期間別予測トレンドレポート


今月末の取締役会で決議
過去最大級の特別配当を含む

サムスン電子は今月、150兆ウォン(約17兆1000億円)前後の株主還元策を打ち出す。韓国の上場企業として過去最大の規模となる見通しだ。
8月20日に業界関係者が明らかにしたところによると、サムスン電子は今月、取締役会を開き、自社株買いと特別配当を柱とする株主還元案を決議する予定だ。今年の還元規模は150兆ウォン前後とされる。当初は最大200兆ウォン(約22兆8000億円)に達するとの観測もあったが、余剰現金流量(FCF)の50%を株主に還元する原則に沿って確定する見込みだ。会社幹部は「メモリー半導体市況の回復で現金創出力が大きく改善しただけに、投資家が実感できる最善の案を公表する」と語った。
市場では、サムスン電子の還元策に大規模な特別配当が盛り込まれるとの見方が強い。自社株買いと消却に軸足を置くSKハイニックスとは対照的だ。SKハイニックスは8月19日、株価浮揚を目的に40兆ウォン(約4兆5600億円)規模の自社株買い・消却計画を発表した。サムスン電子は今年、30兆ウォン(約3兆4200億円)を超える従業員向け特別成果給の支給に伴う自社株買い計画も公表するという。証券業界関係者は「SKハイニックスに続きサムスン電子まで破格の株主還元に乗り出せば、韓国株のバリューアップを後押しする強力な材料になる」との見方を示した。

自社株買い・特別配当で株主価値向上へ総力戦
メモリー好況で余剰現金流量が最大、還元基準の大幅強化観測も
サムスン電子は今年、150兆ウォン(約17兆1000億円)前後に達する過去最大級の株主還元に踏み切る。原動力はメモリー半導体のスーパーサイクルによる圧倒的な現金創出力だ。サムスン電子の2026年の営業利益は380兆ウォン(約43兆4000億円)に達すると予想されており、創業以来最大水準の余剰現金流量を記録する見通しだ。証券業界は年間FCFが263兆ウォン(約30兆円)に達すると試算している。
今回の株主還元策の柱として有力視されているのが大規模な特別配当だ。証券業界の推定値である2026年のFCF263兆ウォンを織り込むと、現行の3カ年計画(2024〜2026年)の累積FCFは319兆ウォン(約36兆4000億円)前後となる。サムスン電子が掲げるFCFの50%還元原則に基づく総還元原資は約160兆ウォン(約18兆3000億円)で、既に執行済みまたは執行予定の39兆1000億ウォン(約4兆4600億円)を差し引いても、残る原資は120兆ウォン(約13兆7000億円)近くに上る。市場では、年間1株当たり1668ウォン(約190円)の通常配当に加え、残余原資の相当部分を一時的な特別配当として株主に還元するとみている。
大規模な自社株買いも並行して実施する見込みだ。2026年の労使交渉の結果に応じて支給される30兆ウォン(約3兆4200億円)超の従業員向け特別成果給が、市場での流通株式の増加圧力として作用するのを防ぐ狙いがある。サムスン電子は成果給の支給時期に合わせて自社株を買い入れる方針だ。
サムスン電子が株主還元の基準そのものを大幅に強化するとの観測も出ている。競合のSKハイニックスが8月19日、従来の累積FCFの「50%の範囲内」から「50%以上」へと還元基準を引き上げたためだ。サムスン電子も現行の「FCF50%」ガイドラインを50%以上に引き上げるか、最低還元基準を上げるなど、踏み込んだ方針を打ち出す可能性が大きい。
証券業界では、韓国半導体大手2社であるサムスン電子とSKハイニックスの2026年の年間株主還元額が最大250兆ウォン(約28兆5000億円)に達するとみている。SKハイニックスは8月19日、40兆ウォン(約4兆5600億円)規模の自社株買い・消却案を発表した。第3四半期決算発表時に追加の還元策が示されれば、SKハイニックスの年間還元額は100兆ウォン(約11兆4000億円)に達するとの見方を市場関係者は示している。
業界関係者は「半導体スーパーサイクルで得た成果を株主と積極的に共有する意思が反映された結果だ」と述べた。そのうえで「圧倒的な現金創出力に支えられた大規模な株主還元は、企業価値の向上に加え、韓国株式市場全体にも強い追い風になる」と強調した。
キム・チェヨン/ウォン・ジョンファン記者 why29@hankyung.com
Korea Economic Daily
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