した。
イランは強く反発した。タイムズ・オブ・イスラエルによると、アリ・マダニザデ・イラン経済財政相は「われわれはこうした制裁に備え、2年間の経済計画を用意してきた」と述べた。これに先立ち、モフセン・レザイ安全保障担当者は「イラン周辺国が米国の経済戦争に加われば、ペルシャ湾とホルムズ海峡から石油は一滴たりとも出ていかなくなる」と警告していた。
米国内でも、今回の措置の実効性には懐疑的な見方がある。中国などの大国に二次制裁を強行するのは難しいためだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ベッセント長官が今回の発言で、イラン最大の貿易相手国である中国に言及しなかったと伝えた。中国のような国の外国企業に制裁を科せば、報復のリスクを負うことになるとも報じた。中国はイラン産石油の約90%を購入している。
既存の制裁と大きく変わらないとの指摘もある。ハサン・アマディアン・テヘラン大教授はガーディアンに対し、「イランは2018年から制裁を受けてきた」と指摘した。経済制裁は、米国が軍事的に失敗した事実を公に認め、原点に戻るにすぎないと分析した。
両国の対立とは別に、終戦協定に向けた交渉は続いているようだ。8月24日(現地時間)にテヘランでイラン指導部と会談したモーシン・ナクビ・パキスタン内相は、SNSに「今回の会談では重大な進展があった」と投稿した。
ハン・ミョンヒョン 韓経ドットコム(Hankyung.com)記者 wise@hankyung.com
Korea Economic Daily
hankyung@bloomingbit.ioThe Korea Economic Daily Global is a digital media where latest news on Korean companies, industries, and financial markets.