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【独自】「ラグプル疑惑」のクリプコ、ミニコインと無関係と説明も 白書には「発行主体」

Doohyun Hwang

概要

  • ESMA登録簿によると、クリプコはミニコインのMINIトークン発行者であり、プラットフォームの主要開発者と明記されており、従来の「無関係」との説明と食い違っている。
  • 論争後、従来の白書は開けなくなり、クリプコ関連の記述を削除した新たな2026年6月白書だけが掲載された。これにより、事業主体変更の経緯と責任承継の有無は不透明になった。
  • 投資家は、ラグプル疑惑、ペーパーカンパニー疑惑、従来のNFT補償の未履行、運営権・コミュニティー移管などを踏まえ、誰が既存NFT保有者の権利に責任を負うのか説明すべきだと指摘した。

期間別予測トレンドレポート

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グルワは「クリプコはミニコインと無関係」と線引きしてきた

欧州向け開示では「クリプコがミニコイン発行者」

論争を受け削除、新たな白書を掲載

クリプコに「ペーパーカンパニー」疑惑も

IPX(旧ラインフレンズ)の知的財産権(IP)を活用した非代替性トークン(NFT)事業で「ラグプル(持ち逃げ)」疑惑が浮上しているクリプコ(CRIPCO)が、ミニコイン(MINI)の初期発行と開発を担っていたことが公式文書で確認された。ミニコインを支援するグルワが「ミニコインとクリプコは完全に無関係だ」と説明してきた内容と食い違う。

この事実が投資家の間で論争になると、欧州証券市場監督局(ESMA)の登録簿にひも付いていた従来の白書PDFは開けなくなった。現在は同じURLで、クリプコに関する記述を除いた2026年6月版の白書が提供されている。ただ、ESMAの最新登録簿では今もクリプコがミニコイン白書の提出主体として記載されたままだ。

「ミニコインはクリプコと無関係」説明に虚偽疑惑

クリプコはIPXのキャラクター「WADE」や「OOZ」などを活用し、NFTと独自トークン「IP3」の事業を手がけてきた。その後、約束していたトークン報酬や各種特典を十分に履行しないまま、5月に公式ディスコードチャンネルを閉鎖した。事業を事実上中断し、投資家との連絡窓口まで閉じたため、ラグプル疑惑が持ち上がった。

クリプコはコミュニティー閉鎖時、既存のディスコードチャンネルを削除し、投資家向けの連絡窓口をクレジットコインのディスコード内にあるミニコインチャンネルへ移すと案内した。IP3やNFTなど既存資産の保有者向けには、追加の案内も別途出すとしていた。

ミニコインはキャラクターや音楽などのIPをブロックチェーン基盤の資産として取引できるようにするプロジェクトだ。IPの所有権と取引記録をブロックチェーン上に保存し、関連代金は独自トークン「MINI」で決済する仕組みを採る。

現在、ミニコイン側はミニラブスが事業運営を総括し、IPXがキャラクター「ミニニ」のライセンスを提供していると説明している。グルワが開発したクレジットコインは、ミニコインが稼働する基盤ブロックチェーンと決済インフラを支える。

クリプコが既存投資家向けの連絡窓口としてミニコインチャンネルを直接指定したことで、両事業の関係を巡る疑問が広がった。クレジットコインを開発したグルワがミニコインを支援している以上、従来のNFT事業に伴う責任までクレジットコインのエコシステムに移るのではないかとの問いが相次いだ。

これに対し、グルワのオ・テリム代表は「ミニコインはクリプコと完全に独立した別個のプロジェクトだ」と述べた。そのうえで「クレジットコインはミニコインを支援するだけで、クリプコとは何の関係もない」と強調した。クリプコの既存NFT事業を巡る論争がクレジットコインやミニコインに広がるのを遮断する狙いがあったとみられる。

ミニコイン白書に「クリプコ」表記、論争後に削除

ただ、ESMAの暗号資産市場規則(MiCA)登録簿にひも付いた従来のミニコイン白書には、これと異なる内容が記されていた。該当白書は、シンガポール法人「CRIPCO Pte. Ltd.」をMINIトークンの発行者であり、ミニコインプラットフォームの主要開発者だと明記していた。

白書によると、クリプコはミニコイン基盤サービスの開発、エコシステム管理、パートナーシップ構築などを担っていた。現在の運営会社として紹介されるミニラブスの名称は、従来の白書では確認できない。ミニコインの初期スマートコントラクトのセキュリティー監査にも、クリプコが関与していたことが確認された。ブロックチェーンセキュリティー企業サーティックによると、ミニコインは2025年3月に関連スマートコントラクトの監査を受けた。当時のMiCA白書には、監査で見つかった指摘事項をクリプコが処理したと記載されていた。

こうした内容が投資家の間で論争になった後、ESMA登録簿につながっていた従来のミニコイン白書は別の文書に差し替えられた。クリプコがMINIの発行者であり、プラットフォームの主要開発者だと記載された従来のPDFは、もはや開けない。現在同じURLに接続すると、「2026年6月」と表示された白書が表示される。新しい白書はミニラブスを事業主体として紹介し、MINIをプラットフォームの決済・精算用暗号資産と位置づける。IPXはミニニキャラクターのライセンス提供者として明記されているが、クリプコに関する説明は見当たらない。

もっとも、クリプコに関する記録がESMA登録簿から削除されたわけではない。ESMAが8月18日に更新した最新のMiCA登録簿では、シンガポール法人「CRIPCO Pte. Ltd.」が今もミニコイン白書の提出主体として記載されている。白書のURLも従来と同じだ。最新登録簿に記載された白書URLと、実際に開く文書の事業主体が一致していないことになる。新しい白書が従来のMiCA白書を正式に修正した文書なのか、別個の事業紹介文書なのかも明確ではない。

MiCA規則では、白書を修正した場合、変更後の文書と効力を失った過去文書を区別して保管するよう定めている。公開済みの白書も、暗号資産が一般投資家に流通している間は閲覧可能であることが原則だ。従来文書が別途保管されたのか、白書変更の事実が所管当局に通知されたのかは確認されていない。運営権や開発資産がいつどのような手続きを経て移管されたのか、従来のNFT事業に関する権利と義務まで承継されたのかも公表されていない。

この件について、ブルーミングビット(Bloomingbit)はグルワ側に説明を求めたが、回答は得られなかった。

「ペーパーカンパニー」疑惑も、IPXの対応策は未公表

今回の問題を受け、クリプコがIPXのNFT事業のために設立されたペーパーカンパニーではないかとの従来の疑惑も再燃している。

シンガポール法人登記資料によると、クリプコは2022年3月18日に設立された。IPXがクリプコとNFT事業拡大に向けた戦略的業務提携を結ぶ約3カ月前だ。払込資本金は1000シンガポールドル(約11万円)で、登記住所は「38 Beach Road, South Beach Tower 17-12」とされている。

この住所は、シンガポールで法人設立代行を手がけるアトーズ・シンガポール・コンサルティングが使用していた住所と一致した。公開法人情報でも、同じオフィスを登記住所とする法人が多数確認できる。会社員向け匿名コミュニティー「ブラインド」には、ラインフレンズがNFT事業から撤退し、クリプコはシンガポールに設けたペーパーカンパニーだとの趣旨の投稿も掲載された。

投資家は、クリプコが従来のNFT事業で約束した補償を履行しないままコミュニティーを閉鎖し、その後に連絡窓口をミニコインへ移した点に注目している。さらに従来のミニコイン白書でクリプコが発行・開発主体だった事実も確認され、既存事業の責任は切り離したまま、技術とコミュニティーだけを新規プロジェクトへ移したのではないかとの疑念が強まっている。

IPXの対応も俎上に載っている。IPXは過去にクリプコへ「WADE」や「OOZ」などのキャラクター使用権を提供し、現在はミニラブスにミニニのライセンスを供与している。両事業にIP提供者として関与している以上、IP利用の経緯や既存投資家保護の問題について説明すべき当事者だとの指摘が出ている。

IPXは6月、クリプコのコミュニティー閉鎖を巡る論争の直後、「関係当事者と協力し、責任ある形で事案を処理する」と明らかにした。あわせて「資産保有者に別途案内を提供する」と説明した。その際、「クリプコはIPXのIPを活用してNFT関連事業を進めた別会社だ」とも述べていた。ただ、2カ月が過ぎた現在も、保護対象や支援方法、履行日程など具体策は公表されていない。

この件に関し、IPXはブルーミングビットに「クリプコの資産保有者向けの詳細案内は現在準備中だ」と答えた。「準備が整い次第、公式チャンネルを通じて案内する予定だ」としている。

ある投資家は「従来の白書にはクリプコがミニコインの発行・開発主体と書かれていたが、現在の文書では関連内容がすべて消えている」と指摘した。そのうえで「事業主体が変更された経緯と、既存NFT保有者の権利を誰が責任を持って扱うのかを説明すべきだ」と語った。

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