「債券市場に思い知らされた」米財務長官の処方箋、2日持たず
期間別予測トレンドレポート


米財務省が国債買い入れの拡大に動いても、急騰する米国債利回りを押し下げる効果は2日と続かなかった。米政府債務が40兆ドル(約6355兆円)を超えるなか、小手先の対応だけでは債券市場の不安を抑え込めないとの見方が強まっている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が8月22日に伝えたところによると、米財務省が国債買い入れの拡大方針を公表した後、米国債の売りは一時鈍った。だが金利はほどなく再び上昇した。WSJは「スコット・ベッセントが債券市場に教育された波乱の1週間だった」と評した。
米30年物国債利回りは8月17日に5.31%まで上昇した。2007年6月以来の高水準だ。国債利回りの上昇は、国債価格の下落を意味する。
米財務省は8月19日、長期国債の買い入れ規模を少なくとも2倍に増やすと発表した。既発長期債の買い入れ額を従来の20億ドル(約3180億円)から最低40億ドル(約6360億円)に引き上げる内容だ。市場金利の上昇を抑え、経済全体の借り入れコストを下げる狙いと受け止められた。
発表直後は一定の効果が出た。長期金利の上昇に賭けていた一部投資家が持ち高を急いで解消し、国債利回りは一時低下した。
ただ、懐疑論はすぐに広がった。財務省の発表当日に、米連邦政府の総債務が初めて40兆ドルを超えたことが伝わったためだ。投資家は、買い入れ拡大は抜本策ではなく、短期的な対症療法にとどまると受け止めた。
トレードウェブのデータによると、米10年物国債利回りは8月21日に4.737%で取引を終えた。1週間前の4.695%を上回り、財務省の措置前の水準を再び超えた。
ドルへの不安も強まった。投資家は、いわゆる「通貨価値下落取引」に動き、ドルを売って金や暗号資産を買った。WSJドル指数は1週間で0.7%下落し、ビットコインは22%急騰した。
市場では、財務省が国債買い入れ拡大の原資を確保するため、短期国債の発行を増やす可能性があるとの観測も出ている。長期金利を抑えようとして、短期債の負担を膨らませることになりかねないという指摘だ。
米国の財政負担はすでに大きく膨らんでいる。議会予算局(CBO)によると、米政府の利払い費は年間1兆ドル(約158兆9000億円)に達する。2010年の5倍を超える水準だ。
ワシントン・ポスト(WP)は、ここ数年の最大の借り手は民間ではなく各国政府だったと指摘した。2008年の金融危機後に景気回復へ向けて借り入れを増やし、2020年の新型コロナウイルス禍でも再び借り入れを拡大した結果だ。
債券市場の不安を鎮めるには、米国の財政赤字を減らす信頼できる措置が欠かせない。ベッセント長官は8月20日にCNBCで、トランプ政権が財政健全化に軸足を置いた発表を準備しており、歳入と歳出の双方で見直しを検討していると語った。
もっとも、実行できるかは不透明だ。独立系の専門家は、財政健全化には増税に加え、社会保障やメディケアなど歳出削減の議論が避けられないとみる。11月の中間選挙を控え、政治的に打ち出しにくい選択肢でもある。
イ・ソンニョル 韓経ドットコム記者 yisr0203@hankyung.com
Korea Economic Daily
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