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メリッツ証券幹部「デジタル資産は機関主導に」 トークン証券事業を拡大
概要
- カン・ビョンハ・メリッツ証券常務は、デジタル資産市場が機関と実際の金融需要を軸に再編され、トークン証券(STO)・RWA・ステーブルコインが成長をけん引するとの見通しを示した。
- 同氏は、金融商品のトークン化の拡大が流動性の拡大、取引コストの削減、決済期間の短縮につながり、オンチェーン化への対応の有無が金融会社の競争力を左右すると指摘した。
- カン常務は、メリッツ証券がトークン証券を重要事業と位置付けて段階的に拡大し、ブロックチェーンとAIの組み合わせが決済・清算の効率を高めると語った。
期間別予測トレンドレポート


カン・ビョンハ・メリッツ証券戦略企画担当常務インタビュー
機関・実需中心に転換するデジタル資産市場
STO・RWA・ステーブルコインが成長をけん引
「ブロックチェーンとAIを組み合わせ、決済・清算を革新する」

「デジタル資産市場は今後、機関投資家と制度金融が中心になる。投機的な需要ではなく、実際の金融需要を基盤に成長していく。もはやデジタル資産は単なる投資対象ではない。トークン化した金融商品と、ブロックチェーン基盤の流通・決済インフラを一体で捉える段階に入っている」
カン・ビョンハ・メリッツ証券戦略企画担当常務は8月20日、ブルーミングビット(Bloomingbit)とのインタビューでこう語った。伝統的な金融資産のオンチェーン化が本格化し、デジタル資産市場も新たな転換点に入ったと分析した。これまで市場を主導してきたのは価格上昇と投機需要だったが、今後はトークン証券(STO)、実物資産トークン化(RWA)、ステーブルコインを軸に、機関投資家と実需が成長をけん引するとの見通しを示した。
カン常務は、市場の初期段階では価格への過度な関心と投機需要が大きかったと振り返った。一方で、足元では技術と活用可能性に焦点が移り、市場は成熟の過程にあると指摘した。そのうえで、今後は機関投資家と制度金融が中心となり、実際の金融需要を土台に市場が拡大していくと強調した。
機関が市場を再編、「投機から実需へ」
カン常務は、伝統金融とデジタル資産の境界が急速に薄れているとみる。ブラックロック(BlackRock)などがブロックチェーン基盤の商品へ事業領域を広げる一方、オンド・ファイナンス(Ondo Finance)のようにWeb3から出発した企業も制度金融との接点を拡大しているためだ。
同氏によると、伝統的な金融会社はデジタル資産を既存事業に取り込みつつあり、デジタル資産企業も制度金融に影響力を広げようとしている。トークン証券やステーブルコインのように、機関投資家が安定的に参加できる市場も形成され始めたという。
金融商品のトークン化が広がれば、証券会社が扱える商品や投資家の範囲も広がる。海外資産へのアクセスが高まり、グローバル資本の移動も一段と円滑になる可能性があると付け加えた。
トークン化資産については、流動性の拡大、取引コストの低下、決済期間の短縮といった効果を見込む。カン常務は、既存取引所の取引時間に縛られず売買できる点を利点に挙げた。より大きな流動性と結び付けば、取引コストを下げ、決済も迅速に進められると説明した。
金融会社にとっては、オンチェーン化への対応が今後の競争力を左右する変数になるとみている。新たな金融インフラの導入では投資負担や試行錯誤が避けられないものの、市場構造の再編が進めば、先行して対応した会社とそうでない会社の競争力格差が広がる公算が大きいと話した。
メリッツ、トークン証券事業を段階拡大
メリッツ証券はデジタル資産の専担組織を置き、トークン証券などの新たな投資商品と、ブロックチェーン基盤の流通・決済インフラを準備している。
カン常務は、デジタル資産は投資商品と、それを支えるブロックチェーンインフラという二つの軸で捉えるべきだと語った。銀行は決済機能を土台にステーブルコイン事業を手掛け、証券会社は株式や債券を扱ってきた経験を生かしてトークン証券事業を拡大する可能性が高いとみる。メリッツ証券もトークン証券を重要な事業領域と位置付けているという。
オンチェーン金融でも、証券会社が蓄積してきた商品発掘力、資本をつなぐ機能、流通面のノウハウが競争力につながるとみている。カン常務は、金融会社には大規模な資本と信頼が求められる投資対象を発掘し、機関投資家と個人投資家に幅広く提供する強みがあると説明した。制度金融の参加は、分散型市場におけるカウンターパーティーリスクの低減や、金融消費者保護の強化にも寄与するとの考えを示した。
メリッツ証券は制度変更に合わせ、トークン証券事業の範囲を段階的に広げる計画だ。まずは非定型証券を中心に事業を準備し、その後、株式や債券など定型証券のトークン化が認められれば、関連する仲介分野への拡大を検討する。
カン常務は、業界は技術面でも事業面でも相当の準備を終え、規制体系の整備を待つ段階にあると述べた。規制環境が明確になれば、金融会社の事業展開も本格化するとの見通しを示した。
今後3〜5年は、伝統金融とデジタル資産市場がそれぞれ成長しながら接点を広げる「ハイブリッド段階」になると予想した。すぐに単一のプラットフォームへ統合されるのではなく、両市場が独立して成長しつつ、徐々に収れんしていく過程をたどるとみている。
「トークン化は氷山の一角」 AIが決済・清算を変える
カン常務は、ブロックチェーンと人工知能(AI)の組み合わせが金融インフラ全体の効率を高めると予想した。ブロックチェーンが取引と決済を処理する基盤を提供し、その上でAIエージェントが取引執行やエラー検証、顧客確認(KYC)などの手続きを自動化する構図だ。
同氏は、ブロックチェーンとAIエージェントが結び付けば、とりわけ決済・清算分野で大きな効果が見込めると語った。トークン化した投資商品の拡大は、金融消費者が体感する変化の氷山の一角にすぎないとも指摘した。約定後の資産移転と資金決済にかかる時間を短縮し、AIが関連手続きを自動化すれば、金融インフラのコストと処理時間を同時に引き下げられるという。
9月28日に開くグローバルWeb3・デジタル資産・AIのプライベートカンファレンス「イーストポイント:ソウル 2026」への期待も示した。
カン常務は、イーストポイントを通じて金融会社はデジタル資産業界の革新や新たな試みを受け入れられると語った。一方、デジタル資産企業は金融会社から安定性やコンプライアンス、消費者保護の枠組みを学べると説明した。双方の業界が互いの強みを学び、不足する部分を補う交流の場になることに期待を寄せた。
カン・ミンスン ブルーミングビット記者 minriver@bloomingbit.io
Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.